「職場内いじめの死角地帯を埋めなければ」オ・ヨアンナ死亡で国会論議・・・「MBC聴聞会が必要 vs 政治攻勢にするな」/韓国の労災・安全衛生2025年2月20日

職場内いじめを訴えて亡くなったMBCの気象キャスター事件に関する国会議論で、与野党が「職場内いじめに関する法的な死角地帯を埋めるべきだ」ということで意見の一致をみた。しかし、与党はMBCに対する聴聞会が必要だと主張し、野党は聴聞会を政治攻勢に活用するな、という攻防を繰り広げた。

国会・環境労働委員会は懸案質疑で、オ・ヨアンナさんの死亡事件と、職場内いじめの問題について議論した。オ・ヨアンナさんがMBCとフリーランサー契約を結んでいたために勤労基準法の保護を受けらないことから、特殊雇用労働者など、死角地帯にいる労働者たちも、やはり制度の保護を受けるべきだという意見が続いた。

共に民主党のイ・ヨンウ議員は「中央労働委員会で5年間に38件の放送非正規職が労働者性を争ったが、55.3%が労働者性を認められた。」「放送局は『名ばかりフリーランサーのデパート』として、フリーランサーが濫用されているが、対策を作らなければならない」と話した。「国民の力」のイム・イジャ議員は「雇用労働部は5人未満の事業場、特殊雇用職、フリーランサーなどの勤労者性の幅を広くすることができるので、使用者性のある人たちを説得するべきだ」と話した。民主党のキム・テソン議員は「事件の本質は、単純ないじめを越え、放送業界に蔓延する形だけのフリーランサー契約形態、放送会社の使用者責任回避構造にある。」「フリーランサー、特殊雇用労働者等が勤労基準法の適用対象にならなければならない」と話した。

MBCの気象キャスターだったオ・ヨアンナさん/SNSより

キム・ムンス雇用労働部長官も、フリーランサーなどが法的保護を受けられるように努力すると話した。国会環境労働委員会のアン・ホヨン委員長が「勤労基準法が適用されない労働者は、オ・ヨアンナさんの他にもたくさんいるが、勤労基準法でなくても、人格権を保障されるような対策を立てなければならない。」「法案小委に現行の職場内いじめ制度を改善する法案が8件提案されたが、政府が積極的にやる気にならなければならない」と話した。キム・ムンス長官は「議員たちの法案によって立法的な進展があると思う。フリーランサーも保護できるように拡げていく」と話した。

ただ、MBC聴聞会を開催するかどうかを巡っては、与・野党が攻防を繰り広げた。国民の力のキム・ソヒ議員は「オ・ヨアンナさんの聴聞会は必ず開催するべきだと考える」として、「民主党がなぜ聴聞会を受け容れてくれないのか、本当によく理解できない」と話した。これに対し、共に民主党のキム・ジュヨン議員は「オ・ヨアンナさんの聴聞会を民主党が反対して開催されないという話は、事実と違う。」「これを政治攻勢の場として利用するために、この場で発言するのは不適切だ」と話した。

2025年2月20日 京郷新聞 イム・アヨン記者、チェ・ソウン記者

https://www.khan.co.kr/article/202502201724001