イギリス-大人と比較したアスベストに対する子供の 相対的脆弱性に関する声明-学校・教員アスベスト

<イギリス>食品・消費製品及び環境中の化学物質の発がん性に関する委員会

要旨

I. われわれは、教育省(DfE)の独立的な「学校アスベスト運営グループ[Asbestos in Schools Steering Group]」に議論を知らせるためにアスベストに対する子供の相対的脆弱性に関する助言を求められた。アスベストに対する子供の脆弱性を評価するためには、ふたつの鍵となる要素がある。①曝露時年齢と平均余命の影響、及び、②子供固有の傷害に対する感受性である。「感受性[susceptibility]」、「感度[sensitivity]」及び「脆弱性[vulnerability]」の用語の厳密な定義が、議論のために不可欠であった。われわれは、以下の情報-関連する疫学研究、動物実験、子供が経験するかもしれない曝露レベル、及び子供と大人の解剖学的及び生理学的差異を吟味した。

II. イングランドには24,372の学校があり、それらの学校の75%以上がアスベスト含有製品(ACPs)を含んだ建物をもつと推測されている。建物がACPsを含んでいれば、子供を含めた占有者がアスベストに曝露する可能性は高くなる。アスベストが存在し、かつかき乱されるか損傷される場合に、曝露は増加しうる。

III. すべての種類のアスベストがヒトに対して発がん性であり、中皮腫及び肺、喉頭及び卵巣のがんを引き起こす。疫学的観点からは、幼年時のアスベスト曝露が後に中皮腫を引き起こしうるというたしかな証拠がある。

IV. 大人と子供の間には呼吸及び免疫学的差異があるが、アスベスト起因がんに対する子供の感受性に対するそれらの影響は明らかではない。

V. 限られたものではあるが、入手可能なデータからは、子供がアスベスト関連傷害に対してより脆弱であると言うことは不可能である。しかし、大人と比較して子供の余命が長いことから、疾病の長い潜伏期間の結果としての中皮腫の傷害リスクが高まるということは、委員会は十分理解している。平均余命の差異のために、所与のアスベスト量に関して、中皮腫を発症する生涯リスクは、25歳で初めて曝露した大人と比較して5歳で初めて曝露した子供は約3.5倍、30歳で初めて曝露した大人と比較した場合には5倍になると予測される。われわれの評価にいたるなかで、また多くの不確実性及びデータのギャップがあることを考慮しつつ、われわれは、アスベストに対する子供の曝露は、同等の量のアスベストへの大人の曝露よりも、子供を中皮腫の発症に対してより脆弱にしそうであると結論付ける。

背景及び委託事項

  1. 2011年、教育省(DfE)は、アスベストに対する子供の相対的脆弱性に関する発がん性に関する委員会(COC)からの助言を求めた。この要請は、DfEに報告を行う「学校アスベスト運営グループ」と呼ばれる独立的な諮問グループにおける議論から生じたものであった。この運営グループは、学校におけるアスベストの効果的な管理を促進するとともに、そのような管理に関する手引きの開発に貢献することを目的としている。DfEはその後保健省(DH)に子供に対するアスベストのリスクの評価を求め、DHはCOCに対する委託によってこの要請を促進した。

戦略

  1. 委員会によって評価された情報には以下が含まれる-
    i) アスベストに対する少児期の曝露と後の人生における中皮腫のリスクに関する入手可能な疫学論文の評価
    ii) アスベストの年少曝露の後の人生における曝露と比較した相対的な変化及び結果を調べた入手可能な動物実験のレビュー
    iii) 呼吸の生理、炎症及び線量算定に関する子供と大人の間の差異に関する議論
    iv) とりわけ学校建物及び居住施設において、子供が曝露する可能性のあるアスベスト・レベルに関する情報
    v) 対象課題に対する背景情報に関して、WATCH声明及び低レベル曝露に関する彼らの審議の検討。WATCHは、化学物質による健康リスクの評価及び管理に関する科学的及び技術的問題について有害物質諮問委員会(ACTS)及び安全衛生庁(HSE)に助言を行う、HSEの委員会である。
    委員会は、多数の保健その他の専門家から意見を聞いた。別添A[省略]は、この問題についてCOCに口頭及び書面による情報を提供したそれら専門家及び他の個人のリストである。
  2. 最初からわれわれは、アスベストに対する子供の脆弱性を評価するにあたっては、ふたつの要素の注意深い検討が求められることに合意した。①曝露時年齢と平均余命の影響、及び、②子供固有の傷害に対する感受性である。「脆弱性」の語の明確な理解が議論のために不可欠であった。以下の「感受性」、「感度」及び「脆弱性」の定義は、Hinesら(2010)に基づいており、委員会の用語の理解に反映するとともに、したがって全体を通じて使われている。感受性は、一定の曝露の影響を修正して、与えられた関連曝露レベルにおける健康リスクの変容をもたらす、生物学的(内因性)要因によって特徴づけられる能力と定義される。感度は、感受性(生物学的要因)と曝露における差異の結合した影響によりリスクを高める能力を表す。脆弱性は、健康リスクの変容に寄与しうる社会的及び文化的パラメーター(例えば、社会経済的状態や居住場所)を含む追加的要因はもちろん、感受性及び感度のコンセプトを併合するものである。われわれは、学校を去る年齢までのすべての子供が考慮に入れられるべきであることに合意した。

