国際労働総会は安全衛生を基本的原則・権利に追加-ILO(国際労働機関)プレスリリース, 2022.6.10

この画期的な決定は、すべてのILO加盟国は、関連する条約の批准の有無にかかわらず、安全で健康的な労働環境に対する基本的権利を尊重及び促進することを約束することを意味している。

ジュネーブ(ILOニュース)-[第110回]国際労働総会(ILC)に出席する代表団は、国際労働機関(ILO)の労働における基本的原則及び権利に安全で健康的な労働環境の原則を追加する決議を採択した。

代表団は6月10日金曜日の本会議でこの措置を採択した。

これまで、労働における基本的原則及び権利には4つのカテゴリー-結社の自由と団体交渉権の効果的な承認、あらゆる形態の強制労働の禁止、児童労働の実効的な廃止、雇用及び職業における差別の排除-があった。今回の会議での決定により、労働安全衛生は5番目のカテゴリーとなる。

労働における基本的原則及び権利は、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の一部として、1998年に採択された。この宣言のもとで、ILO加盟国は、経済発展のレベルにかかわらず、関連する条約を批准しているかどうかにかかわらず、これらの原則及び権利を尊重及び促進することを約束するものである。

個々の労働における基本的原則及び権利は、もっとも関連のあるILO条約と関連付けられている。新しい基本条約は、1981年労働安全衛生条約(第155号)と2006年労働安全衛生促進枠組み条約(第187号)となる。

会議はまた、船員の権利と労働条件に焦点をあてた、2006年海上労働条約(MLC, 2006)についての8つの改正を承認した。これらの改正は、2022年5月に、2006年海上労働条約特別三者委員会の第4回会議(第2部)で、船員、船主及び政府の代表によって交渉及び採択されたものである。

2024年12月に発効する見込みの新しい条項は、パンデミックの間に学んだ教訓の一部を踏まえて、世界の船員の生活・労働条件の向上に寄与するだろう。

国際労働総会のディーセントワークと社会連帯経済(SSE)に関する一般討議委員会は、決議によって補足された結論を採択した。結論の16項目には、SSEの重要な定義が含まれており、ディーセントワークの文脈のなかでのSSEを促進に関する手引きを含んでいる。委員会はまたILOに対して、ディーセントワークと社会連帯経済に関する戦略と行動計画を策定し、2022年11月の会期にILO理事会に提出するよう求めた。

労働の世界サミット

同じ日の早い時間に国際労働総会は、ハイレベルの労働の世界サミットを開催した。複数の世界的危機に対処し、人間中心の回復と弾力性を促進しつつ、討議は、現在の危機の労働・社会に対する影響と、とりわけもっとも脆弱な人々のため、平和、回復、インクルーシブな開発を支援するための、人間中心のアプローチの活用に焦点をあてた。

「良い結果を期待できず、見通しが不確かであったとしても、われわれはよりよい仕事の未来に向けたわれわれのビジョンを見失ってはならない。何百万もの人々の希望と夢がわれわれにかかっている。われわれは彼らを失望させるわけにはいかない。われわれはともに、よりよい、より公平な、よりインクルーシブな、すべての人のための将来という約束を実現しなければならない」と、ILO事務局長のガイ・ライダーは、サミットの開会に当たって述べた。「われわれは、とくにもっとも脆弱なグループに対して、ディーセントワークの機会を創出するための努力を新たにしなければならない」と、彼は付け加えた。

https://www.ilo.org/global/about-the-ilo/newsroom/news/WCMS_848132/lang–en/