新型コロナ労災「無・軽症でも申請を」(名古屋労災職業病研究会)-全国・地域、業種で偏り~中日新聞が報道 2020.11.29

新型コロナ労災の全国・都道府県別状況をはじめて新聞報道

中日新聞が2020年11月29日付朝刊において『コロナ労災知って 全国1133件、地域や業種で偏り 』 『支援団体「無・軽症でも申請を」職場が感染源なら認定』と、新型コロナ労災の現状と課題を一面トップで報じた。

コロナ労災を知って 全国1133件、地域や業種で偏り(中日新聞)
2020年11月29日 05時00分 (11月29日 05時01分更新)

記事は、11月25日付で新型コロナウィルス感染症にかかる労災請求が2167件、認定が1033件にのぼっているものの、地域や業種での偏りが見られることを指摘、特に地域差について次のように述べている。

各労働局への取材では、申請数に地域差も見られる。愛知は今月12日時点で申請が77件で、うち労災認定されたのは22件だった。残り55件は審査を継続中。職種の内訳は明らかにしていない。
これに対し、北海道では10月30日時点で申請が199件で、認定は140件。同様に感染拡大が深刻な愛知をそれぞれ、大きく上回っている。
同じ中部地方でも、申請が滋賀では今月19日時点で53件に上ったのに対し、三重と長野はそれぞれ12日時点で2件だった。認定件数は三県とも非公表。岐阜は16日時点で申請11件のうち、6件が認定された。

中日新聞2020年11月29日

全国や各都道府県の状況については当サイトでも紹介している。

こうした労災請求・認定状況の中、新型コロナ労災請求と認定の重要性について、中日新聞の地元名古屋市の「名古屋労災職業病研究会」の成田博厚事務局長が取材に応じ、次のように訴えている。

支援団体「無・軽症でも申請を」 職場が感染源なら認定

「子育て中で、休業で賃金が支払われないと困る」。労働者らの労災認定に向けた手続きを支援する市民団体「名古屋労災職業病研究会」には、愛知県内の医療機関に勤務し、新型コロナに感染した三十代の事務職員から切実な声が寄せられたという。
相談員の成田博厚さん(48)によると、職員は七月に感染。陰性になっても倦怠(けんたい)感が収まらず「いつになったら治るのか」と不安が続いた。成田さんらのサポートで、労災を申請した。
また、七月に感染した七十代の介護職員はせきなどの症状が続き、今も仕事に復帰できていない。労災認定を受けたため、医療費の自己負担がなく、賃金の八割に当たる休業補償も支払われているという。
医療従事者以外でも、職場が明らかに感染源の場合は労災認定される。だが、成田さんは「医療従事者以外は、件数が少ない印象。制度が周知されていない」と指摘。
第三波で感染者の急増に警戒が強まる中「(国は)請求を勧奨するべきだ。労災はいざという時の命綱。労働者も感染した場合、軽症や無症状でも積極的に申請した方がいい」と話す。

中日新聞2020年11月29日

名古屋労災職業病研究会HPの新型コロナウィルス感染症労災関係記事など

新型コロナウイルス感染症の労災申請の相談①
新型コロナウイルス感染症の労災申請の相談②

なお中日新聞と東京新聞は、10月19日付でも新型コロナウィルス感染症労災について記事を掲載している。