労災保険法等の一部を改正する法律案~遺族年金・特別遺族年金の遺族の要件、消滅時効期間等関連~
労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案が4月7日、国会(衆議院)に提出された。関連資料は以下に掲載されている。
※https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE271A.htm
改正案による改正後の労災保険法の条文を示す(第8条の2を除く、下線部が改正箇所)。船員保険法(遺族年金の遺族の要件・額及び消滅時効の期間)、石綿健康被害救済法(特別遺族年金の遺族の要件)、労働基準法(消滅時効の期間)、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(政令で定める事業について、当分の間、労働者災害補償保険の適用事業としない暫定措置を廃止)の一部改正関係の条文は省略した。施行期日は、一部を除いて、2027年4月1日とされている。
第16条の2 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものとする。 ただし、配偶者以外の者にあつては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
【「ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、以外の者にあつては…」からの改正]
1 父母又は祖父母については、60歳以上であること。
【「夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)父母又は祖父母…」からの改正]
2・3 (略)
4 前三号の要件に該当しない【「夫、」削除】子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。
第16条の3 遺族補償年金の額は、別表第1に規定する額とする。
②・③ (略)
【「④ 遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が妻であり、かつ、当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において、当該妻が次の各号の一に該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
1 55歳に達したとき(別表第1の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
2 別表第1の厚生労働省令で定める障害の状態になり、又はその事情がなくなつたとき(55歳以上であるときを除く。)。」削除】
16条の4 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
1~5 (略)
6 第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にある【「夫、」削除】子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であつたとき、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であつたときを除く。)。
② 遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号のいずれかに該当するに至つたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。
第35条 第33条第3号に掲げる者の団体又は同条第5号に掲げる者の団体が、当該団体の構成員である同条第3号に掲げる者及びその者に係る同条第4号に掲げる者又は当該団体の構成員である同条第5号に掲げる者の業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害(これらの者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省令で定める者にあつては、業務災害及び複数業務要因災害に限る。)に関してこの保険の適用を受けることにつき申請をし、徴収法第33条第1項に規定する業務であつてこの保険に係る保険関係に係るもの、業務災害の防止に関する活動に係る業務その他のこの保険に係る保険関係に係る業務を適切に実施することができる団体として厚生労働省令で定める要件に適合するものとして【追加】政府の承認があつたときは、第3章第1節から第3節まで(当該厚生労働省令で定める者にあつては、同章第1節から第2節の2まで)、第3章の2及び徴収法第2章から第6章までの規定の適用については、次に定めるところによる。
1~7 (略)
② (略)
③ 第1項の承認を受けた団体(以下「承認団体」という。)は、同項の承認があつた後においても、政府の承認を受けて、当該承認団体についての保険関係を消滅させることができる。
④ 政府は、承認団体においてこの保険に係る保険関係に係る業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、当該承認団体に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。【新設】
⑤ 政府は、承認団体が、この法律若しくは徴収法若しくはこれらの法律に基づく厚生労働省令の規定に違反したとき、又は前項の規定による命令に違反したときは、当該承認団体についての保険関係を消滅させることができる。
⑥ 第33条第3号から第5号までに掲げる者の保険給付を受ける権利は、同条第3号又は第5号に掲げる者が承認団体から脱退することによつて変更されない。同条第3号から第5号までに掲げる者がこれらの規定に掲げる者でなくなつたことによつても、同様とする。
第38条 保険給付又は第29条第1項各号に掲げる事業[編注:社会復帰等促進事業]であつてこの保険の適用事業に係る労働者及びその遺族に対して行われるものとして政令で定める事業の実施【追加】に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
②・③ (略)
第42条 療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、複数事業労働者療養給付、複数事業労働者休業給付、複数事業労働者葬祭給付、複数事業労働者介護給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付及び二次健康診断等給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によつて消滅する。ただし、これらの保険給付(二次健康診断等給付を除く。)の原因である事故に係る疾病が、その性質上、第12条の8第2項に規定する災害補償の事由若しくは同条第4項に規定する給付を支給すべき事由に該当するものかどうか、第20条の3第1項、第20条の4第1項、第20条の7第1項若しくは第20条の9第1項に規定する給付を支給すべき事由に該当するものかどうか又は第22条第1項、第22条の2第1項、第22条の5第1項若しくは第24条第1項に規定する給付を支給すべき事由に該当するものかどうかを容易に判断することができない疾病として政令で定めるものである場合には、当該保険給付を受ける権利については、この項本文中「2年」とあるのは、「5年」とする。【現行の「5年」規定を削除したうえで追加】
② 障害補償給付、遺族補償給付、複数事業労働者障害給付、複数事業労働者遺族給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から五年を経過したときは、時効によつて消滅する。【新設】
③ (略)
第46条 行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者を使用する者、労働保険事務組合、承認団体、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。第48条第1項において「労働者派遣法」という。)第44条第1項に規定する派遣先の事業主(以下「派遣先の事業主」という。)又は船員職業安定法(昭和23年法律第130号)第6条第13項に規定する船員派遣(以下「船員派遣」という。)の役務の提供を受ける者に対して、この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
第48条 行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場、労働保険事務組合若しくは承認団体の事務所、労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣先の事業の事業場又は船員派遣の役務の提供を受ける者の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
②・③ (略)
第51条 事業主、派遣先の事業主又は船員派遣の役務の提供を受ける者が次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。労働保険事務組合又は承認団体がこれらの各号のいずれかに該当する場合におけるその違反行為をした当該労働保険事務組合又は当該承認団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、同様とする。
1 第46条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記は虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出したとき。
2 第48条第1項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第53条 事業主、労働保険事務組合、承認団体、派遣先の事業主及び船員派遣の役務の提供を受ける者以外の者(第三者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、6月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する。
1 第47条の規定による命令に違反して報告若しくは届出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは届出をし、又は文書その他の物件の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出したとき。
2 第48条第1項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
3 第49条第1項の規定による命令に違反して報告をせず、虚偽の報告をし、若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示をせず、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第54条 法人(法人でない労働保険事務組合及び承認団体を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第51条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
② 前項の規定により法人でない労働保険事務組合又は承認団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその労働保険事務組合又は承認団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
別表第1(第14条、第15条、第15条の2、第16条の3、第18条、第18条の2、第20条の5、第20条の6、第20条の8、第22条の3、第22条の4、第23条関係)
1~4 (略)
(略)
遺族補償年金
次の各号に掲げる遺族補償年金を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族の人数の区分に応じ、当該各号に掲げる額げる額
1 1人 給付基礎日額の175日分 [現行
のただし書きは削除]
2 2人 給付基礎日額の201日分
3 3人 給付基礎日額の223日分
4 4人以上 給付基礎日額の245日分
(略)
安全センター情報2026年6月号


