また「死の外注化」発電所事故・・・労働界「下請け問題の改善、老朽化した産業団地の安全対策作りをせよ」/韓国の労災・安全衛生2025年11月7日

蔚山火力発電所のボイラータワー崩壊事故から二日目の7日、韓国東西発電蔚山発電本部蔚山火力発電所事故現場にボイラータワーが崩れている。 蔚山|クォン・ドヒョン記者

7人が下敷きになった韓国東西発電蔚山火力発電所の崩壊事故の被害者が、全て協力業者職員であることが判り、発電所の慢性的な『危険の外注化』問題が再び明らかになった。また、別の安全事故を防ぐためには、蔚山地域の老朽産業団地の施設に対する全面的な安全点検と対策作りが必要だという声が出ている。

7日の取材を総合すると、韓国東西発電が発注した今回の火力発電ボイラータワーの作業現場の施工会社はHJ重工業だが、事故に遭った労働者は全てHJ重工業の協力業者のコリアカコ所属の下請け労働者であることが確認された。彼らの内、正規職は一人、残りは全て契約職労働者だということが判った。

4日に雇用労働部は、重大災害根絶と不法下請け防止のための『公共機関緊急安全対策会議』を開いたが、会議の二日後に公共機関で惨事が発生した。当然、会議で労働部は、「公共機関が発注した工事現場から安全管理を強化する。」「公共部門の不法下請けは、理由如何を問わず絶対に容認できず、工事費用と期間を十分に保障する」と明らかにした。労働部は公共機関が発注した工事現場から安全管理を強化できるように、11月の一ヶ月間を『集中点検期間』とすると明らかにした。

労働界は、発電所内の『死の外注化』を止めなければならないと主張している。公共運輸労組は声明を出し「政府が真に公共部門から安全を強化すると言うのなら、キム・ヨンギュンからキム・チュンヒョンまで、数多くの労災死亡事故の原因と名指しされた『死の外注化』から正さなければならない。」「事故の過程に対する全面的な監督と捜査を実施し、下請け構造の改善など、実質的な安全対策を準備しなければならない」と追及した。彼らは「今回の事故は予見された惨事」として、「政府は安全対策の代わりに、建築物解体業者等の手続きの簡素化と規制緩和要求が受け容れられたのではないか、徹底的に調査しなければならない」と主張した。

蔚山地域の労働者たちは、老朽化した産業団地の危険性が大きいと憂慮している。また、別の安全事故を防ぐためには、根本的に老朽化した施設と装備に対する緊急対応が必要だということだ。民主労総の蔚山本部労働安全局長は「60余年になった蔚山重化学工業団地と、40年以上になった石油化学団地など、全般的に古い施設と老朽装備の問題が深刻だ。蔚山地域全体が時限爆弾のような状況」で、「現場労働者は以前から、いつどこで何が起きるか判らないと話してきた」と話した。蔚山では先月にもSKエネルギーの爆発事故で、協力業者の職員二人が死亡し、四人が負傷した。

彼は今回の事故も施設の立ち遅れと無関係ではないと見た。労働安全局長は、「爆破撤去を前に『脆弱化作業』をするが、爆破の過程もなく先に崩れた。施設が40年以上になり、当初から危険な状態にあった。」「古くて劣化していたので、最初に計画した方法通りに施工しても崩れるほど脆弱だったようだ」と指摘した。

それと共に、「政府と蔚山地域の経営者、労働組合が一緒に対策対応機構を構成し、重要な危険施設を調査する作業が一番最初に必要だと思う。」「蔚山の老朽産業団地に対する大々的な施設の安全点検をしなければならない。全般的な危険診断いよって直ちに安全対策を樹立し、危険だと判断される場合には、施設を交換する前に、先ず全面的な作業中止、稼動中断などが必要だ」と話した。

韓国労総電力連盟の政策室長は「ひとまず救助作業が優先であり、以後に事故原因などを早く調査しなければならない。」「現場の安全作業を強化しなければならず、こうした事故の再発を防ぐために、『発電産業の正義の転換協議体』で、労働者の安全と雇用を確保できる、実質的な対策を模索すべきだ」と明らかにした。

労働部と気候エネルギー環境部は、前日の夜に続き、この日の午前、関係部署と一緒『蔚山火力発電所崩壊事故重傷事故収拾本部』の二次会議を開催した。会議では構造状況の点検と同時に、早急な埋没者救助のための救助作業の方向と、各機関別の支援対策などが議論された。中央事故収拾本部は同日午後には、脆弱な構造物に対する診断と対応策作りのために技術支援会議を開催し、消防庁に必要な技術支援をするよう総力を挙げていると明らかにした。

2025年11月7日 京郷新聞 チェ・ソウン記者

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