アスベスト

  1. アスベストは、環境中に自然に生成する6種類の繊維性鉱物-クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、及び、トレモライト、アクチノライト及びアンソフィライトの繊維性変種-のグループに与えられる名称である。クリソタイルは蛇紋石系鉱物に属し、他はすべて角閃石系に属する。アスベスト鉱物は、薄く、並列配置をもつ分離可能な繊維からなる。角閃石系アスベスト繊維は概してもろく、しばしば棒状または針状の形態であるが、クリソタイル・アスベスト繊維は柔軟かつ捩れている。「規制アスベスト繊維」の語は、幅に対する長さの比(アスペクト比)が少なくとも3:1でかつ長さ5μm以上のクリソタイル、アモサイト、クロシドライト、トレモライト、アクチノライト及びアンソフィライトを含み、少なくとも500倍で位相差光学顕微鏡(PCM)で視認できる(イギリス労働におけるアスベスト管理規則(CAWR, 2012))。付録A[省略]は、様々な種類のアスベストについて詳述している。

イギリスにおけるアスベストの源

  1. 1940年代以来530万トンを超すアスベストがイギリスに輸入され、1960年代および1970年代半ばにピークに達した後、急激に減少した。歴史的に、クリソタイルがイギリスに輸入されたアスベストの主な種類であるが(輸入されたすべてのアスベストの95%)、1950年代後半から1970年代中頃の間には毎年20万トンを超すアモサイトが輸入され、同期間に輸入されたアスベストの約15%を占めた。クロシドライトの輸入は1950年から1960年代はじめに毎年約6,000トンで、合計アスベスト輸入量の約5%であった。アスベストは、1950年代から1980年代中頃にかけて、イギリスではばひろい(3,000種類以上の)工業製品に広範に使用された。その吸音性、平均伸張強度、火、熱、電気的及び化学的損傷に対する抵抗性、及び手ごろな価格のゆえに、主として、建材、摩擦材及び耐熱構造に使用された。アモサイトとクロシドライトの輸入、供給及び使用は1985年に、クリソタイルは1999年に禁止された。しかし、以前の広範囲に及ぶ使用のゆえに、アスベストはいまなお2000年より前に建てられた学校、家屋、フラット及びオフィスなどの建物、及び禁止前に製造された製品のなかに存在している。子供を含めた、イギリスの住民は、そのような建物からのアスベストに潜在的に曝露している。屋内及び屋外の環境レベルからの低レベル曝露も考慮されなければならない。
  2. アスベストは、三つの主要な環境媒体、すなわち大気、水及び土壌に存在している。人間にとって、アスベスト繊維の曝露の主要なルートは吸入であり、またそれよりは低い程度で摂取である(HPA, 2007)。吸入されると、アスベスト繊維は気道の上皮表面に沈着する。アスベスト繊維の運命は、沈着した場所とその空気力学的特性に左右される(HPA, 2007)。相対的に長く、薄い繊維が末梢気道や肺胞域のなかにより深く運ばれるかもしれないのに対して、相対的に短く、厚い繊維は通常上気道に沈着する(ASTDR, 2001)。角閃石系繊維はクリソタイル繊維よりも、肺内により長い期間貯留する(Albin etら. 1994; Churg 1994; Churgら 1993; Davis 1989)。
  3. われわれの議論のなかで、アスベスト分析の専門知識のあるHSE職員は、建物内のアスベスト繊維の大気中濃度を判定する一般的ではない手続として、メンブラン・フィルターを通じた大気濾過があることを知らせた。いくらかのフィルター操作の後に、光学位相差顕微鏡(PCM)または電子顕微鏡(EM)のどちらかを用いて繊維が計測される。走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)の双方は、X線解析検出器を備えている場合には、計測された繊維がアスベストであることを検証するために活用することができる。TEMは典型的には、小さくて薄いアスベスト繊維及び構造のアスベスト分析のために、非職業環境のなかで用いられる(付録A参照)。付録B[省略]は、アスベスト管理に用いられる手法に関する詳細を提供している。2012年アスベスト管理規則が、2012年4月6日に発効した。アスベストの管理限界は、1立法cm(またはml)の大気当たり0.1本のアスベスト繊維である(0.1f/m3、0.1f/ml)。管理限界は「安全」レベルではなく、アスベストが関わる作業活動からの曝露は可能な限り管理限界より低く低減されなければならない(HSEウエブサイト, 2013a)。

