仕事におけるハラスメント-UNISONガイド「仕事における尊厳方針モデル」-イギリスUNISON(公共部門の労働組合) 2016年12月9日改訂

[編注:第三者によるハラスメント・いじめは、「コミットメント・ステートメント」等一部でふれられているだけだが、参考になると考えて訳出した。「仕事における尊厳方針のモデル」のみで、本文は省略。
「…」には具体的使用者名等が入る。]

仕事におけるハラスメント・いじめの防止

以下のモデル方針は、いかなる形態のハラスメント・いじめもない作業環境を促進するために、職場で活用することができる。

コミットメント・ステートメント

本協定の当事者は、すべての者が仕事において尊厳と敬意をもって扱われる権利を完全に支持する。当事者は、いかなる形態のハラスメント・いじめもない作業環境を促進することを約束する。当事者は、これを達成するために適切なステップがとられなければならないことに同意する。

…(使用者)は、質の高いサービスを提供するための、すべての労働者の貢献を評価している。当事者は、そのような貢献が、不必要な不安、ストレスや恐怖を感じることなく、労働者が個人として尊重される雰囲気のなかで働ける状況においてもっとも効果を発揮することを認識している。当事者はそれゆえ、すべての労働者の尊厳を支え、また、いかなる形態のハラスメント・いじめもない作業環境を生み出す決意をした。

…(使用者)は、いかなる形態のハラスメント・いじめも容認できない行為であり、個人の尊厳を損ない、道徳的に間違っており、また、サービスの準備・提供に悪影響を及ぼすと考えている。こうした理由から、それは容認されない。

すべての労働者は、他の労働者によるいじめまたは嫌がらせを禁止する…(使用者)の方針について認識し、また、この方針を遵守することが期待される。

ハラスメントやいじめは、懲戒処分の対象として扱われ、この方針に違反した労働者に対しては、警告、(賃金や給与の保護のない)強制的な異動、及び重大な違反に対する解雇を含め、適切な懲戒処分が行われるだろう。

…(使用者)はまた、一般の人及び契約業者によるいじめまたはハラスメントから労働者を保護する責任があることも理解している。すべてのスタッフは、サービスを提供する、または仕事の対象である一般の人から敬意をもって扱われる権利がある。一般の人や契約業者によるスタッフのハラスメントは、別の方針によって対処される[もしある場合には、例えば、「スタッフハンドブック中のスタッフに対する暴力方針」等、方針の名称を記載]。

すべての労働者は、いじめまたはハラスメント行為を容認しない作業環境を生み出すのを助けるうえで、明確な役割をもっている。とりわけ、労働者は、自らの行動を自覚し、不適切な行為に加担することを避け、申し立て手続きに全面的に協力しなければならない。管理者と監督者には、この問題に注意を喚起し、申し立てに対して前向きに対処し、職場における容認できない行為に対抗及びやめさせる責任がある。

本方針は、メインオフィスまたは通常の作業場所から離れたところで働く者を含め、施設内及び施設外のすべての労働者に適用される。
本方針は、労働者を代表する労働組合とともに策定され、支持されている。トレーニング、情報や宣伝、職場の打ち合わせ、部門会議や部内出版物など、様々な手段を活用して、労働者に周知される。

職場ハラスメント及び労働におけるいじめとは何か?

ハラスメントとは、一般的な言葉としては、労働者の尊厳を侵害し、または、労働者にとって脅迫的、敵対的、下劣的、屈辱的または不快な環境を作り出す目的または、そのような効果をもつと合理的にみなされることを条件に、そのような効果をもつ、望まない行為を言う。

重要なことは、必ずしも行動ではなく、それを受けた者がどう感じるかである。

それは、年齢、障害、ジェンダー再適合、人種、母性、妊娠、婚姻関係またはシビルパートナーシップの状態、宗教または信念、性別、及び性的指向または個人の何らかの個人的特性に関係する可能性があり、また、継続的または単発の事象である可能性もある。

セクシャルハラスメントとは、歓迎しない性的な誘い及び/または発言、性的好意の要求、若しくは、性的な性格の、威圧的、下劣的、屈辱的、脅威的または不快に感じさせる、その他の望まない行為を言う。それには以下が含まれる。

・攻撃的なジェスチャー、じろじろ見る/いやらしい目つきをする、ピンナップまたはカレンダー、性的に露骨な素材または攻撃的な出版物、コンピュータ・ポルノグラフィー、頼んでいない/望まない贈り物など、言葉によらないセクシャルハラスメント

