欧州では「遠隔勤務申請権」を法制化・・・・在宅費用の会社負担も 2022年5月25日 韓国の労災・安全衛生

ピクサーベイ

コロナ19で在宅勤務を含む遠隔勤務の経験値が積もり、韓国内でも労働者が勤務場所を選択できるという認識が生まれている。先に遠隔勤務が活性化されたヨーロッパでは「遠隔勤務申請権」の保障範囲とレベルについて、相当水準の社会的議論と立法が進行された。

フランス、労働者に「連結遮断権」を保障

フランスは2012年から労働法典に「テレワーク」(遠隔勤務)関連の条項を定めた。民間部門の労働者の場合、団体協約または使用者が作成した公式文書の範囲内で遠隔勤務ができる。該当の文書には遠隔勤務の施行条件をはじめ、勤労時間のコントロールと作業量の調節方式、管理者が労働者に通常的に連絡できる時間帯を盛り込むよう規定する。会社から労働者への「連結遮断権」を保障し、過労を防止して私生活を保護するためだ。

スペインはコロナ19で在宅勤務が急激に増え、2020年に緊急立法の形で「遠隔勤務法」を制定した。フランスと同様に、労使の合意によって遠隔勤務制を導入できるようにした。この合意には、遠隔勤務に必要な手段・装備・道具の目録、これに伴う支出項目、会社負担の金額と支給時期・方法を明示するように規定した。遠隔勤務に掛かる費用に関する紛争を予防するための性格もある。会社のデータ保護と情報セキュリティ指針も、事前合意の対象に含まれる。

労働者の「遠隔勤務申請権」と会社の「受容義務」のレベルは国ごとに異なる。2020年にドイツ政府は、6ヶ月以上勤続した労働者に、1年に24日以上の遠隔勤務が申請でき、「経営上重大な理由」がある場合だけ使用者が拒否できる、「モバイルワーク」立法を推進した。経営界の反発で法案は修正されたが、労働者が遠隔勤務への転換を申請すれば、使用者に協議する義務を付与している。労使間で合意に至らなければ、使用者が遠隔勤務拒否の理由を労働者に通知するよう規定する。フランスとスペインでは、正当な理由がある場合にだけ労働者の遠隔勤務申請を断ることができ、正当性の立証責任は使用者にある。

韓国の改正案は在宅勤務「定義」を定めるレベル

韓国でも2020年、コロナ19が拡散し、在宅勤務に関する労働関係法の改正案が数件提出された。ただ、在宅勤務の「定義」に関する内容が大部分で、労使間の権利・義務は総合的に整理されなかった。国会での法律案に対する議論は活発に行われていない状態だ。高麗大学法学研究院のイ・ウンジュ専任研究員は「フランスとスペインのように、労働者に遠隔勤務申請権と同時に、使用者の拒絶権も認めるなら、国内でも遠隔勤務の法制化は可能で、また必要だと考える」と話した。

2022年5月25日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1044247.html