中皮腫の診療のための通院費の支給について/2005年10月31日基労補発1031001号 及び 「〃」の運用について/事務連絡2005年10月31日

基労補発第1031001号 <5年保存>
平成17年10月31日

都道府県労働局労働基準部長殿

厚生労働省労働基準局
労災補償部補償課長

中皮腫の診療のための通院費の支給について/2005.10.31基労補発1031001号

移送費に係る取扱いについては、昭和37年9月18日付け基発第951号(改正昭和48年2月1日付け基発第48号)(以下「通達」という。)及び昭和59年11月20日付け補償課長事務連絡第32号(以下「事務連絡」という。)により実施しているところであるが、石綿による疾患、特に中皮腫については、診療に当たる専門医や医療機関数の拡充に努めているものの、現状においては、未だ、全国的に居住地等の近くに専門的な診療に当たることのできる医療機関の設置数が確保できていないという実状にある。
このような実状に鑑みて、中皮腫の診療のための通院費の支給については、当分の問、特に下記のとおり取扱うこととしたので、遺憾のないようされたい。

1 通院費の支給要件の運用について

通院費の支給要件を示した通達記1の(3)のイ及びロについては、中皮腫の診療のための通院について以下のとおり運用する。

(1) 中皮腫にり患した労働者が通院した医療機関については、事務連絡記の1の(2)に掲げる事項を勘案のうえ、初めての通院でない場合は、当該通院が当該傷病労働者を診察した医師の紹介等に基づく通院であることが確認できたときに「当該傷病の診療に適した指定医療機関」に該当するものとして取扱うこと。
(2) 「4キロメートルをこえる通院」の範囲については、これまで事務連絡記の1の(3)の⑥において「起点の所在する市町村若しくは特別区(東京23区のそれぞれの区をいう。以下同じ。)、文はこれに隣接する市町村若しくは特別区の範囲を限度とすること。」としてきたところであるが、今般、中皮腫に係る専門的医療機関の分布状況を踏まえた通院の実態等を考慮し、その範囲を拡大するために「起点の所在する区域(別表に掲げる全国を7つに分割した区域)の範囲を限度とすること」としたこと。
 なお、起点が所在する区域外への通院については、当該区域の住民の通院慣行、当該区域の交通事情等に基づき、個別に判断するものであること。

2 本省への協議について

上記1の(2)のなお書きの通院に該当する事案その他判断に当たり疑義のある事案については、本省に協議のうえ決定を行うこと。
なお、協議に際しては次の文書を添付すること。

(1) 調査復命書
(2) 診療費請求内訳書
(3) その他判断の参考となる資料

事務連絡 <1年未満保存>
平成17年10月31日

都道府県労働局労働基準部
労災補償課長 殿

厚生労働省労働基準局労災補償部
補償課長補佐(医療福祉担当)

「中皮腫の診療のための通院費の支給について」の運用について/事務連絡2005.10.31

標記については、平成17年10月31日付け基労補発第1031001号をもって通知されたところでありますが、中皮腫にり患した労働者に係る通院の状況について情報を収集し、今後の参考としたいので、当分の間、本省協議事案以外の事案についても、決定後速やかに請求書、決議書及び調査復命書の写を補償課医事係まで送付していただきますようお願いいたします。

また、移送費の調査・決定処理に当たっては通達、事務連絡によることはもとより、以下の点にも留意して処理を行うようお願いします。

① 通院した事実にっいては、レセプト等により突合等確認を行うこと。
② 初めての通院については、昭和59年11月20日付け補償課長事務連絡第32号記の1の(2)によるほか、必要に応じて、レセプトによる診療内容及び地方労災医員、地方じん肺診査医等の意見も参考にして判断すること。
③ 通院を行っている過程において、主治医より一時的に検査等のため他の医療機関を受診するよう指示を受けた場合の医療機関への通院に要する費用は従来どおり、昭和37年9月18日付け基発第951号(改正昭和48年2月1日付け基発第48号)記の1の(3)通院ではなく(2)転医等に伴う移送として取扱うものであること。

別表

区域 管轄都道府県
北海道 北海道
東北 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
関東甲信越 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野
東海・北陸 富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重
近畿 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
中国・四国 鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知
九州・沖縄 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