・(Eメールまたはソーシャルメディアによるものを含め)示唆的/露骨な表現、望まない誘いかけ、性的に露骨または示唆的なジョーク、「ペットネーム」[親しい者の間だけでの愛称]、個人的または侵略的な発言又は質問、キャットコールや口笛、見下したまたは軽蔑的な発言など、言葉によるセクシャルハラスメント

・意図的な身体接触(他者の体にふれる、つまむ、さわる)、公然わいせつ、痴漢行為、愛撫、性的暴行など、身体的セクシャルハラスメント

いじめ[bullying]とは、個人または労働者グループを弱体化させることを企図した、持続的な攻撃的、威圧的、屈辱的な行為を言う。

いじめまたはハラスメントは、個人が個人に対して行う場合、または、集団を巻き込む場合もある。それは、組織内のどのレベルでも、またどのような関係でも起きる可能性がある-管理者または監督者の役割とは限らない。それは、明らかかもしれないし、または、とらえにくく、見分けるのが相対的に難しいかもしれない。それは、社員食堂、トイレ、休憩室または事務室など、職場のどこでも起こり得る。顧客の自宅または事務所、会議、トレーニングコース、従業員パーティなど、職場から離れて起きる場合もある。それは、顔を合わせてまたは書面によるコミュニケーション、Eメール、電話、ソーシャルメディアによるかもしれない。どのようなかたちをとるにせよ、個人にとって不当かつ歓迎しないものである。プライベートにも、または公の場でも行われる可能性がある。

以下のリストは、ハラスメント・いじめの一般的な形態を示しているが、決して網羅的なものではない。

いじめ行為及びハラスメントの事例には以下が含まれる。

・公の場またはプライベートに、スタッフに対して繰り返し怒鳴ったり、または悪態をつく

・悪意のある噂や偏見に満ちた作り話を広める

・誰かを侮辱したり、軽蔑的または口汚い言葉、ニックネーム、揶揄する言葉を使う

・おこがましい質問をしたり、望まないほのめかしをする

・歓迎しないまたは攻撃的なイメージ、落書き、身体的ジェスチャー、顔の表情、凝視、物まね、ジョーク、いたずらを使う

・誰かを嘲笑したり、または卑しめる

・人種差別的、性差別的、同性愛者差別的、年齢差別的または障害者差別的なジョーク、冗談、ほのめかしまたは侮辱

・労働者を馬鹿にしたり、いじめたり、または失敗させる

・労働者の能力または適性について憶測して、劣った者として扱う

・誰かと一緒に働くのを拒否し、誰かを除外、孤立、無視または遠ざける
・労働者と関係のある誰かを不当に排除したり、または彼らに攻撃的な発言をする

・誰かが何かをすることを不必要に難しくする

・本人の同意を得ずに、ある者をLGBまたはトランスジェンダーとして公表したり、または噂を流す

・ある者が移行したときに、新しいジェンダーとして扱うことを拒否する

・誰もが異性愛者である、または特定の宗教や信念をもっていると思い込むなど、何が「普通」であるかについて憶測する

・個人のプライベートや性生活について立ち入った質問をする

・根拠のない仕事の保障に関する脅しまたは発言をする

・過剰な負担をかけたり、不当な批判を続けることによって、能力のある労働者を意図的に貶める

・不公正な仕事の配分

・意図的に昇進またはトレーニングの機会を阻むことによって、個人の向上を妨げる

・威圧的な監督またはその他の権力や地位の乱用

・何かをするように、またはしないようにする望まない圧力、もしくは脅迫または強制の使用

・コンピュータスクリーンサーバーなど電子的なものを含め、ポルノ写真、[Sun紙]三面に載るようなピンナップ・カレンダーなど、性的に露骨または示唆的な素材の、またはEメールでのそのような素材を流布することによる、表示

