90年代生まれの女性労働者、28%にうつ病の症状・・・・なぜ? 2022年10月13日 韓国の労災・安全衛生
「6回転職したが、無期契約職と派遣・委託を行き来した。一ヶ所を除いて、全部30人未満の小規模事業場で、月給は150万ウォン未満だった。大半を6ヵ月までに退社した。解雇され、契約期間が終わり、修習・インターン期間の満了後に採用されず、辞職を勧告された。先に辞表を出したこともあるが、職場内いじめのためだった。就職と転職を繰り返して心身共に疲れた。この間はずっと経済的に大変だった。金銭的な援助を受けられる人、病気の時に話せる人、憂鬱な時に連絡できる人、余暇を一緒に過ごす人はいない。」(1990年生まれの女性Aさん・高卒・ソウル在住)
「3回離職した。最後の職場では上司の不当な指示があり、休暇・休職が自由に使えず、雇用の安定性も低かった。特に、セクハラ・性暴行など、職場内で性的ないじめ文化が酷かった。就職の準備もしたが、仕事を見つけられない。心の健康状態が悪くなった。私の未来は明るくないと思う。死ぬほど貧しくない限り、政府は支援してくれない」(1993年生まれの女性Bさん・大卒・京畿在住)
1990年代生まれの女性労働者の100人中28人の割合で、うつ病の症状を経験しているという調査結果が出た。不安定な労働環境と職場内の性暴力、不合理な採用など、性差別の構造が原因だと分析された。
韓国女性労働者会は13日に『90年代生まれの女性労働者の労働実態が憂うつに及ぼす影響』討論会で、このようなアンケート調査の結果を発表した。昨年8月30日から9月24日まで、1990~99年生まれの女性4632人にアンケート調査をした結果だ。
うつ病の症状があるとされた回答者は1319人(28.5%)だった。うつ病の程度を自己診断する尺度のCES-D点数が16点以上であれば、「症状がある」に分類される。深刻度別では「軽症うつ病」(16~20点)が14.2%、「中等度うつ病」(21~24点)が6.7%で、最も深刻な「重症うつ病」(25点以上)も7.6%に達した。
現在の雇用の有無、雇用の安定性、非自発的な退社経験などが、特に憂うつに影響を与える要因だと分析された。
「現在働いている」と答えた人のうち、憂うつのレベルが正常カテゴリに分類された回答者は2756人(74.2%)で、重症うつ病のレベルは230人(6.2%)に止まった。一方、「働いたことはあるが現在は働いていない」と答えた人たちの重症うつ病レベルは13.9%だった。「現在働いている」と答えた人のうち、「重症うつ病」が占める割合(6.2%)の2倍を超える。
「非自発的な退社の経験がない」と答えた集団の正常範疇の比率は、「退社経験がある」集団よりも高かった。解雇または修習・インターン期間の満了後に採用されなかった経験がある集団の憂うつ正常範疇の比率は、このような経験がない集団よりも15%程低かった。転職経験のない集団の憂うつ正常カテゴリの割合は、転職経験のある人に比べると、5.5%高かった。
新村文化政治研究グループのホン・ダンビ研究員は「働いた経験はあるが、現在失業状態の青年女性労働者の憂うつレベルが高い理由は、またそのような職場に行くことになるかも知れないという恐怖、どんな雇用でも状況が似ているという予測などが大きく作用していると想われる」とし、「構造的な問題が、退社や離職など、パーソナライズされて、自己責任論に帰しているのは問題だ」と話した。
実態調査の後続研究を行った中央大学中央社会学研究所のパク・ソンヨン研究員は、「絶対貧困レベル以下を充足しなければ支援を受けられない残余的な観点でなく、持続可能な生活を保障する政策に転換する必要がある」、「性差別的ないじめを職場内いじめに包括し、規制システムと処罰レベルを強めるべきだ」と提言した。
2022年10月13日 京郷新聞 パク・ハヨン記者
https://www.khan.co.kr/national/national-general/article/202210131856001