バイザッグ(インド)ガス漏えい災害タイムテーブル(2020年9月24日時点)
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バイザッグ・ガス漏えいはボパール災害ときわめて類似。インドは労働者を非難する前に証明しなければならない。-2020年5月8日 The Print
インドにおけるLGポリマーズ工場ガス 漏えい惨事に関するANROEV声明 2020/5/8
インド化学工場ガス漏洩事故で国連特別報告者「人権の強化」求める
韓国親会社・LG化学にバイザッグ災害に対し全面的な責任をとるよう要求-住民・公益擁護活動家ら 2020年5月15日/ANROEV
「事故警報もない、健康な人でも倒れた」LG化学インド惨事被害:韓国内報道まとめサイト
LGポリマーズ・インド社におけるスチレンガス漏えい事故に関するアーンドラ・プラデシュ州ハイパワー委員会報告書(2020年7月9日 )「9.0 結論」部分
IPEN(国際汚染物質廃絶ネットワーク)ジョー・ディガンジ作成の報告書の概要「アーンドラ・プラデシュ州政府の調査が安全と大規模汚染を無視したLGの無謀な製造を明かす-責任は親企業に拡張されるべき」
タイムテーブル
2020.9.15 韓国メディアが、LGの再度表明された安全公約は、致死的なスチレン漏えいに責任のあるインドにおける施設を除外していることを暴露。LGは、一時的閉鎖のためにその操業を分析することができないことから、同施設は除外されたと述べた。しかし、有毒化学物質の漏えいにつながった操業上の問題は、2つのインド政府の報告書のなかで詳しく述べられている。同社は、彼らに責任を追わせようとするインドの住民の現在の努力を、「長い闘いだ」と呼んだ。
2020.9.10 インドにおける環境法を弱体化させる環境大臣の試みを報じる記事が、LG惨事を「ボパールの記憶をよみがえられた」出来事として言及。LGの致死的なスチレン漏えいは、環境承認なしに操業している場合に、厳格な評価または合法化から産業の操業を免除することに反対する出来事として説明された。コメントを求められて「LGは、ガス漏えい事故は調査中なので、コメントできないと述べた」。
2020.9.8 LGが、世界中の全ての施設で重大な環境安全事故をゼロにする目標を掲げたプレスリリースのなかで、彼らの2020年5月の公約を重ねて表明した。LG化学CEO Shin Hak-cheolは、「環境安全を確保できなければ、われわれには未来がない」と表明した。リリースは、政府の命令によって閉鎖され、その運命が決まっていない、井戸のLGポリマーズ工場に具体的に言及してはいない。
2020.9.7 あるニュース報道が、必要な環境クリアランスが20年間以上提出されなかったにもかかわらず、アーンドラ・プラデシュ州公害防止委員会がLGに拡張許可を与えたことを指摘して、LGS惨事をインドにおける産業災害流行の一事例として強調した。報道はまた、「最近の起草通知のなかで示された新たな規範と規則は、承認プロセスにおける一般の人々の教義的役割を薄める一方で、規制の対象と要求される責任を弱めるように思われる」と指摘して、環境影響評価手続を修正しようとする試みを説明することによってLG惨事を文脈に位置づけた。
2020.8.25 労災・公害被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROEV)が、LGスチレン漏えいの健康・環境影響に関する国際オンラインセミナーを開催。パネルには、判例の諸要素と戦略について議論した健康・環境・法律専門家らとともに、自らの経験と家族を失ったことを話してくれた地元住民らも含まれた。専門家は、Dr. EAS Sarma(よりよいヴィシャカのためのフォーラム、元インド動力省・財務省書記)、Dr. Choi Yeyong(韓国・環境衛生アジア市民センター)、Ms. Lara Jesani(インド・ボンベイ高等裁判所弁護士)、Mr. Rohit Prajapati(インド・Paryavaran Suraksha Samiti)、 Dr. Paek Domyung(ソウル国立大学)、Ms. Ramapriya Gopalakrishnan(インド・ボンベイ高等裁判所弁護士)、Mr. Rohit Prajapati(インド・マドラス高等裁判所弁護士)