アスベスト・レベル

  1. 1997年の環境保健研究所(IEH)によるレビューは、吸入性アスベスト繊維のバックグラウンド屋外(環境)レベルは0.000001~0.0001f/mlに及ぶ可能性があると指摘している(IEH, 1997)。1991年、イギリス環境省(DoE)による報告書は、アスベスト含有製品(ACPs)を含む建物内における0.0004f/mlの規制アスベスト繊維レベルを推計している(DoE, 1991)。多数の出版物からのデータを用いて、IEHは、大部分の屋内大気アスベスト濃度は0.0002f/ml未満であると考えた。IEHはまた、よい状態でアスベスト物質を含む建物内では0.0005f/mlアスベスト繊維の平均レベルであったが、レベルの分布や平均レベルに関する情報が与えられなかったために、この意義を解釈するのは困難であるとコメントしている(IEH, 1997)。
  2. DfEによって提供された情報は、イングランドには16,818の小学校、3,268の中学校及び2,420の高校があることを示している(DfE, 2012a)。イングランドの学校の75%以上が、アスベストを含むいくつかの建物を有していると推測されている(DfE, 2012a)。IEHによる報告書によれば、「一般的に、1946年より前に建てられた学校建物においては、曝露は主にクリソタイル断熱材及びアスベスト・セメント屋根材に限られている。1946年以後に建てられた建物における曝露は、損傷リスク及び繊維維飛散の可能性の相対的に高い、より「脆弱」な場所にあった角閃石系を含むより幅広い物質に対するものであったろう。1945年から1975年の間に建てられた推計2,360の中学校のうち、約47%が、伝統的に建てられたよりも『システム建築』であっただろう。概して広範囲に及ぶ使用は、1960年代の『システム建築』建物における、吹き付け被覆(角閃石系)、Asbestolux天井板及びアスベスト板(アモサイト)及びアスベスト・セメント・パーティションによるものであった」(IEH, 1997)。
  3. われわれは、学校建物におけるアスベストの屋内レベルに関する情報を提供された。背景情報はCOCウエブサイト上で入手できる(CC/2011/13)。学校におけるアスベスト・レベルの様々な分析に基づく文献中のデータがある。いくつかの分析は、通常の(バックグラウンド)レベルの継続的測定であり、アスベストがかく乱または損傷された区域におけるデータと比較して示されている。いくつかの測定は、改善後、または、定期メンテナンス中または後を含め、通常の使用中に行われたり、また、再現実験の結果もある。示されたデータは、アスベストを使わずに建てられた学校であっても、他の建物における屋内アスベスト・レベルと同程度の、アスベストの低い環境バックグラウンド・レベルを含んでいることを示唆している。アスベスト・レベルに関するこれらの多様なデータを厳密に評価することはこの委員会に委託された権限を超えているが、学校の建物がアスベスト製品を含んでいる場合には、子供を含めた占有者がアスベストに曝露する可能性が高まることは明らかである。アスベストが存在し、かく乱または損傷される場合には、曝露が高まる可能性があることをデータは示している。
  4. 学校におけるアスベストのレベルに加えて、われわれは、子供がその時間の大きな部分を家庭環境で過ごすことから、居住施設においてみられるアスベスト・レベルに関する情報も探究した。2010年のイングランドの居住施設は約2,240万であった(EHS, 2012)。居住施設の大部分(80%)は家屋[house]または平屋[bungalow]であり、集合住宅[flat]が20%であった。伝統的工法による家屋がイギリスで建てられた全家屋の95%を占め、「非伝統的」工法(しばしば「システム建築」と呼ばれている)が残る5%に用いられている。ECHS(1993)は、システム建築集合住宅の大部分(73%)が、1945~1980年の間に、被覆、パーティションボード及び天井タイルなどのACPsを使って建てられたとしている。アイロン台、ストーブのガスケットやビニル床張りの裏地など、居住施設内にはその他のアスベスト源もあるかもしれない。IEH報告書は、建物内のそれらの製品からの繊維飛散の証拠がないことから、伝統的工法による家屋内におけるアスベスト曝露は、アスベストへの環境曝露の一部とみなすことができると述べている(IEH, 1997)。
  5. 居住用家屋及び集合住宅内におけるアスベスト曝露に具体的に言及した出版物はわずかしかないが、イギリス及びアメリカからいくつかの報告がある。われわれは背景情報を提供され、それはCOCウエブサイト上で入手できる(CC/2011/1)。全体的にわれわれは、一般的に伝統的工法による居住用家屋及び集合住宅においてみられるアスベスト・レベルは、屋内環境レベルと同程度であると結論付けた。建設にACPsが使用された家屋内の家庭環境では、子供が曝露するアスベスト・レベルが高まる可能性がある。われわれは、より大きな動きがある日により高い濃度がみられることで証明されるように、大気中濃度はACPsが存在する区域における活動の量に左右されることに留意する。また、家庭内よりも学校など他の建物内の方が、人々の量と流れが大きく、アスベストのかく乱が生ずる可能性も高いことに留意する。さらに、DIY[Do It Yourself]家屋メンテナンス及びリフォームによるアスベスト繊維の制御されない飛散は、勘定に入れることは困難であり、かつ、子供の曝露を高めることにつながることにも留意する。

