「校長がそのように教えるのか」 電話に出た教育公務職に暴言 2023年07月30日 韓国の労災・安全衛生
ある小学校の行政部門で働く教育公務職員のAさんは、水道の近くに防犯カメラを設置して欲しいという保護者からの電話を受けた。カメラの設置は教職員会議と保護者の同意などの手続きを経て決めなければならない事項で、担当者の教頭に連絡すると答えると、暴言が始まった。
電話をかけてきた保護者は「なぜ教頭を探すのか。担当が判らなければ判らないと正直に謝れば良いではないか。学校で働きながら謝る方法も学ばなかったのか。申し訳ないと謝罪からしろ」と叫んだ。Aさんは「保護者たちは行政部門がすべての業務を担当すると想い、教務室に連結をすると自分の子供に被害があると想ったりもする」と話した。
学校に向けた「悪性苦情」の被害者は教師だけではない。民主労総・全国学校非正規職労働組合は30日、学校の教務室・行政室で働く教育公務職員が、学校に架かってくる電話を受けて体験したタメ口と悪口、暴言などの事例を公開した。教務実務士などの教育公務職員は学校で仕事をするが、公務員や教師ではない「勤労者」の身分で、学校の行政業務と教育活動を助ける役割をする。
彼らは学校の代表番号に架かってくる電話を受け取ることが多く、苦情に日常的に苦しめられている。最近、チョン・スンシン弁護士の息子の校内暴力事件が話題になった時は、学校に『電話爆弾』が殺到し、校内暴力の仕事とは関係のない実務士たちが抗議電話に対応し、悪口などに耐えなければならないこともあった。
特に、公務職は教師ではないという身分のために、保護者との関係、教師など他の学校構成員との関係で、一層弱い立場に追い込まれることもある。学非労が公開した事例を見ると、ある小学校の教務室で働く教育公務職のBさんは、「酒を飲んで電話をしてきて、担任が電話に出ないと言って、『校長がお前たちをそのように教えるのか』と言った保護者が、電話を部長に換わると突然丁寧になった。」「電話した理由も知らせずに『教師でもないあなたとは話したくないから、直ぐに校長と換われ』と言った保護者もいた」と話した。
また別の小学校の教育公務職のCさんは「育児時間を使って早く退勤した担任教師と話ができないからと、ある保護者が怒って教務室に電話してきたことがあった。」「詳しい内容が解れば教師に伝えると言って、保護者から直接連絡が来た事実を伝えたところ、その教師が激怒した」と話した。
教育部は最近、教師が悪質な苦情に苦しむことが社会問題に浮上したことで、学校に別途の苦情窓口を設ける案などを検討している。現場では、学校と教育活動に関する苦情を受け付ける役割を、実務士などの教育公務職が担当することになるのではないかという不安の声が大きい。中学校に勤める教育公務職のDさんは「学校では既に、教師に抗議したい時に学校の代表番号に電話して、(実務士に)悪口を言ったり大声を上げたり、腹いせをしたりすることが多い。」「今でもこのような状況なのに、一次的に電話を受ける可能性が大きい教育公務職が苦情を担当することになれば、教師の被害を減らすために、教育公務職を悪口の『はけ口』として使うことにしかならない」と話した。
学非労は「学校に向けた悪性の苦情は、『爆弾回し』の方法では解決できない問題」で、「悪性の苦情が発生しないように、学校に対する認識と雰囲気の改善、通話の録音、学校勤務者全員の人権保護の強化など、現実的な解決策が必要だ」と話した。
2023年7月30日 京郷新聞 ナム・チウォン記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202307301634001