「人が死んだときだけが重大災害か」・・・ 繰り返される爆発事故でも再稼働したイルガン/韓国の労災・安全衛生2026年05月08日

全国金属労働組合全北支部は8日、雇用労働部益山支局の前で記者会見を行い、「安全工業の火災事故の教訓を忘れ、生産だけを強行するイルガン資本と、これを放置した雇用労働部の職務怠慢を非難する」とし、特別労働監督と作業停止命令を追及した。 ⓒ全国金属労働組合

全羅北道金堤の自動車部品メーカー㈱イルカンで、この一年間に3件目の火災・爆発事故が発生したことに対し、労働界は『予見された人災』として、会社と雇用労働部を強く非難した。

全国金属労働組合全北支部は8日午前、雇用労働部益山支局前で記者会見を行い、「安全工業の火災事故の教訓を忘れ、生産だけを強行するイルガン資本と、これを放置する雇用労働部の職務怠慢を非難する」とし、特別労働監督と作業停止命令を求めた。

労組によると、4月28日午後11時40分頃、金堤の地平線産業団内のイルガン第2工場鋳造A棟で、油圧オイルの爆発火災が発生した。油圧オイルのカップラーが外れた際に、噴出した油圧オイルが近くの高温設備に触れ、大火災に発展し、この過程で労働者4人が煙を吸い込みんで、病院で治療を受けた。

現場の労働者と消防当局の初期対応によって大規模な災害は防がれたが、組合は「会社側労働部の対応は衝撃的だった」と批判した。

「火も消えていないのに再稼働」・・・ 労働組合「安全より生産」

労組は、会社が事故原因の調査や再発防止策の策定よりも、生産の再開だけに注力したと主張した。金属労組全北支部イルガン支会は、事故の翌日に臨時産業安全衛生委員会の開催を要求したが、会社は「重大災害に該当しない」という理由でこれを拒否したという。

更に、会社は火災発生からわずか数時間後の29日午前8時30分に、事故を起こした設備と同じ設備の稼働を再開したと労組は説明している。

金属労組全北支部イルガン支会長は「労働者4人が病院に運ばれ、工場が燃えたにも拘わらず、会社は『重大災害ではない』という発言を繰り返した。」、「人が死ななければ重大災害とは言えないのか。労働者の生命権は会社が選択する問題ではない」と批判した。

金属労組全北支部長も「会社は事故の原因を調査して対策を立てる代わりに、火災を鎮圧した一部の従業員に30万ウォンの報奨金を支給し、現場の怒りを鎮めようとした」とし、「数十万ウォンで安全問題を覆い隠そうとする欺瞞的な行為だ」と指摘した。

「24時間申告電話も受けない」・・・労働部の対応を批判

労組は、雇用労働部の対応も事実上『傍観』のレベルだったと批判した。事故当時、労働者たちは作業中止権を行使して避難した後、雇用労働部の危険状況通報電話(1588-3088)や、益山支庁の当直室に何度も連絡したが、誰も電話に出なかったという。

2026年4月28日、イルガンで油圧オイルカップラーの脱落により発生した油圧油爆発火災 ⓒ全国金属労働組合

翌日、現場を訪れた労働監督官も火災現場を確認した後、別途の作業停止命令や是正措置を執らずに帰ったと組合は説明した。

金属労組全北支部は「労働部が危険状況の通報すら適切に受け取れなかったことは、国家の24時間体制が事実上崩壊したことを意味する。」「労働者の命を守るべき国家機関が保護の役割を放棄したことだ」を批判した。

民主労総全北本部事務処長は「会社は自らの責任を隠そうとするだろうから、現場労働者の声を基礎に調査をするべきだ。」「厳しく責任を問わなければ、企業は金よりも人間を重要視しなければならないという事実に気付くことはない」と話した。

「一年で3度目の火災」・・・ 「第二の大田・安全工業への懸念」

労組は今回の事故が偶然の事故ではなく、繰り返し放置された危険の結果だと主張した。イルガンでは昨年7月に油圧配管の老朽化による油圧オイル爆発火災が発生し、同年8月にはフォークリフトで溶解炉を運搬中に火災が発生した。今回の事故を含めると、一年にも満たない期間に三回の火災・爆発事故が繰り返されたことになる。

労組は特に老朽化した油圧設備と管理の不備を主要な原因として指摘した。油圧オイルは、ミスト状で噴射されると低温でも爆発的に燃焼する可能性があるにも拘わらず、会社が重要な部品であるカップラーの管理と老朽設備の交換を放置していたということだ。

金属労組全北支部は記者会見で、▲イルガンの公開謝罪、▲特別監督レベルの企画監督の実施、▲ハウジング設備の全面安全点検、▲組合参加の保証、▲24時間緊急対応体制の再構築などを求めた。

金属労組は「昨年3月の大田の安全工業の事故で、多数の労働者が犠牲になった悲劇が再び繰り返されてはならない。」「すべての労働者が安全に退勤できるまで、闘い続けると明らかにした。

2026年5月8日 民衆の声 クォン・ジョンスル記者

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