・労働者または他者に向けられたものであるかにかかわらず、いじめまたはハラスメントの受け入れまたは共謀を拒否した結果としての迫害

・個人用スペースへの侵入や不必要に人にふれるなど、身体的な接触

・身体的虐待、攻撃または暴力

予防措置

…(使用者)は、職場におけるハラスメント・いじめを防止するのに役立ち得る、多くの阻止的措置があることを認識している。これには以下が含まれる。

・能力を有し、人々を尊重する人材管理、事業所リスクアセスメント、ハラスメント・いじめ行為の認定及び適切な介入を含めた、優れたマネジメント・プラクティス

・すべての労働者のためのハラスメント・いじめについての適切な紹介及びトレーニング

・労働者に対する、自分の状況について秘密厳守で話し合える場所、さらなる行動をとるための道案内、または早い段階での調停の援助の確保

個々人の責任

すべての労働者には、容認できない行為を大目に見ない、安全な作業環境を作り出すのを支援する義務がある。すべての労働者には、以下を行う個人的責任がある。

・ハラスメント・いじめの性質を理解しているようにする

・自らの行動が他者にどのような影響を与えるかを認識し、チーム内で設定された行動基準を守る

・実施される調査に全面的に協力することを含め、方針ガイドラインに沿って働く

・ハラスメント・いじめに注意し、適切な場合には容認できない行為に対抗する

しかし、労働者が、ハラスメントまたはいじめについて、他者に対して故意に虚偽または悪意のある申し立てを行ったことが判明した場合には、懲戒処分が行われるだろう。

管理者・監督者の義務

管理者には、自らの管理する領域内で、誰もが、尊厳と敬意をもって扱われる権利を有していることを確保する特別な責任がある。彼らは以下のことをしなければならない。

・ハラスメント・いじめの申し立てに、迅速、センシティブかつ客観的に対応するとともに、犯罪につながるような行動に気を配り、必要な場合には労働者に期待されている基準を思い出させる

・(サービス利用者、訪問者または契約業者など)第三者である加害者に対して、行動が抑制されない場合には、サービスの中止、契約の終了または施設への立ち入り禁止を視野に入れて、明確に対処する

・本方針が遵守され、必要に応じて徹底した調査が行われていることを確保する

管理者には、許容される行動の模範になるという、追加的責任もある。彼らは、自らの立場上の権力の乱用が、何が許容される行動なのかについて矛盾したメッセージを送ることになり、また、ハラスメント・いじめを容認することにしかならないことに気づいていなければならない。

自らの責任範囲内で職場における尊厳方針を積極的に実施しなかったり、または、それに気づきながらハラスメント・いじめに対処しなかった場合には、方針違反となり、懲戒処分が行われる可能性がある。

相談担当者

…(使用者)は、以下のような場合には、ハラスメント・いじめの問題を提起するのが困難である可能性を認識している。

・直属の管理者がハラスメントまたはいじめを行っている

・労働者が、問題を管理者に提起するのを嫌がったり、あまりにきまり悪がったりしたり、または、管理者にはハラスメントの申し立てに能力、知識や繊細さが不十分だと感じている

・労働者が、正式な手続きを利用することに不安を感じている
…(使用者)は、行動に移せるようにするために、そのような潜在的な困難をが克服され、ハラスメントの疑惑が提起されるよう確保することに関心をもっている。

これを確保するのに役立つように、ハラスメントの申し立てに対処し、自らまたは同僚がハラスメントを経験したと考えている労働者に助言を提供するために、特別のトレーニングを受けた者-相談担当者-が指名されている。

相談担当者の主要な役割は、以下のとおりである。

・ハラスメントの申し立てを行う労働者に親身になった援助を提供する

・彼らに申し立てを機能させる手順を説明する

・申し立ての主要な内容を確認する

・労働者が問題をさらに進めると決めた場合には、行動のために申し立てを適切な管理者につなぐ

…(使用者)は、相談担当者が、その役割を果たすうえで、特別なトレーニングを受けているよう確保する。

相談担当者は、事例を完全に秘密厳守で話し合い、また、労働者の同意なしに、他者に情報をもらさない。

ハラスメントについて話すために相談担当者に相談した労働者には、さらなる行動をとる義務はない。相談担当者は、労働者が何をすることを望むか決めるのを援助するためにそこにいる。ハラスメントを受けた労働者は、申し立てを相談担当者に照会することを義務づけられているものではない。彼らがそうするかどうかは完全に本人次第である。しかし、相談担当者の指名は、そのような労働者が申し立てを行うのを躊躇しないようにするための追加的措置である。

相談担当者のリストは、………である。

労働組合代表

労働組合代表は、申し立てを行うのを支援することを含め、ハラスメントの対象になった組合員を支援することができる。

…(使用者)は、ハラスメントに懸念を抱いているすべての組合員が、労働組合代表に相談することを奨励する。

…(使用者)は、労働組合代表や組合員が、組合が提供する仕事におけるハラスメントに関するトレーニングコースに有給で勤務を休んで参加することを認めるだろう。

…(使用者)は、組合員に対する注意喚起及びハラスメント問題への対処に関する労働組合の活動を支援するだろう。

…(使用者)は、仕事におけるストレスが一般的に職場ハラスメント・いじめの原因になる可能性があることを認識しており、労働関連ストレスに対処する労働組合の取り組み方に共同で合意する。

