尹錫悦時代、重大災害の責任者の処罰は緩和されるか 2022年3月11日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・ギフン記者

国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補が20代大統領に当選し、「重大災害処罰などに関する法律」の施行にも変化が起きるのか、関心が集まっている。尹錫悦当選者は選挙運動当時、経営責任者の処罰よりも予防を強調し、事業主と経営責任者の範囲を狭めて具体化する必要があるという見解を固守してきた。

財界は、重大災害処罰法の補完を粘り強く求めてきた。尹錫悦候補が当選すると、中小企業中央会は「重大災害処罰法の補完、週52時間制と最低賃金の改善、デジタル転換と革新力量強化など、中小企業界が要求してきた課題をほとんど公約に反映した」と、歓迎の意思を明らかにした。

尹錫悦当選者は公約で、小規模事業場・建設現場など、脆弱事業場に労災予防技術と予算を集中的に支援し、地方雇用労働庁・安全保健公団などのコンサルティングを支援し、強化すると明らかにした。また、大企業・中小企業の共存型産業安全保健体系を構築するという計画も示した。

重大災害処罰法の施行を前にした昨年12月には「企業家の経営意志を萎縮させる強いメッセージを与える法」で、「予防装置にならなければならず、事故が起きた時に責任を押し付けるやり方で運営されてはならない」と話した。

尹錫悦当選者の公約を巡っては『重大災害予防と安全権実現のための学者・専門家ネットワーク』の共同代表のクォン・ヨングク弁護士は「労災予防を支援することは、既に産業安全保健法にも規定されている以上、現行の法律を活かせば良い問題」と指摘した。また「これまで法が死文化されてきた側面があり、それを強化しようという趣旨で重大災害処罰法が導入された」と付け加えた。

経営責任者の拘束要件が曖昧だという趣旨の尹錫悦当選者の発言は、最高検察庁が今年1月に一線の検察庁に配布した『重大災害処罰法罰則解説書』の内容にも反する要素がある。検察は形式的な地位や名称と関係なく、『実質的に』事業を代表して総括していれば、経営責任者に該当すると解釈した。更に、企業のトップも特定の業務を指示すれば、共犯として処罰される余地も残した。

労働界は憂慮を示している。民主労総はこの日の論評で「(尹錫悦当選者は)選挙前日の8日、4人の労働者が命を失うという現実にも、使用者と財界の側に立って、重大災害処罰法をこき降ろして無力化させると発言した」、「結局、尹錫悦の5年は、労働者には生命を懸けた地獄の時間であり、資本家には、長時間労働と低賃金労働が保障される夢のような時間を保障することに違いない」と批判した。

2022年3月11日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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