ILOの労働における基本的原則及び権利の枠組みへの安全かつ健康的な労働環境の追加に関する決議-第110回国際労働総会, 2022.6.10

国際労働機関の総会は、2022年にその第110回会期として会合し、

国際労働機関の目的を実現するための決定的な瞬間をしるした、第86回会期(1998年)における労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の採択を想起し、

会議が安全かつ健康的な労働条件がディーセントワークの基本であることを宣言した、労働の未来に対する人間中心のアプローチを促進し、国際労働機関の設立ビジョンを実現する労働の未来を形成することを目的として2019年に採択された労働の未来のためのILO100周年宣言を想起し、

COVID-19パンデミックと労働の世界に対するその広範囲に及ぶ変革的影響によって説得力をもって示されたように、労働安全衛生の必須の重要性に留意し、

安全かつ健康的な労働環境は、定められた権利、責任及び義務の体系を通じて、並びに社会対話及び協力を通じて、政府、使用者及び労働者の積極的な参加を必要とすることに留意し、

ILOの中核的価値及びディーセントワーク・アジェンダの可視性及び影響力を高める手段として、ILOの労働における基本的原則及び権利の枠組みに安全かつ健康的な労働環境を含めることを望み、

これが労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の改正の形式をとるべきであることを考慮して、

  1. 労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言のパラフラフ2を改正して、「雇用及び職業における差別の排除」のの後に「及び(e)安全かつ健康的な労働環境」を含めるとともに、本決議の付属書に示すように、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言の付属書並びに公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言及び労働に関する世界協定[Global Jobs Pact]に結果として生じる改正を行うことを決定し、
  2. 上述の文書は今後、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(1998年、2022年改正)」、「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言(2008年、2022年改正)」及び「労働に関する世界協定(2009年、2022年改正)」と呼ばれるべきであることを決定し、
  3. 1981年職業上の安全及び健康条約(第155号)及び職業上の安全及び健康促進枠組み条約(第187号)を、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(1998年、2022年改正)の意義の範囲内において基本的条約とみなされることを宣言し、
  4. 理事会に対し、すべての関連する国際労働基準、多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言、及び、適切な場合には2022年に改正された、公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言(2008年)に、本決議の採択の結果生じる一定の改正を導入することを目的としたあらゆる適切な措置を講じることを求め、
  5. この決議のいかなる内容も、国家間の既存の貿易及び投資協定から生じる加盟国の権利及び義務を意図しない方法で影響を与えるものと解釈してはならないことを宣言する。

付属書

労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(1998年、2022年改正)の付属書に結果として生じる改正
[改正前日本語訳:https://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/WCMS_246572/lang–ja/index.htm

第2部[未批准の基本条約に関する年次フォローアップ]

A. 目的及び範囲

  1. フォローアップは、宣言に特定された45つの種類の基本的原則及び権利を取り扱う。

第3部[労働における基本的原則及び権利に関するグローバル・レポート]

A. 目的及び範囲

  1. グローバル・レポートの目的は、それ以前の期間において認められた45つの分野の基本的原則及び権利に関する動的・包括的な概観を提供し、この機関による支援の効果を評価し、かつ、とくにそれを実行するために必要な内部及び外部の資源を動員するために作成される技術協力の行動計画の形式を含み、それ以降の期間における優先事項を決定するための基礎を提供することである。

公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言(2008年、2022年改正)に結果として生じる改正
[改正前日本語訳:https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/—asia/—ro-bangkok/—ilo-tokyo/documents/genericdocument/wcms_236375.pdf

第4前書きパラグラフ

国際労働機関が、絶えず変化する環境の中で、進歩及び社会正義の推進と達成を助ける重要な役割を担うことを確信する: […]
- 加盟国が、国際労働機関の任務の履行に際して、基本的権利
(すなわち、結社の自由及び団体交渉権の実効的承認、あらゆる形態の強制労働又は義務的労働の撤廃、児童労働の実効的廃止、雇用及び職業における差別の撤廃、並びに安全かつ健康的な労働条件)がもつ特段の重要性を認めた、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言及びそのフォローアップ(1998年、2022年改正)に依拠するとともに、これを再確認し;

労働に関する世界協定[Global Jobs Pact]に結果として生じる改正
[改正前日本語訳:https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/—asia/—ro-bangkok/—ilo-tokyo/documents/meetingdocument/wcms_236899.pdf

パラグラフ9

  1. 行動は、ディーセントワーク・アジェンダ及び2008年公正なグローバル化のための社会正義に関する宣言(2008年、2022年改正)の中で合意した事項を指針として行われなければならない。[…]

パラグラフ14

  1. 国際労働基準は、働く人々の権利の基礎となって、それを支え、危機においてとくに有益な社会対話の文化を構築することに貢献する。労働条件悪化の悪循環を防ぎ、回復を果たすためには、以下を認識することがとくに重要である。

(1) 労働における基本的原則及び権利を尊重することは人間の尊厳にとって不可欠である。それはまた、回復と開発にとっても決定的に重要である。したがって、次のことを強化しなければならない。

(i) 強制労働、児童労働及び職場における差別の撤廃及びそれらの増加を予防し、並びに安全かつ健康的な労働条件を実現するための監視

(ii) 社会的緊張が高まる中で、フォーマル経済及びインフォーマル経済の双方において、建設的な社会対話を可能にするメカニズムとしての結社の自由、団結権及び団体交渉権の効果的な承認の尊重

パラグラフ28

  1. ILOは、必要な人材及び財源を配置し、他機関と協力して、グローバル・ジョブズ・パクトを活用するためのサポートを求める政労使への支援に取り組む。その際、ILOは、2008年公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言(2008年、2022年改正)及び付随する決議を指針とする。

https://www.ilo.org/ilc/ILCSessions/110/reports/texts-adopted/WCMS_848632/lang–en/index.htm