アスベスト関連疾患

  1. いかなる種類のアスベストの吸入曝露も、肺がん、中皮腫(身体の多くの臓器を覆う内張りである中皮のがん)及び胸膜プラークやびまん性胸膜肥厚などの非悪性胸膜障害などの疾患と関連している(HSE, 2013b)。個人に対するアスベストの影響は、①量、②曝露期間及び曝露からの時間、③アスベスト繊維のサイズ、形状及び化学組成、及び、④喫煙や既往肺疾患などの個人リスクファクターにより影響されうる。アスベスト関連呼吸器疾患は長い潜伏期間(アスベストへの最初の曝露と疾病の発症との期間)をもっている。アスベスト吸入と中皮腫との間の潜伏期間が15年未満であることはめったになく、60年を超す場合もあるのに対して(Bianchiら, 1997)、非悪性胸膜障害、肺がん及び石綿肺の事例の大部分は、アスベストへの初回曝露から15年以上後に生じる(ASTDR, 2001)。
  2. 最近の国際がん研究機関(IARC)のアスベストの評価(2012)は、すべての種類のアスベスト(クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、トレモライト、アクチノライト及びアンソフィライト)はヒトに対して発がん性であり(グループ1)、中皮腫、肺、喉頭及び卵巣のがんを引き起こすことを認めた。IARCはまた、ヒトにおいて、アスベスト曝露と咽頭、胃及び結腸のがんとの間の肯定的(いくつかの場合には限定的)な因果関係についての証拠があることを認めた。
  3. アスベストに対する子供の相対的脆弱性に関して助言するという点において、われわれは、中皮腫がほぼ常にアスベスト曝露と関連しており、それゆえ他の要因により混乱させられにくそうであることから、他のがんというエンドポイントよりも中皮腫のリスクに集中した。幼年時のアスベスト曝露によって引き起こされる肺がんリスクは、中皮腫リスクよりも低く(HEI, 1991)、他のがんについてのリスクはさらにかなり低い。肺がんについては喫煙とアスベスト曝露の間に相乗作用があるが、中皮腫についてはない。中皮腫は、肺または腹部を覆う薄膜内で発症する。中皮腫の大部分(~75%)は胸部に生じ、相対的に少ない部分(~25%)は腹部に生じる(Cancer Research UK, 2012)。
  4. 中皮腫は、21世紀のイギリスでもっとも多いがんで、全がんの1%未満を占める(2009)。男性では、イギリスで17番目に多いがんで、全新規がんの1%超を占める。2010年にイギリスで2,543人が中皮腫と診断された(Cancer Research UK, 2012)。イギリスにおける全体的罹患率は10万人当たり2.8例(2.8/100,000)である。中皮腫は女性よりも男性で5倍も多く、男性で5.3/100,000、女性で0.9/100,000の罹患率である。中皮腫事例の10件中約9件が、60歳以上の者に生じている。中皮腫の罹患率は1980年代初め以来ほぼ4倍に増加している。中皮腫罹患率は増加し続けており、2016年頃にピークに達してその後急速に減少するものと予測されている。イギリスにおける中皮腫罹患の生涯リスクは、男性で1/150、女性で1/773と推計されている(2006~2008年のデータを用いて計算)(Cancer Research統計チーム, 2011)。大ブリテンにおける中皮腫の潜在的原因は、HSEによる報告書に要約されており、表1[省略]に示される(HSE, 2007)。
  5. アスベスト曝露の増加に伴って中皮腫リスクは一貫して増加する。このことは、肺内アスベスト繊維の分析はもちろん、コホート研究でも報告されてきた(Hansenら, 1998; Churgら, 1993; McDonaldら, 1989及びRoggliら, 1986)。量-反応関係は、胸膜中皮腫については、ほぼ直線であると考えられている(Hodgson and Darnton 2000)。いくつかのコホート研究でみられるほぼ直線の関係は、曝露評価の不正確さの統計的影響化もしれない。研究結果は、角閃石系アスベストは、肺組織内における角閃石系繊維の貯留が明らかに相対的に長いことから、とりわけ中皮腫リスクについて、クリソタイルよりも強力である可能性があることを示唆している(ASTDR, 2001; Mossmanら. 1990)。HodgsonとDarnton(2000)は、17のアスベスト曝露職業コホートにおける中皮腫死亡率について曝露-反応関係を分析し、相対能力(「中皮腫の曝露特定リスク」)はクリソタイル:アモサイト:クロシドライトについて1:100:500の比であると結論付けている。われわれは、中皮腫リスクについていかなる閾値の証拠もないということについて、HodgsonとDarnton(2000)に同意する。この見解は、2011年に発行された、UK HSE WATCH委員会によるアスベストへの低レベル曝露に関する立場表明のなかに反映されている。それは、「0.1繊維/ml.年未満の労働関連蓄積曝露からでもアスベスト起因がんのリスクは生じる。曝露が低ければリスクも低いであろうが、『安全』な閾値は確認できない。角閃石系、とりわけクロシドライトへの潜在的曝露が0.1繊維/ml.年未満(例えば0.01繊維/ml.年)である場合、入手可能な科学的証拠は、安心する根拠はなく、むしろ積極的リスクマネジメントの根拠があることを示唆している」としている。