2020.8.19 韓国の新聞記事が、LG化学が安全事故を繰り返していることを踏まえ、同社のCEOShin Hak-cheolのリーダーシップに疑問を呈した。記事は、「世論の悪化」を指摘し、「不信のブーメラン」をもたらしている同社の安全公約を説明している。
2020.8.18 労災・公害被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROEV)が、LGスチレン漏えいの健康・環境影響に関する国際オンラインセミナーを開催。発表者には、この種の惨事の繰り返しを防止する方法について議論した健康・環境専門家らとともに、自らの経験と家族を失ったことを話してくれた地元住民らも含まれた。専門家は、Dr. Paek Domyung(ソウル国立大学)、Mr. Narsingha Rao(インド労働組合センター(CITU)州議長で地元住民でもある)、Ms. Shweta Narayan(インド・健康的なエネルギー・イニシアティブ)、Mr. N. Aditya Madhav(フリーの環境マッピング専門家)
2020.8.14 韓国のLG化学工場の火災事故で2-クロロ-N-(シアン-2-チエニルメチル)-アセトアミド-農薬合成で用いられる有毒化学物質が漏えい。2020年5月には韓国瑞山市のLG化学の触媒工場の火災事故で1人の労働者が死亡、他に2人が負傷し、韓国雇用労働部は瑞山のLG化学の化学触媒センターの安全等級を、最低レベルのM-に格下げしている。
2020.8.12 健康専門家らが、「参加型アプローチと定期的監視のための曝露者登録を伴った恒久的保健機関の設立」を含め、ビシャーカパトナムにおける長期的健康監視を勧告。
2020.8.12 著名な韓国の新聞中央日報が、インドでの致死的スチレン漏えい事故へのLG化学の対応に対してインド政府による調査、市民団体や地域住民からの批判が高まっていることを報告。記事は、LGグループ具光謨CEOの皮肉な「企業を一瞬で崩壊できるの業績ではなく、安全環境や品質事故などリスク管理に失敗した場合である」という発言を引用してしめくくっている。
2020.8.11 LG化学は2倍の利益率で投資家の期待を上回っており、「5,716億ウォン(4.83億米ドル)の営業利益という国内石油化学産業における第2四半期実績で、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)ビジネスの大きなマージンと強い成長で市場のコンセンサスを打ち負かしている」。
2020.8.11 労働・環境被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROEV)が、LGスチレン漏えいの健康・環境影響に関する国際オンラインセミナーを開催。地域住民がその経験と家族を失ったことについて話し、また、保健・環境専門家がスチレンによる可能性のある危害を説明するとともに、健康・環境の監視を勧告した。発表者には、ペク・トミョン(韓国ソウル国立大学)、アシシ・ミタル(インド・労働安全衛生管理コンサルタンシー)、バブ・ラオ(インド化学技術研究所元主任科学者)及びラマナ・ダラ(インド公衆衛生研究所(ハイデラバード))各博士が含まれた。
2020.8.6 政府の内部文書が、環境森林気候変動大臣(MoEFCC)が上級幹部の勧告にもかかわらずLGポリマーズの事業閉鎖に反対することを決定したことを示す。MoEFCC次官補ジータ・メノン女史は、「事故の規模と企業の明らかな責任を考慮して、環境保護法第5条に基づく閉鎖についての会社への指示が承認を受けるために提出されている」と述べた。どうやら同省は、アーンドラ・プラデシュ当局と全国環境裁判所によってすでにとられている諸措置を理由に、工場を閉鎖しなかった模様。
2020.8.5 惨事に関連して逮捕された12人のLG関係者全員が保釈金を支払って釈放された。どうやら、この釈放は、「警察が事件が登録されてから3か月以内に起訴状を提出し損ねたために」生じた模様。LG化学の主任代理人をしている元インド司法長官ムクル・ロハッジは、「…誰もこのようなことが起きるとは予測できなかった。工場の管理者を含む誰の側にも過失や不注意はなくまったくの事故のままである」と主張した。釈放するにあたって裁判所は、「被疑者の保釈要求が考慮されるとしたら、調査が困難になり、または行き詰まる可能性は低い」と指摘した。
