『感電死』したサムソン電子サービスの修理技師。『実績の圧力』が原因 2021年9月30日 韓国の労災・安全衛生

30日、全国金属労働組合事務室でサムソン電子サービス支会の組合員が、28日に発生した家電製品修理技師の感電死に関する記者会見を行っている。/パク・テウ記者

顧客親切度、再サービス率、処理力、マルチ技術力、初度修理率・・・・。

サムソン電子サービスが家電製品の設置・修理技師の実績を評価する指標だ。このような指標は、賃金引き上げや昇進に影響を及ぼす。28日にソウル陽川区の顧客の家で洗濯機を修理していたサムソン電子サービスのユン・某(44)さんが感電して亡くなったことに、ユンさんの同僚たちは、会社の『実績の圧力』が事故を呼んだと主張した。

全国金属労働組合サムソン電子サービス支会は30日に記者会見を行い、「安全を脅かす実績圧力を中止して、人員を補充せよ」と要求した。

この日、故人と一緒に働いた支会のキム・ムンソク陽川分会長は、「ユンさんは安全を最優先にした友人」で、「『私たちは死ぬほど働いているのに、なぜこのように時間に追われるのか分からない』という話をしばしばしていた」と、涙声で話した。

実際にユンさんは、事故があった何日か前から、実績を満たせという管理者からの圧力を受けていた。事故前日には『実績が未達になっているので経緯を報告せよ』という文字メッセージを受け取っていた。通常、修理技師は一時間に1件を基準に、一日8件の修理を配分されるが、ユンさんはこの日も「午前に2件しかできなかった」と話すなど、厳しい実績の圧力に苦しめられていたと見られる。

状況がこのようなので、技師が不安全な環境でも無理をせざるを得ないというのが、支会の主張だ。特に最近で、家電製品の大型化の流れで、一人で製品を移動することができないケースも多いという。ユンさんやはり狭い空間で、電気コードを抜くために重い大型ドラムの洗濯機を移動している最中に、排水ホースが壊れて感電したと推定される。

実績の圧力はユンさんだけの問題ではないというのが支会の主張だ。キム分会長は「センターは『人員が足りないので、夏期よりも未処理が深刻だ』という話をしたし、時間帯別に技師別の実績を公開して労働者を急かしている」とし、初度修理率(一回の訪問で修理を終わらせる比率)が重要な指標なので、一人ではできなかったり難しい作業も無理にせざるを得ない環境」と話した。その上、陽川センターは、一日の修理処理件数を意味する『処理力』を高めるという趣旨で、一日に10件以上を処理すれば1万ウォン、11件を処理すれば2万ウォンを支給して名簿を公開する制度を、『イベント』の形式で運営している。

支会は人員不足の問題も指摘した。ユン・ジョンソン・ソウル支会長は「会社が顧客を訪問して製品を掃除する『ケア・マスター』サービスを昨年から始め、今までの修理量を残った外勤の人が処理しなければならないために、過重になっている」と話した。

これに対してサムソン電子サービスの関係者は「ベテランの職員の残念な事故に痛恨な心情」として、「労組が指摘する運営上の問題点も傾聴して、警察の捜査によって把握される正確な事故原因まで一緒に考えて、再発防止対策を準備する」と話した。

2021年9月30日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1013405.html