小児期アスベスト曝露とその後の人生における中皮腫発症の影響に関する疫学及び症例報告

  1. われわれは、誤診の可能性に留意しながら、入手できる子供の中皮腫の症例報告を注意深くレビューした。少児期のアスベスト曝露とその後の生涯における中皮腫リスクを調査した疫学研究はわずかしかない。利用可能な情報のほとんどは症例報告のかたちである。われわれは入手可能な研究のレビューを提供され、それは付録C[省略]として添付したが、このレビューには、アスベスト曝露が傍職業[para-occupational]曝露、家庭内曝露または環境曝露のいずれかをつうじて生じた調査を含んでいる。Reidらによる最近の研究(2013)は、西オーストラリア・ウイットヌームの町における子供のときにクロシドライトに曝露した人々のがん罹患率及び全原因死亡率を検討している。同研究では、個々人のアスベスト曝露は、1943~1957年の間(新しいミルが稼働した期間)に1.0f/mlの曝露という強度、及び、1958~1966年(ミルの稼働が中止された期間)に0.5/mlの曝露という強度を、すべての住民に対してあてはめることによって推計されている。個人モニターを用いた粉じん測定との間の補間は、1966年の0.5f/mlから1992年の0.01f/mlの曝露に割り当てられた。これらの曝露値は、イギリスにおけるよい状態でアスベストを含んだ学校建物及び居住家屋で典型的に報告されたレベルよりも数桁高いレベルであることに留意する。われわれは、曝露評価がかなり大雑把で、いくらかの住人についておそらく過小評価になっていることに同意する。この研究は、西オーストラリアの成人人口と比較して、ウイットヌームで子供として成長した大人における全原因死亡率及びがん罹患率の全体的増加を報告している。この増加は、圧倒的にではあるが、まったく悪性中皮腫のみによるものではない。また、いくつかの他のがん、すなわち女性における卵巣と脳のがん及び男性における白血病、前立腺、脳及び結腸直腸のがんの率の一貫した増加もあった。西オーストラリア・ウイットヌームの元住民という同じコホートを扱った、それ以前のふたつの研究(Hansenら, 1998及びReidら, 2007)に留意する。両方の研究で、個々人のアスベスト曝露は上述の方法を用いて推計されている。Hansenら(1998)は、1993年末までの中皮腫罹患率と、アスベストへの職業曝露歴をもたないこの調査対象者の最初のクロシドライト曝露年齢との間に有意な関係を認めなかった。Reidら(2007)は、初回曝露時15歳以上の者と比較して、初回曝露時15歳未満の子供の中皮腫死亡率が低いことを示したが、これは環境曝露における年齢に関連した差異を反映しているかもしれない。同研究は、年長の子供と比較して、初回曝露時年少の子供における中皮腫の生涯リスクが相対的に低いことを示しているが、われわれは、このひとつの研究から結論を導き出すのは適当ではないと考える。全体としてわれわれは、アスベストへの少児期曝露が中皮腫を引き起こす可能性はあるが、子供と大人の間の感受性の差を評価するには、疫学データはあまりにも限られていると考える。

中皮腫リスクに関する子供の年齢と平均余命の影響

  1. われわれは、国の中皮腫死亡率その他の疫学データにおける傾向を検討した。若い人々の方が中皮腫が現われるのに十分なほど長く生きる可能性が高いことから、この疾病の潜伏期間を反映して、曝露した時期が若い者ほど中皮腫を発症するリスクが大きいことは容易に理解される。リスクが初回曝露からの時間の3~4乗で増加することから(Petoら, 1982)、リスクに対する曝露年齢の影響は大きい可能性がある。平均余命の差異のために、ある与えられたアスベスト量について曝露の後に中皮腫を発症する生涯リスクは、25歳初回曝露の大人と比較して5歳初回曝露の子供は3.5倍、30歳初回曝露の大人と比較すれば5倍になると予測される(Darnton, 2013, 委員会との私信、COCのウエブサイトで入手できる[CC/2013/1])。この値は、Howie(2012)により委員会に提出された未発表の報告書のなかで示された、生命表アプローチを用いて導き出された結果と大いに一致している。また、平均余命に基づいて、10年間の曝露後の中皮腫発症の生涯リスクが、5歳初回曝露の子供について30歳初回曝露の大人よりも約5倍大きいと予測された、HEI(1991)による計算値とも一致している。