2020.8.2 著名な韓国紙ハンキョレが、アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー(HPC)委員会報告書の結果に関するその論評記事の英語訳を公表、「人々に生活の糧を提供していた同じ工場が一夜にして彼らを襲う化学兵器に」。
2020.7.27 LG化学が、2019年の売り上げ246億米ドルで、世界トップ50化学企業の第11位にランク。
2020.7.25 アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー)委員会報告書の論評記事が、死亡した住民の検視結果及びなぜ死亡が引き起こされたのかに関する情報を欠いていると指摘。LGのスチレン漏えいは「漏えいの規模と人名の喪失に関して、世界におけるその種の最初のものだった」。
2020.7.24 韓国メディアJTBCがゴールデンタイムのテレビ放映で、LGスチレン漏えいの被害者と会社の不安全な製造慣行について報道。リポーターは、LGは医療支援も提供せず、連絡すらしてこないとその両親が語る、10歳の少女の死を紹介。次の報告は、アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー委員会報告書に焦点をあてて、致死的な漏えいの源になった製造から50年以上過ぎたタンクの使用を含め、会社の安全対策無視を委員会が避難していることを紹介した。
2020.7.20 著名な韓国紙ハンキョレが、アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー(HPC)委員会報告書の結果を批判的に報告し、LGの漏えいを起こしたタンクの不十分なメンテナンス、広範囲にわたる汚染や、事業の稼働や危機の管理に適切な能力をもつものをほとんど雇っていない同社の経営慣行を指摘した。皮肉なことに、LGスチレン漏えいが起こったのと同じ2020年5月7日、同社は新たなビジョン「よりよい未来のために科学を人類の生活に結び付ける」を発表した。ハンキョレは、「もし同社が事故のことを知っていたとしたら、そのビジョン発表は不適切なジェスチャーであったろうし、知らなかったとしたら、その無視のシグナルを意味するだろう」と指摘した。
2020.7.17 アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー)委員会報告書のあるレビューが、「工場における安全法令・指標の監視・遵守における大きな規制ギャップ」を指摘。レビューはまた、インド憲法のコンカレントリストに「環境」を含めるというハイパワー委員会の勧告について説明した。これは、とりわけ汚染された地域について、州がより強力な規制を提供することを認めつつ、国家基準のための中央政府による規制への扉を開くだろう。
2020.7.15 惨事との関連で12人のLG関係者を逮捕した後、警察はその拘留期限を8月5日まで延長する承認を得る。
2020.7.14 公益団体と公衆衛生活動家らがソウルで、韓国LG本社の幹部が犯罪について起訴されるべきであることを強調するデモンストレーションを実施。参加者らは、LGスチレン漏えいによって亡くなった住民の写真を掲げ、2つの著名な政府調査報告書(NGTとHPC)で明らかにされた同社の安全対策無視を指摘した。彼らはまた、韓国の第21回国会で企業殺人罪法について議論されたこと、それは致死的なLGスチレン漏えい惨事とオキシー・レキットベンキーザー加湿器洗浄剤によって引き起こされた死の両方に対処するよう実施されなければならないことを、記者に思い出させた。責任を韓国の親企業に拡張することが、このイベントの中心テーマだった。「この事故に対する責任はLGインド工場の関係者に限定されるべきではなく…韓国のLG化学本社も刑事責任を課されるべきである」。
2020.7.12 アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー)委員会報告書についての別の記事が、子供、高齢者や妊娠中の女性を含め、がんを含めたスチレンの健康影響に関する長期的健康監視の重要性を指摘。
