「29歳の弟が7番目・・・DLE&Cに8番目があってはならない」 2023年10月04日 韓国の労災・安全衛生

8月に釜山のマンション再開発の建設現場で墜落事故で亡くなった故カン・ボギョンさんの母親のイ・スクリョンさん(前列左から2番目)が4日、ソウルのDLE&C本社の1階で思いを伝える時間を待ちながら、「息子を返してください、息子を」と泣き叫んでいる。/ペク・ソア記者

重大災害処罰法が施行された後、7件の重大災害で8人が命を失った建設会社のDLE&Cの重大災害に対応するために、遺族と市民団体が「市民対策委員会」を結成し、会社の責任と政府の厳正な捜査を追求した。

『DLE&Cの重大災害根絶と故カン・ボギョン日雇い下請け労働者の死亡市民対策委員会』(以下、対策委)は4日、ソウル鍾路区のDLE&Cの本社前で、対策委の発足と要求案発表の記者会見を行い、「反復的な重大災害発生に対して、DLグループ段階の実効性のある根本対策を樹立して公開せよ」と要求した。マンション『e便利な世の中』を建てるDLE&Cは、昨年は4件の重大災害で労働者5人が亡くなり、今年7~8月にも労働者3人が亡くなった。

対策委は、8月にDLE&Cの釜山のマンション建設現場で亡くなったカン・ボギョン(29)さんの遺族を中心に、法律・労働団体などが集まって結成された。カンさんは8月11日、釜山のマンションの再開発建設現場で、建具の交換のために高さ20メートルのマンションの6階で作業をしていて、1階の床に落ちた。記者会見でカンさんの姉のカン・ボギョンさんは「安全装置一つなかった。誰も引っ張ってくれなかった。」「一番目の事故、二番目の事故、四番目の事故、五番目の事故、六番目の事故、そして七番目の事故、29歳(カン・ボギョン)にまで来た。八回目はあってはならない」と話した。対策委は「(カン・ボギョンさんの死は)日雇いとして、工事現場の建具の補修作業に投入された初日に起こった。」「下請けの日雇い労働者である彼に、安全教育もせず、安全装備もきちんと支給せずに死に追い遣った。日雇い労働者の命を大したことはないと思う建設現場での死は、予見されたこと」と話した。

雇用労働部は8月29日、DLE&C所属の79ヶ所の施工現場で一斉に監督を行い、61の現場で209件の違反事項を摘発したとして、「徹底的に捜査し、法違反が確認された場合、厳重に措置する計画」だと明らかにした。但し、DLE&Cの重大災害で、この日までに起訴された事件はない。対策委は「(政府が)次々と死亡事故が発生しているにも拘わらず、遅い捜査と遅い起訴によって、責任者を処罰しないという環境を整えている」と主張した。

2023年10月4日 ハンギョレ新聞 チャン・ヒョンウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1110785.html