經營界は不満なので・・『尹錫悦政府』で重大災害処罰法は? 2022年3月22日  韓国の労災・安全衛生

ユン・ソギョル大統領当選者が21日、経済6団体長らと昼食会を行う前に挨拶を交わしている。/聯合ニュース

  「重大災害処罰等に関する法律」(重大災害法)違反の疑いで雇用労働部が初めて申請した企業の代表取締役の逮捕状が、裁判所で棄却された。重大災害法第1号拘束令状の棄却と共に、尹錫悦当選者が「企業活動を妨害する要素を取り除く」という立場を明らかにし、経営界が重大災害法の修正・補完を要求している状況が、労働部と検察の重大災害法の捜査にどのような影響を与えるのかに関心が集まっている。

  <ハンギョレ>の取材を総合すると、昌原地裁は22日、労働部が申請したトゥソン産業のK代表取締役に対する拘束令状を、「事案の重大性が認められ、犯罪容疑も疎明されるが、K氏が犯行を概ね認め、証拠隠滅の憂慮がない」として棄却した。トゥソン産業は、電子部品を製造する過程で有毒性の洗浄液を使用しながら安全保健措置を疎かにし、労働者16人が急性中毒などの職業性疾病に罹った疑い(重大産業災害致傷)で、労働部の捜査を受けてきた。

労働者6人が死亡した現代産業開発の光州アパート崩壊事故と関連して元・下請関係者の逮捕状が出るなど、産業災害事件の『拘束捜査』は異例なことではない。ただ、産業安全保健法違反事件の被疑者が主に現場の安全責任者であるのとは違って、重大災害法では被疑者が代表取締役などの経営責任者だ。また経営界は、経営責任者の安全保健確保義務履行の具体的なレベルがどこまでなのかを巡って議論があると主張し、不満を表してきた。そのため、裁判所が重大災害法の捜査の過程で、被疑者の拘束の必要性を認めて令状を発行するかどうかも、大きな関心事だった。

このような状況で、労働部が初めて申請した重大災害法違反の拘束令状に対する裁判所の判断は、『棄却』だった。但し、裁判所が「事案の重大性が認め」られ、「犯罪の疑いも疎明」されると明らかにしたことで、労働部と検察の立場からは負担が減った。重大な産業災害という結果と、経営責任者の安全保健確保義務履行の間の因果関係は、重大災害法適用の困難の一つだったが、裁判所もこの部分がある程度立証されたと判断した可能性が高いからだ。

トゥソン産業は、今年1月27日の重大災害法施行後で、発生日基準では5番目の事件だ。労働部が拘束令状の再申請をせず捜査を終え、検察に事件を送致する予定の中で、現在捜査中の別の事件に対しても、逮捕状を申請するかどうかも注目される。最も関心を集めている企業はサムピョ産業だ。骨材を採取していた石山の土砂崩れで三人が生き埋めになって死亡するなど、人命被害が大きい上に、代表理事など会社の「捜査非協力」で、労働部が捜査の過程で苦労しているとされた。労働部は三人以上の人身事故に対しては、重大災害法の以前に、産安法でも拘束令状を申請する原則を設けており、サムピョ産業もまた、産安法や重大災害法などで、関連被疑者に対する拘束令状が申請されるものとみられる。

今年5月に発足する『尹錫悦政府』の態度も、重大災害法の捜査における重要な変数だ。尹当選者は2日、大統領候補招請テレビ討論会で「重大災害法も、構成要件(犯罪が成立するための要件)を見ると曖昧になっている。」「これで刑事起訴をすれば、様々な法的な問題が出るだろう」と、重大災害法の問題点を指摘している。また21日には、重大災害法の修正・補完を主張してきた経済団体と会い、「企業活動を妨害する要素を取り除く」と話した。

『検察の独立性を保障する』という尹当選者の態度は置いておいても、重大災害法を直接捜査する労働部は、捜査機関というよりも行政機関に近い『二重の地位』を持っている。尹錫悦政府が重大災害法に消極的であれば、捜査も消極的になる可能性は小さくはない。

ただ、続いている労働災害に対する国民の批判の世論は高く、尹当選者も自ら『労働災害に対する厳正な処罰』を強調している点は、また別の考慮対象だ。尹当選者はテレビ討論会での労働災害の予防に関する公約が足りないという指摘に、「現職検事の時代、労働災害事故に対してはそのままにせず、徹底的に責任を追及した」と強調したことがある。

2022年3月22日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1035799.html