2020.7.10 4千頁のアーンドラ・プラデシュ州ハイパワー(HPC)委員会報告書の要約のなかで、以下を含むより詳しい内容が明らかに。
・ HPCは、「過失のゆえにインドの施設に適用されてきた厳しくない基準が結果的にこの災害につながった」と言ってて、韓国とインドにおけるLGの事業の間のダブルスタンダード可能性を指摘した。
- LGのスチレン漏えいは著しい水質と土壌の汚染を引き起こした。周辺地域の井戸の「もっとも汚染されていない」水源でも、WHOガイドラインの87倍高いレベルのスチレンに汚染されていた。Narava Kota Reservoirの「もっとも汚染されていない」サンプルでも、カナダの農地基準を千倍以上違反していた。
- スチレンを漏えいしたタンク(M6)は、50年以上前に作られたもので、有毒化学物質ではなく蒸留酒を貯蔵するために設計されたものだった。HPCは、「M6タンクは、スチレンの保管のためにはあらゆる点で設計が劣っていた」と指摘している。
- HPCは、「LGポリマーズはいかなるプロセス安全管理システムももっていない」と言って、LGを非難した。委員会は、「LGポリマーズによる緊急時の対応は不適切だった」と結論づけた。
- HPCは、LGは「事故によって引き起こされた損害の補償に絶対的に責任がある」と指摘した。汚染者負担原則と予防原則により、損害に対する絶対責任は、汚染の被害者を補償するだけでなく、事故によって生じた環境の悪化を回復する費用にも拡張される。
2020.7.9 インディアンプレス紙が、LGのスタッフの資格の不十分さ、実効性のある現場緊急時計画またはスチレン蒸発漏えいに対処する戦略の欠如を含め、アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー委員会の調査によるさらなる知見を報道。委員会は、相対的に厳しくない製造基準がインドで適用されていたかもしれないという懸念も懸念も提起した。報告書は、「LGポリマーズは救助または避難活動のいずれにも加わらず、むしろ全責任を地区当局と地域社会に負わせた。サイレンが機能する状態にあり、工場の門近くを含め複数の起動地点をもっていたにもかかわらず、LGポリマーズはサイレンを起動して近隣住民に警告するのに失敗した」と指摘している。
2020.7.8 アーンドラ・プラデシュ州政府が、LG惨事との関連で、3人の政府職員を停職。工場監督官副主任KBS Prasad、アーンドラ・プラデシュ州公害防止委員会(AP PCB)ゾナル事務所(ビシャーカパトナム)の環境技術者R Lakshmi Narayana及びAP PCB)地域事務所(ビシャーカパトナム)の環境技術者P Prasada Raoである。ある警察官は、「MoEF&CCによるEIAクリアランスをもっていなかったことを含め、LGポリマーズが多くの規範を無視して操業してきたことから、彼らの役割が精査されることになった」と指摘した。以前の調査から、連邦政府の環境クリアランスをもっていないにもかかわらず、州政府がLGの操業を許可したことが明らかになっていた。
2020.7.8 警察が、惨事との関連で、12人のLG関係者を逮捕。社長兼CEOのSunkey Jeong(韓国人)、技術部長D S Kim(韓国人)、運営部長P P C Mohan Rao、スチレン監視の責任者K Srinivas Kiran Kumar、製造チームリーダーRaju Satyanarayana、技術者C Chandra Shekar、K Gowri Shankara Ramu、K Chakrapani、操作者M Rajesh、夜間運営担当者P Balaji、担当保安係S Atchyut及び担当保安係(夜間)K Venkata Narasimha Patnaikである。具体的嫌疑には以下が含まれる。セクション304第2部(殺人に相当しない過失殺人)、278(大気の健康有害化)、284(有毒物質に関する過失行為)、285(火災または燃焼に関する過失行為)、337(生命または個人の安全を危険にさらす行為による損害の発生)、及び338(生命または他者の安全を危険にさらす行為による重大な損害の発生)。