動物実験

  1. われわれの戦略の一環として、アスベストへの若年曝露後の変化及び結果を、成人時曝露後のものと比較した動物事件が有用かもしれないと考えた。ラットにおけるアスベスト曝露年齢の中皮腫発生に対する影響を具体的に扱った、たったひとつの実験がみつかった。BerryとWagner(1976)は、雌雄両性のウイスター・ラットを使って、生後2か月または10か月のいずれかの時点でクロシドライト・アスベストを門脈内に注入し、観察及び統計分析によって、他の原因による死亡を除外した後に、前者のグループと比較して後者のグループにおいて中皮腫の率が高いことを確認した。
  2. 全体的に動物実験は、齧歯類におけるアスベストに対する年齢に関係した感受性に関するデータを提供している。齧歯類データは、若年時における曝露がアスベストによる中皮腫に対する感受性を高めるという仮説を支持していない。実験に用いられた方法、結果に対するその影響、及び、実験のヒト、とくに子供に対する関連性について、委員から意見が出された。提起された問題点には、用いられた曝露経路(門脈内注入)、及び、若年ラットと子供の生理及び成熟プロセスにおける差異が含まれた。委員会は、動物データをヒトの疾病プロセスを理解するための実験病理学的アプローチとして退けはしないものの、アスベストに対する大人と比較した子供の相対的脆弱性に関して、この実験結果はいかなる重要な識見も与えていないということで合意した。委員会は、有効な実験の実施に関連した困難、及び、若年動物でそのような実験を行うための施設の不十分さという点で、さらなる動物実験はおそらく有用ではないと考えた。

