「教育公務員」の公務上災害、警察・消防の次に多い 2023年08月17日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/全教組

「保護者のパワハラ」で自ら命を絶ったソウル瑞草区瑞二小学校の教師事態で教員の労働環境に視線が集まる中で、教育公務員の公務上災害が警察と消防の次に多いことが判った。精神疾患が大幅に増加し、「保護者のパワハラ」に対する根本的な対策が必要だという指摘だ。

全災害の中で教育公務員の割合も上昇し

正義党のイ・ウンジュ議員が人事革新処から取り寄せた「2020年~2023年教育公務員公務上災害(事故および疾病)現況分析」資料によると、教育公務員の公務上災害の比率が警察職と消防職の次に高かった。今年1月から6月までの公務上災害、3803件の内、教育職は526件で、警察職(1104件)・消防職(792件)に続いて三番目だった。教育公務員は、大学教授と幼・小・中・高教員、奨学官、奨学士、教育研究士を含む。

公務上災害全体に占める教育公務員の比率は次第に高まっている。2020年の13.7%から2022年の14.8%に、1.1%上昇した。2020年に公務上災害と認められた6492件の内、教育職は888件(13.7%)で、警察職の2144件(33.0%)、消防職の1068件(16.5%)の次に多かった。2021年も、5654件の内、教育職は799件(14.1%)で、警察職1551件(27.4%)、消防職991件(17.5%)の次だった。2022年も5962件の内の883件(14.8%)を占め、警察職1665件(27.9%)、消防職1157件(19.4%)に続いて三番目だった。

とんでもない教育部の対策「苦情対応は公務職が」

注目すべき点は、公務員全体の精神疾患承認件数の中で、教育公務員の承認件数が半分以上を占めており、ますます多くなっているということだ。2020年の公務員の精神疾患の承認は153件だが、教育公務員が90件(58.8%)を占めた。2021年は167件の内、教育公務員が106件(63.4%)、2022年は、271件の内の160件(59%)、今年1~6月は、119件の内の67件(56.3%)だった。

イ・ウンジュ議員は「最近の教員の感情労働の危険度上昇の問題との相関性が大きいと見られる」と分析した。精神疾患になった具体的な態様を別途に管理していないため、精神疾患の原因分析には限界があるが、教員の感情労働の問題を解決する必要があるという指摘だ。

これに対して、教育部が最近打ち出した対策は、教育公務職を含めた「校長直属の苦情対応チーム」の構成だ。苦情応対の担当者を「教育公務員」から「教育公務職」に変えるということだ。根本的な解決策ではないという批判が続く。

教務行政支援士として働いている学校非正規職労組ソウル支部のチェ・ウンジョン事務処長は「保護者からの苦情を受けたときの相談は、専門相談士のような専門人材がすべきことであり、悪性の苦情などから労働者を保護する法・制度作りが必要だ」と話した。

2023年8月17日 毎日労働ニュース イム・セウン記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=216804