2020.7.7 アーンドラ・プラデシュ州ハイパワー委員会が州政府に対して、LG惨事に関する4千頁の調査報告書を提出。報告書は、惨事の根本原因には、「タンクの不十分な設計、不十分な冷却と欠陥のある冷却システム、循環・混合システムの欠如、不十分なプロセス安全管理システムと緊急対応手順の完全な機能停止」が含まれると指摘している。4月に漏えいが起こりそうな兆候があったのだが、報告書は、「同社がそれを警告信号と受け取り、是正対策がとられていれば、惨事は回避することができた」としている。委員会は、現在の所在地で「いまのかたちで機能することを同社に許すことはできない」とはっきりと結論づけた。LGは、ロイターのコメントの求めに 応じなかった。
2020.6.30 労災・公害被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROEV)が、「ボパール惨事や他の事件で起こったように、彼らは責任を回避し、帰ってこない可能性がある」という懸念を引用して、LG関係者が韓国に帰国するのを許した裁判所の決定を非難。ANROEVは、韓国のLG関係者は、全国環境裁判所の報告書が惨事の責任を同社に負わせた後、そして、アーンドラ・プラデシュ州による調査報告書の来たるべき発表の直前に、インドを離れようとしていると指摘する。「LGの韓国人関係者は、彼らの会社の汚染の環境・健康影響を監視するための長期的措置を言明しなかった。その代わりに、彼らは、政府の調査が終わろうとしているときに、インドから逃げた」。
2020.6.30 労災・公害被害者の権利のためのアジアネットワーク(ANROEV)が、「その安全上の失敗の調査を回避し、自らが引き起こした惨事に対する補償の支払いを逃れるために、LGは精力的な努力をしてきた」と指摘して、惨事の後のLGの行動を要約。
- LGは、惨事の調査から全国環境裁判所を取り除く努力において最高裁判所に請願するために、元インド司法長官を雇った。
- LGは、補償と復旧のための5千万ルピー(約660万米ドル)のの暫定罰金支払をやめさせようとした。
- 惨事から1か月以上たっても、LGは、州政府の調査委員会の質問に答えていない。
- LGがホットライン電話番号だと称するところに何度も電話したある地元住人は、誰も応答しなかったと指摘した。
- LGはまた韓国メディアにおいて、地元の住人らに食料を配給していると主張した。しかし、州政府がすでに、COVID-19ロックダウンと闘っている出稼ぎ労働者に食料を配給していた。地域の住民らは、LGからではなく、州が管理する食料供給から食料を受け取った。
- LGは、Suraksha病院が「すべての住民の健康チェックと今後の治療を受け持つ」と主張した。しかし、地域住民の経験は、最初の診察は無料だったが、LGガス漏えいによるその後のすべての治療は被害者が支払わなければならなかった。
2020.6.25 アーンドラ・プラデシュ高等裁判所が、韓国LG[化学]スタッフはインドから退去できると判決。LGの法的代理人ムクル・ロハッジは、「規制されてもいないし、実現可能でもない」と言って、彼らはいかなる将来の調査においてもインドに現れることを求められるべきではないと主張した。裁判所は同意せずに、彼らがあらゆる調査上の問い合わせに回答するとともに、裁判所に求められたときにはインドに現われることに同意すると言明した宣誓供述書を提出する場合に鍵って、韓国スタッフの出発を認めた。
2020.6.23 LG本社から来た韓国人らが、インドから離れることを許されないと苦情を言って、アーンドラ・プラデシュ高等裁判所に請願書を提出。州は、彼らからの情報は調査にとって重要であり、彼らがインドを離れるのであれば、調査の目的のために求められたときにはインドに戻ると言明した宣誓供述書を提出すべきであると主張している。高等裁判所はこの問題に対する判決を遅らせた。皮肉なことに、6月中旬にLGの法的代理人ムクル・ロハッジは最高裁判所に対して、「われわれは逃げようとしている犯罪者ではない」のだから、韓国の代表は戻ってくるべきだと話した。
2020.6.20 LG惨事における金融部門のずさんな監視が果たした役割に関する記事が現われる。LG化学の長期借入先には、スタンダードチャータード銀行、BNPパリバ、ING、みずほ銀行、バンクオブアメリカ、中国銀行、HSBCやIDBI、ICICIなどのインドの銀行が含まれる。これらの多くは、「社会に対する肯定的及び否定的影響」を判定する措置を要求している国連責任銀行原則の署名者である。