…(使用者)は、例えば、人員配置、職務内容、役割、仕事量、時間、病気の手続きなどの変更など、仕事におけるストレス、ハラスメントやいじめを増加させる可能性のある、何らかの提案について十分な時間をかけて労働組合と協議するだろう。

…(使用者)は、労働組合の活動家または組合員がその組合活動を理由にハラスメントまたは迫害の対象になることを予防する。

手 続

相手にその行為をやめるよう求めることから、相談担当者との非公式な話し合いや公式に申し立てをすることまで、個々人がハラスメントまたはいじめに対処する方法は様々である。

いじめまたはハラスメントについて申し立てを行うのに、被害者または対象者である必要はない。あなたがそれが起きるのを見たとすれば、申し立てをする権利がある。もしあなたが問題に気が付いたとしたら、それについて申し立てをする権利がある。ハラスメント・いじめに対処することは全員の責任である。

自らの行為がある状況においていじめまたはハラスメントであることに気づいていない者もいる。彼らの行為が容認できないことを指摘すれば、問題が解決できることもある。この点を考慮して、本方針は、ハラスメントの申し立てに非公式及び公式に対処する場合が含まれている。

非公式な対応

1. 可能であれば、自分がいじめまたはハラスメントの対象になったと考える労働者は、最初に、その者に行為をやめるよう求め、その行為のどの部分が不快で容認できないか、またそれがどのような影響を与えているか明らかにすべきである。これは、口頭でも、または書面によって行うこともできる。ハラスメントを受けた者が、責任のある者に直接アプローチすることはできないと感じる場合には、相談担当者、友人、同僚または労働組合代表がこの最初のアプローチを行うことができる。

2. 労働者が、その歓迎されないまたは動揺させるような行為をやめるようアプローチされた場合、彼らは、過敏になりすぎる必要はないが、人によって容認できることが異なること、誰もが、どのような行為が彼/彼女にとって容認できるかを決定し、また彼/彼女の気持ちを他者から尊重してもらう権利があることを忘れてはならない。謝罪と、その行為を繰り返さないことを約束することで、問題の解決に十分な場合もあり得る。

3. 申し立ての性質によっては、調停も、ハラスメントまたはいじめの状況に対処する方法でありうる。それは、調停が、紛争当事者の2人(またはそれ以上)が、双方が合意できる解決策をみつける手助けをする、自主的なプロセスである。調停者は、どちらかの側に立ったり、紛争当事者に何をすべきか指示することはしない。両者は、このプロセスに自主的に参加し、仕事上の関係を修復することを目的としなければならない。

4. いじめまたはハラスメントの対象になったと考える労働者が、上述したアプローチをとることができない場合、または、ハラスメントが非常に深刻な性質の場合には、相談担当者に相談し、秘密厳守で非公式な助言を受けることができる。労働者が申し立てをしない限り、それ以上の対応はとられないだろう。

自分自身はハラスメントの対象でないかもしれないが、他者のハラスメントについて懸念している労働者も、秘密厳守の助言を受けることができる。

公式な対応

非公式な対応でいじめまたはハラスメント行為をとめられない、提起された問題が調停にはふさわしくないほど深刻、あるいは被害者が問題の完全な解決を望んで公式な申し立てをした場合には、申し立て処理手続きを開始し、公式の報告書が作成されなければならない。この手続きの全体を通じて、申立人及び申し立てがなされた相手方には、労働組合代表、友人または同僚を同伴し、また、相談担当者に非公式な助言を求める権利がある。

1. いじめ行為またはハラスメントの対象になったと考える労働者は、直属の管理者に、または、いじめまたはハラスメントを行った者が直属の管理者である場合にはより上位の管理者に、申し立てる行為または複数の行為を報告しなければならない。当該労働者は、日時を特定し、また、ハラスメントまたはいじめがどのようなものであるかの説明をつけた、書面による申し立てを提示しなければならない。

2. すべての申し立ては、タイムリーかつ秘密を厳守したやり方で、処理及び調査されるだろう。いかなる時点でも秘密厳守が維持される。労働者は、被害者または加害者であるかにかかわりなく、公正かつ公平な聴聞を保証されるべきである。上級管理者は、申し立ての徹底的な調査を確保する責任を負うだろう。