子供と大人の間の呼吸生理、炎症反応及び線量算定における比較差

  1. 呼吸及び免疫システムにおける子供と大人の間の生理学的差異についての理解、及び吸入量算定の問題は、大人と比較したアスベストに対する子供の相対的脆弱性を扱うにあたって鍵となる役割を果たすだろう。それゆえわれわれは、若年呼吸生理の専門家であるAndy Bush教授(Imperial College小児呼吸器学教授及びRoyal Brompton & Harefield NHS Foundation Trust児胸部科顧問医師)に、子供の気道におけるアスベストの挙動及び多かれ少なかれその脆弱性に対する影響に関して助言を求めた。
  2. 何らかの吸入繊維の摂取及び処分にそれがどのように影響を当たるかは明らかではないものの、肺の構造及び生理は大人と子供の間では著しく異なっている。定義することはできないが、肺は10代中頃(思春期後)あたりで成人段階に到達すると考えることができると助言された。胎児の肺の発達は帯状の成長として起こり、気道分岐全体は妊娠16週までに決定されることが知られている。したがって、子供では、ガス交換のための表面積は小さいだろう。気道の容積及び構造の差を踏まえれば、アスベスト繊維の処分は大人におけるものとは異なっていると推測される。しかし、繊維との関連でこれを具体的に評価した研究はみあたらない。同様に、大人と比較した若年の肺における、胸膜を通じて発がん作用部位にいたるアスベスト繊維の移動の差を示した研究もみつかっていない。われわれの議論のなかで、小児の肺はとりわけ傷害に対して脆弱であり、空気循環の妨害という点に関して、人生の最初の4年間に受けた肺の損傷は生涯にわたって残ると知らされた。肺がんの生涯リスクに影響を与えるかどうかは知られていないものの、これは、いくつかの喫煙関連障害や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの状態に対する感受性の増加として、その後の人生のなかで現われてくる。
  3. 肺がアスベストの毒性にとって主要な標的ではあるものの、多数の臨床及び動物実験は、免疫システムも職業関連濃度でのアスベストへの曝露によって変化させられる可能性があることを示してきた(Rosenthalら, 1998)。報告された免疫学的影響には、アスベスト曝露の、非特異免疫(ナチュラルキラー細胞、上皮細胞及び肺マクロファージ)、特異免疫及び活性酸素種(ROS)の様々な世代と関連したアスベストに起因する病態生理学的反応に対する影響が含まれる。小児期における免疫システムの発達が、報告されたアスベストに対する免疫学的反応にどのように影響を及ぼすかは明らかではない。抗体産生に関連した免疫学的反応が、出生から2歳までと大人とではきわめて異なることが指摘された。
  4. 子供の感受性に関して、国際放射線防護委員会(ICPR)の粒子線量についてのモデル化の枠組み、及び、アメリカ環境保護庁[US EPA]のリスクアセスメントのための子供に対する適用についての吸入線量手法をレビューした。2005年にUS EPAは、小児期におけるリスクアセスメントをライフステージのシーケンスとして評価できるようにする方法を既述した。子供への幼児の発達及び子供から大人への発達につれて、より敏感になり、環境因子に対する感度が増強される、発達における時期があるかもしれない。われわれは、小児期におけるふるまいや生理における変化が、子供の化学物質への曝露及び化学物質の投与を増加させる可能性があることを理解している。子供と大人の間の毒物動態学的差異は子供に、一定の化学物質の体内への接種の増強及び体内からの除去の低減を引き起こす可能性がある。子供の呼吸率が大人のkg体重当たり及び気道表面積当たりよりも(とりわけ肺域において)大きいことから、吸入線量算定は年齢集団にまたがって異なる可能性がある。
  5. 肺線量算定に関する議論のなかでわれわれは、大人から子供への量/体重の変換のためには、表面積または肺表面積がもっとも適当かもしれないと考えた。われわれは、子供の気道が相対的に狭いこと、また子供が毎日吸入する空気の量が相対的に少ないことが、与えられた条件のもとで吸入される繊維を少なくさせることから、大人と比較して子供では、吸入された繊維の沈着が異なっているかもしれないことに留意した。われわれは、子供の成長につれて沈着した繊維を希薄する、それはしたがって身体の負荷を低減する、可能性について議論した。われわれは、18歳の時と比較して2歳の時に沈着が同じであるとみなすことはできないが、沈着が相対的に多いか少ないかは明らかにされていないことを強調しておく。
  6. 招待した専門家であるJonathan Grigg教授(Barts and the London School of Medicine, Queen 18 Mary University of London小児呼吸器・環境医学教授及びRoyal London 19 Hospital顧問小児科医)は、若年の肺における微粒子の影響に関する情報を繊維について外挿することが可能かどうかに関する識見を提供してくれた。委員会の評価のために特別につくられたモデル化データが検討された。計算は、子供が大人よりも高い代謝比率及び速い吸入率をもつ事実を入れたが、それは当初大人と比較して子供の曝露が大きいと示唆されたことが指摘された。これは、肺表面積に基づけば、大人と比較して、子供は倍の量の物質にばく露するという一般的仮定に基づいている。子供は呼吸が相対的に浅くもあり、それは相対的に速い率と複雑に相互影響しあって、肺内の繊維や粒子が沈着する部位を変化させ、相対的に低い気道への沈着は少なくなる。モデル化にあたっては、子供についての気道の形状はおよそ3分の1にスケールダウンされ、吸入された粒子/繊維が除去されるために移動する距離が相対的に短いことから除去メカニズムは相対的に効率的である。したがって、子供が相対的に多い繊維量を吸入しているだろうという仮定は維持されなかった。委員会は、同じ量に対して、このモデル化は、大人よりも子供が繊維に対して相対的に敏感ではないという証拠を提示しているものと考えた。

不確実性及びデータ・ギャップ

  1. われわれは、このアスベストに対する子供相対的脆弱性の評価に多くの不確実性及びデータ・ギャップがあることを認識している。そのような不確実性のひとつは、曝露の評価と関連している。多くの参考文献のなかで報告された様々な場所におけるアスベスト・レベルは、測定における諸問題、用いられた分析手法の適切性及び結果の比較可能性を考えれば、不確実である。多くの場合、曝露測定は大いに歴史的なものであり、とりわけイギリスの学校からの、より現代の測定を得ることが有用だろう。
  2. 疫学的観点からは、アスベストへの小児期の影響及びその後の生涯における中皮腫発症のリスクを具体的に調査した研究はわずかであった。われわれは、アスベスト曝露のレベルがそれら研究のなかで非常に高い傾向があり、イギリスの状況と比較できないことに留意した。われわれはまた、多数の疫学研究からのデータの解釈における不確実性に留意した。問題点には、曝露測定の正確さまたはかかる曝露測定における不確実性の推測、がん診断の正確さがわからないこと、限られたコホートのサイズ及びフォローアップがないこと、及び、いくつかの研究における統計分析の不適切さが含まれる。
  3. われわれはまた、リスク推計における不確実性を認識している。問題点には、大人の年齢関連がんデータの子供への外挿、及び、大人の職業性研究から得られた年齢の機能としての初回曝露からのリスク・モデルが子供に対しても大人に対してと同じとする仮定が含まれる。大人と比較した子供固有の感受性に関する議論から、われわれはひとつの鍵となるデータ・ギャップ、すなわち大人の場合と比較した子供の気道における繊維のふるまいを確認した。

