タワークレーン事故で死亡、今年だけで3人・・・労組「作業中止権が保障されなければ」/韓国の労災・安全衛生2025年2月19日
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工事現場で重量物を運ぶタワークレーンに関連する死亡事故が、今年に入って3件も発生した。両大労総は尹錫悦政府になって行われた『建暴追い』が事故増加の原因だとし、対策を追求した。
民主労総全国建設労組と韓国労総タワークレーン操縦士労組は、政府のソウル庁舎前で記者会見を行い、このように主張した。1月8日には、水原農協京畿地域本部新築工事の現場でタワークレーンから落ちてきた資材に当たって労働者が亡くなった。同月16日には、金海共同住宅の現場で大型型枠(ギャングフォーム)作業をしていた労働者が落ちて亡くなる事故が起きた。翌日には済州2コンベンションセンターの現場で、タワークレーンで引き揚げていた鉄骨の資材が落ちて、労働者一人が亡くなった。昨年までの三年間、タワークレーン事故で亡くなった労働者が7人ということから考えれば、最近になって事故が急増しているわけだ。タワークレーンの事故は、建設労働者だけでなく、工事現場の周辺の建物や通り過ぎる市民にも被害を及ぼすおそれがある。
民主労総建設労組が今月11日から三日間、タワークレーンの操縦士1287人に行ったアンケート調査の結果によれば、2022年1月に「重大災害処罰などに関する法律」が施行された後、タワークレーン関連の事故に遭ったり、目撃したことがあるという回答は、30.9%に達した。主にタワークレーンで運搬中だった資材が落ちてきて怪我をする事故(62.5%、重複回答)と、運搬物に当たったり(33.2%)、ぶつかる(33%)事故だった。
タワークレーンの操縦士たちが作業中で最も危険な状況の第一順位に挙げたのは、強風の中にも拘わらず作業を続けろという現場管理者の要求(46.5%)だった。現行の産業安全保健法は瞬間風速が15㎧を越える場合、タワークレーン技師が操縦作業を中止できるようになっているが、実際に『作業中止権』を保障されているという応答は、11.4%に止まった。
尹錫悦政府が建設現場の不法行為を正すという口実で施行した、タワークレーン操縦士の『作業中止権の制限』政策に関しては、74.1%が「作業が危険になった」と答えた。その理由としては「元請け会社の顔色をうかがって、作業中止などの法制度上の権利を主張できないため」という応答が、60.8%に達した。
二大労総のタワークレーン労組は「操縦士の『作業中止権』が保障されるべきで、専門信号手制度の導入も急がれる」とし、「建設現場で市民の安全のための歩道設置などがきちんと行われるように、労組が監視する」と主張した。
2025年2月19日 ハンギョレ新聞 チョン・ジョンフィ記者