2020.6.20 国立環境工学研究所(NEERI)が、LG工場近くに所在するメガドリゲタ貯水池の水に安全信号を与える。しかし、当局者は別の検査を実施する計画を発表。
2020.6.20 ビシャーカパトナム県長官Vヴィネー・チャンドが、LG惨事の結果として、石油・石油化学産業に3か月ごとに安全訓練を実施するよう指示。この措置には、全国環境裁判所がLGの主要な失敗のひとつとして挙げた、地域社会の緊急避難訓練は含まれていない。チャンドはまた、貯蔵、製造工程及び安全管理に関する詳しい情報を提供する、使用者に対する新たな要求事項も発表した。
2020.06.17 LG惨事を調査するためにアーンドラ・プラデシュ州政府によって設置されたハイパワー委員会が、LGはいまだに委員会からの質問に答えていないと発表。州政府は、「われわれ全員がそれは事故でなかったことを知っている。スチレン漏えいは一連の安全対策の失敗の結果だった」と指摘して、本惨事を事故と呼ぶことに反対している。
2020.06.15 LGが最高裁判所に対して、補償と復旧のための5千万ルピー(約660万米ドル)の暫定罰金の支払いを中止するよう請願。LGはまた同裁判所に、同社の安全対策に批判的な全国環境裁判所(NGT)の報告書に異議を申し立てるつもりだと通知した。最高裁判所はLGの罰金の使用を10日間遅らせることを命じたが、NGTの命令に対する「実質的な異議申し立てはなされていない」と指摘した。LGはまた同裁判所に、工場の封鎖を解除し、会社幹部にパスポートを返却するよう求めた。LGは、「われわれは逃げようとしている犯罪者ではない」からパスポートは返却されるべきだと述べた。最高裁判所の対応は「われわれは何も言わない…」であり、これら及びその他の問題をアーンドラ・プラデシュ州高等裁判所に戻すとともに、ガス漏えいはLGの責任だと指摘して、よく週末までの決定を命じた。元インド司法長官Mukul Rohatgiが本件でLGの代理人を務めた。
2020.06.14 住民らが政治指導者やニュースメディアに汚染された地下水を示し、LGは地域社会に有害化学物質の使用についても避難措置についても知らせたことがないと指摘して、中央捜査局によるこの惨事の調査を要求した。
2020.06.13 5月28日の全国環境裁判所の結論を引用した、LGの安全対策に批判的な最初のニュース記事が韓国で現れる。LG化学はこの批判的なインド政府の報告書に反応していないが、そのスチレン漏えいと追加的な支社との因果関係には疑問をもっており、「責任ある態度をとっている」と主張している。同社は住民は会社が操業を続けることを望んでいると示唆するが、地元の住民らは「6月7日に州政府が主催した会議で、すべてのサバイバー、住民、及び政党は満場一致でLG工場が出ていくよう要求することに同意した」。
2020.06.10 LGが環境認可を受けていなかったとしても同社を許可するよう州に勧告した、Vivek Yadavなどをメンバーに含む、調査員会としてのアーンドラ・プラデシュ州ハイパワー委員会に対する批判が現れる。「これではAPPCB[アーンドラ・プラデシュ州公害防止委員会]が自らを調査しているようなものだ。それは調査の客観性に疑問を生じさせる」。
2020.06.09 6月8日Kadali Satyanarayan(58歳)、6月1日Yelamanchili Kanaka Raju(45歳)、5月29日Pala Venkayamma(73歳)を含め、LG惨事と関係しているとされる新たな死亡者に関する報告が現れる。
2020.06.08 産業界の専門家らが、ベストプラクティスはガス漏えいを防ぐためにタンクのちゅかんレベルからスチレン重合の化学阻害剤を注入することを義務付けていると指摘。しかし、LGのタンクは2019年に化学部室を底から注入するように変更されて、タンクの上部での反応のリスクとスチレン漏えいの可能性があった。LGは「工場局を含め関係当局からの承認なし」に変更を行った。
2020.06.08 LG惨事を調査している政府のハイパワー委員会が、同社や影響を受けた村の住民及び政治指導者らと面会。委員会議長Neerabh Kumar Prasadは、専門医師による住民の定期的健康チェックが実施されることを約束。