3. 調査の最初の段階として、上級管理者が、申立人及び申し立てをなされた者の双方に、要請があれば代理人が立ち会いのもとに、別々のインタビューを手配するだろう。

4. 可能な限り、…(使用者)は、申し立てが調査されている間、申立人と申し立てをなされた者が一緒に働く必要がないように努める。深刻な事例では、調査中、申し立てをなされた者が停職となり、その後に懲戒手続きが行われるかもしれない。そのような停職は可能な限り短期間で、100%賃金が支払われるだろう。

5. 調査を踏まえて、上級管理者は、申立人に対して、書面で詳細な回答を与えるだろう。

6. 調査の結果、申し立てが支持された場合には、ハラスメントまたはいじめをただちに止め、再発を防止するよう設計された迅速な措置がとられるだろう。そのような場合で、異動が必要と判断された場合には、申立人が別の要求をしない限り、申立人ではなく、申し立てられた加害者が異動させられるだろう。

7. 懲戒処分が必要と考えられる場合には、そのような処分は、従業員懲戒手続きに厳密にしたがって検討されるだろう。

8. 労働者は、申し立てを行ったこと、または調査に協力したことに対して、脅迫、迫害または差別から保護されなければならない。申し立てを行ったこと、またはハラスメントの調査に協力したことに対して報復することは、懲戒処分の対象である。

9. この手続きに基づいてなされたいかなる決定も、労働者が、従業員苦情処理手続きに基づいて通常の方法で苦情を追求することを妨げるものではない。

10. 申立人には、上級管理者から決定を受け取ってから…[具体的期限]内に、調査に基づく決定に対して不服申し立てをする権利がある。不服申し立ては、その理由を述べて、書面によってなされなければならない。

11. それ以前には当該手続きに関与していない、より上位の管理者との不服申し立て会議が手配されるだろう。当該労働者には、彼/彼女の主張を述べ、なぜ結果に満足できない理由を説明する機会が与えられるだろう。さらに調査を行う必要があると判断された場合には、不服申し立てを聴取した上級管理者によって会議が延期されるかもしれない。会議は可能な限り早く再招集されるだろう。

12. 上級管理者聴聞の結果は最終決定となる。

情報及びトレーニング

すべての労働者に、この仕事における尊厳方針・手続が知らされるだろう。労働者はイントラネットで方針のコピーを入手することができ、新しい労働者には入職時にコピーが提供される。

加えて、監督者、管理者及び新しいスタッフを含め、すべての労働者に、ハラスメント及び本方針に関するトレーニングが与えられるだろう。これには、何がハラスメントにあたるかに関する情報、また管理者に対しては、彼らの責任は何かに関する情報が含まれるだろう。ハラスメント・いじめに関するトレーニングセッションでは、労働組合代表が招かれて話をするだろう。

相談担当者及び申し立ての調査に責任をもつことになる可能性のあるすべての管理者には、この役割に関する特別のトレーニングが与えられるだろう。

本方針はまた、契約の一部として方針を遵守することを求められる。契約業者及び派遣業者にも周知されるだろう。

いじめまたはハラスメントを経験したスタッフに対する支援

…(使用者)は、いじめ・ハラスメントが職務遂行能力に影響を与え、またストレスを引き起こす可能性があることを認識している。いじめまたはハラスメントが職務遂行能力を低下させる場合、これは健康問題として扱われ、該当する者は本方針のもとで援助を求めることを奨励される。いじめまたはハラスメントによって引き起こされたストレスに苦しむ個々人に対する差別はないだろう。

すべての労働者に対して、独立した訓練を受けたカウンセラーへのアクセスが利用できるだろう。サービスは、厳格にカウンセラーと当該スタッフの間の秘密厳守とされる。関連するスタッフの書面による同意なしには、いかなる詳細または記録も公開されることはない。

いじめまたはハラスメントを受けた労働者は、カウンセリングを受けるための有給の休業を与えられるだろう。ストレスカウンセラーとの連絡の方法は、…[記載場所]に書かれており、スタッフは、彼らが望むときに、望むように、カウンセリングを手配することができる。

レビュー及び監視

本方針は、定期的に、労働組合と管理者の双方によって共同でレビューされる。最初の有効性のレビューは、本方針が施行されてから6か月後に行われる予定である。その後は、12か月を超えない期間ごとに、レビューが行われるだろう。

…(使用者)はまた、定期的に、その他の手段によって、ハラスメント・いじめのない職場を生み出すうえでそれがいかに成功しているか監視するだろう。その手段には、秘密厳守のスタッフ調査、トレーニング、ハラスメント・いじめ一般の注意喚起やリスクアセスメントの実施が含まれるかもしれない。

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安全センター情報2022年5月号

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