死亡事故は一度起こったところでまた起きる。労働部、企業の企画監督を実施 2022年3月30日 韓国の労災・安全衛生
重大災害処罰法の施行後に発生した労働者の死亡事故の相当数は、過去に似たような死亡事故の前歴のある企業で発生したことが分かった。雇用労働部はこれら企業の「本社」に対する企画監督に着手した。
労働部によると、重大災害法の適用対象となる労災死亡事故の75%は、過去5年間に重大災害が発生した企業で繰り返し発生していた。重大災害法が施行された今年1月27日から今月16日まで、建設業を除く製造・その他業種で発生した法適用対象事故は計12件だったが、このうち9件が労災死亡事故の前歴があった企業で発生したものだ。
これに対し労働部は、ここ5年間に労災死亡事故が1件以上発生した企業650社を対象に、今月10日から25日まで、安全措置と安全保健管理体系が現場で作動しているかどうかを、企業本社を中心に独自点検し、改善することにした。労働部は今日から、自主的な点検が正しくできているかどうかを確認するため、直接、企画監督を始める。現場別に、最低3日以上、監督官3人と産業安全保健公団職員3人以上を投入して、監督を行う。
労働部は今回の企画監督も「本社」を中心に実施するとしている。産業安全保健法に違反しているかどうかを全般的に確認し、企業本社の独自点検と改善に不十分な点がないかを具体的に調査する。例えば、経営責任者が本社の専任組織を通して現場の安全措置の遵守を随時確認しているかについて、点検者と点検日時・周期、措置の結果を詳しく確認する計画だ。また法遵守のために必要な人材・施設・装備・予算を支援しているかもチェックする。監督結果は、事業場はもちろん、企業本社に講評・面談方式で案内される。重大災害法は事業主だけでなく、経営責任者に労災死亡事故の責任を問う法だ。
クォン・ギソプ産業安全保健本部長は「重大災害発生企業の事業場は、災害発生現場と良く似た工程・安全保健管理体系を持っており、いつでも似たような重大災害が再発する可能性が極めて高い。」「今回の独自点検と監督の後も本社を中心に安全管理に万全を期さなければならない」と話した。
重大災害法が施行されて二カ月が過ぎた26日までに、同法の適用対象となる50人以上の事業場、または50億ウォン以上の建設工事現場で発生した労災死亡事故は計30件、死亡者数は36人(30日現在)だ。 昨年同期(46件、47人)から、やや減少した。
ただし、法施行から一カ月目(1月27日~2月26日)は12件、18人で、二カ月目(2月27日~3月26日)は18件、18人と、二カ月目で件数が増えた。重大災害法の施行直後に旧正月の連休があった上、一部の企業は現場の稼動を中断していたが、3月から天気が暖かくなり、作業が活発に進められた影響と分析される。
2022年3月30日 京郷新聞 イ・ヘリ記者
https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202203301431011