結論

  1. 以上の検討を踏まえて、われわれは以下の結論を導き出す。
    a) アスベストはIARCによってグループ1発がん物質に分類されており、すなわちヒトに対して発がん性である。アスベストは中皮腫、及び肺、喉頭及び卵巣のがんを引き起こす。IARCはまたその最近の評価において、ヒトにおいてアスベスト曝露と咽頭、胃及び結腸直腸のがんとの間に肯定的な関連があるという(いくつかの場合は限定的な)証拠があるとみなした。

    b) 一般論として、大気中の吸入性アスベスト繊維のレベルは、以下の順序で最低から最高に及んでいる。
    ・ バックグラウンド屋外環境レベル(最低レベル)
    ・ アスベストを使っていない建物内におけるバックグラウンド屋内環境レベル
    ・ アスベストが使われ、それがよい状態にある建物内のレベル
    ・ アスベストが使われ、それがかく乱または損傷され、及び/または悪い状態にある建物内のレベル(最高レベル)

    c) 一般的にデータは、建設にアスベストが使われていない学校でみられたアスベスト・レベルは、その他の建物における屋内アスベスト・レベルと同程度であることを示唆している。アスベストが存在し、かつかく乱または損傷された場合は、データはアスベスト繊維への曝露が増加しうることを示している。しかし、学校においてみられたレベルに関する情報は大いに歴史的なものであり、学校におけるアスベストに関する現代のデータを欠いている。この問題の重要性に照らして、新しい曝露データを生み出すことには利益がある。

    d) また、建設にアスベスト含有製品(ACPs)が使われた家屋内の家庭環境におけるアスベストに、子供が曝露する可能性もある。一般的に、伝統的工法による家屋及び集合住宅でみられる報告されたアスベスト・レベルは、屋内環境レベルと同程度である。しかし、メンテナンスなどの活動はアスベストをかく乱し、家庭及び学校の双方における曝露を増加させうる。

    e) 疫学的観点からは、アスベストへの小児期曝露がその後の生涯において中皮腫を引き起こす可能性がある。しかし、子供と大人の間の感受性の差異を評価するには、疫学データはあまりに限られている。われわれは、大人と比較して子供の平均余命が長いこと、及び、中皮腫の長い潜伏期間の結果としてこの病気の可能性が高まることを認める。平均余命の差異のために、ある与えられたアスベストの量について、中皮腫発症の生涯リスクは、25歳初回曝露の大人と比較した5歳初回曝露の子供について3.5倍高く、30歳初回曝露の大人と比較した場合には5倍高いと予測される。

    f) 大人と子供の間には呼吸及び免疫学的差異があるが、アスベスト起因がんに対する子供の感受性に対するそれらの影響は明らかではない。われわれは、若年肺は傷害に対してとりわけ脆弱であり、空気の循環の妨害という点で、生涯の最初の4年間に受けた肺の損傷は生涯を通じて残るであろうと知らされた。しかし、5歳以前の繊維吸入が肺機能にどんな影響を及ぼすか、及び何らかの影響が持続するかどうかを判定することは困難である。いくつかの生理学的差異(例えば、吸入率、総量、及び気道容積)は、大人と比較して子供の感受性を修正する可能性がある。しかし、子供における肺の沈着のモデル化は、子供が大人よりも多くの繊維を吸入することはありそうにないことを示した。

    g) 入手できた関連する動物実験は、齧歯類における年齢に関連したアスベストに対する感受性に関するデータを提供しているものの、アスベストに対する大人と比較した子供の相対的脆弱性に関して意味のある識見は提供していない。

    h) 入手可能なデータから、子供がアスベスト関連傷害に対して本質的に相対的に脆弱であるということはできない。しかし、大人と比較して子供の平均余命が長いことから、中皮腫の長い潜伏期間の結果として中皮腫の生涯リスクが高まることを、委員会はよく理解している。結論に到達するにあたって、また多くの不確実性及びデータ・ギャップがあることを考慮に入れて、われわれは、アスベストへの子供の曝露は、大人の同等のアスベストの量への曝露よりも、子供を中皮腫の発症に対して相対的に脆弱にさせると結論付ける。

※文中に記載されたいくつかのURLはリンクの切れているものもあったため省略した。以下も省略した。
参考文献
表1-イギリスと関連のある中皮腫の潜在的原因(寄与原因を、①職業曝露、②傍職業・環境曝露、③バックグラウンド事例(アスベストの工業的利用のないなかで生じた事例)に分類したもの)
別添A-本課題についてCOCに情報を提供してくれた専門家、助言者、その他の個人
付録A-様々な種類の繊維/アスベストに関するISOの定義
付録B-アスベストの測定
付録C-小児期におけるアスベスト曝露とその後の人生における中皮腫リスクに関する疫学及び症例報告[2011年のCC/2011/18とほぼ同じ内容]
原文:http://www.iacoc.org.uk/statements/documents/Asbestosinschoolsstatement_000.pdf

安全センター情報2014年6月号