「中皮腫患者白書-実態調査アンケートから見えてきたこと」/中皮腫サポートキャラバン隊

中皮腫患者白書-実態調査アンケートから見えてきたこと-

中皮腫サポートキャラバン隊は2022年2月12日、「中皮腫患者白書-実態調査アンケートから見えてきたこと-」(124頁・カラー)が完成したことを公表。希望者に無償で送付している。申し込み先は、https://asbesto.jp/archives/5401

この調査の企画が始まったのは4年前の2018年。当初考えられていたアンケートはA4サイズ1枚ものでした。しかし全国の患者さんの実情を把握する機会を無駄にはしてはいけないと、どんどん聞きたいことを追加していった結果、最終的には45項目184個という途方もない内容になってしまいました。それは生前、栗田さんがこのアンケートを見て『とんでもないものができたなぁ…。』と呟いていましたが、まさしくそのとおりだったと今更思い、あらためて調査に協力していただいた患者さん、その御家族の方には感謝しかありません。
編集には未熟な部分もあったと思いますが、皆様から頂いた貴重な生の声は報告書として多くの患者さん、御家族の方、病院や行政などの関係機関に届けることができたのではないでしょうか。この報告書が、少しでも中皮腫を取り巻く環境の改善につながることを願ってやみません。

『中皮腫患者白書-実態調査アンケートから見えてきたこと-』完成!! 希望者へ無償で差し上げます

NHKは同日、「アスベストでの中皮腫患者 40%余が困窮 “国の支援策充実を”」として、以下のように報じた。

アスベスト特有のがん、中皮腫の患者の支援団体が行った調査で、患者の中で経済的な困窮を感じていると答えた割合は40%余りに上り、団体は国に支援策の充実を求めることにしています。
調査は、NPO法人『中皮腫サポートキャラバン隊』が、患者どうしの相談会の参加者を対象に行いました。
アスベストで中皮腫を発症した患者には、労災保険による給付金や、労災の対象外でも医療費や月額10万円の療養手当が支給されていることを踏まえ、調査では経済的な状況を尋ねました。
その結果、『経済的な困窮を感じている』と答えた人は
▽2019年度には回答した100人中45人と45%、
▽2020年度には63人中26人と41%に上りました。
困窮を感じているのは特に50代で多く、子どもの教育費がかかる時期であることなどが理由でした。また、発症前後の世帯年収を調べた2019年度の調査では、発症した患者の47%が労災や救済制度による支給を含めても収入が減ったと答え、このうち減収幅は200万円以上という人の割合が最も高くなりました。
…団体では、結果を『中皮腫患者白書』としてまとめ、国に支援策の充実を求めることにしています。」

アスベストでの中皮腫患者 40%余が困窮 “国の支援策充実を”(NHK 2022年2月12日)

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