2020.06.05 LGスチレン漏えいによって影響を受けた地域であるバイザッグにおける抗議は、150人以上が[地元警察に]逮捕されて終了。韓国でのイベントにバーチャル参加して話をした地域住民Raoは新聞記者に対して、「多国籍企業の過失のためになぜわれわれが逮捕されなければならないのか」と尋ねた。
2020.06.05 労災・公害被害者の権利のためのアジア・ネットワーク(ANROEV)が、LGが「責任をとる」よう要求して、[世界]環境の日の行動にアジアの諸団体が参加するよう組織。
2020.06.05 8団体が、この惨事を「もうひとつのボパール」と呼び、LGが完全な責任をとることを要求して、ソウルのLG本社前で記者会見を開催。
2020.06.03 全国環境裁判所が、LGは惨事に完全な責任があると言明。この法的機関は、復旧計画の策定を命じ、その暫定的罰金に対するLGの見直し[要求]を却下し、必要な許可なしに同社が操業することを許可したことに責任のある者を特定して、適切な措置をとるよう州政府当局者に命じた。
2020.06.02 IPENが、168頁に及ぶ全国環境裁判所報告書の結果を要約し、それがどのように安全の無責任の過失を確認しているか指摘している。要約はまた、LGに完全に責任をとらせるよりも政府補償を容認、LGが自ら起こした事故のリスクアセスメント調査をすることを信頼、おそらくヒトに発がん性のある物質に高レベル曝露した人々に5年間という短期間だけのがん監視の提案、親企業であるLG化学の責任の無視を含め、欠点も指摘している。
2020.06.01 政府のある調査が、LGスチレン漏えいは作物を消費に適さないようにする損害を与えたことを確認。
2020.05.28 全国環境裁判所調査委員会が、「甚だしい人為的失敗」と呼んで、会社の安全軽視を厳しく批判した報告書を発表。報告書の主要な結果は以下のとおり。
- 警報もなく、800トンのスチレンが老朽タンクから漏えい。周辺住民は会社員ではなく警察に有毒ガスの漏えいを警告。
- 「過失の明確な事例」を反映して、タンクの内部及び上部に温度センサーが存在していなかった。
- 「このような事態は予測されたことがなかった」ことから、蒸気損失のための自動スプリンクラーは存在していなかった。
- 重合阻害及び排出のために用いられる化学物質は、「現場にストックがなかった」ことから、2020年4月1日以降追加されてなかった。
- いったんスチレン温度が52℃超に上昇したら、通常の化学阻害剤は効果がないが、「LG化学はこの可能性を考慮したことがないようだ」。
2020.05.28 BBCが、工場局による政府監督報告書が「工場内の保守の不十分さの証拠」を示していると報道。
2020.05.28 LGポリマーズのある元労働者がBBCに対して、有毒化学物質の漏えいを知らせる緊急警報[サイレン]は長い間機能していなかったと話す。「われわれは監督があったときにこの問題を指摘したが、役員は笑い飛ばした」。
2020.05.27 市警察が、韓国に向けたチャーター便手配の準備をしていたLG役員がインドを離れるのを止める。
2020.05.26 LG化学が韓国で、7月末までにその40製造工場(韓国内17、国外23)を査察すると述べた声明を発表。同社は、「環境安全を確保することが困難な場合には継続中の事業を撤退させるだろう」と主張。
2020.05.24 アーンドラ・プラデシュ州高等裁判所が、州政府にLGポリマーズの施設を差し押さえるよう命じるとともに、同社の幹部がインドを離れることを禁じる。同裁判所は、影響を受けやすい区域を工場から6.3kmに拡大するとともに、この区画内にはいくつもの病院、教育機関、礼拝場、鉄道駅や空港があり、ひろい居住地域も含まれることを指摘。
2020.05.19 韓国の環境部と労働部が瑞山のLG化学触媒センターの安全ランクを最低のM-に格下げ。
2020.05.19 韓国瑞山のLG化学触媒工場の火災により1人の労働者が死亡、2人が負傷。
2020.05.19 LGが、本惨事の原因を調べる調査委員会の数を減らすようインド最高裁判所に請願するために、元インド司法長官ムクル・ロハッジを雇う。LGは、災害の調査から全国環境裁判所を外すよう、最高裁判所に要求。
2020.05.18 LGが、LGポリマーズ工場に残るすべてのスチレンの除去を完了し、韓国に発送。
2020.05.17 LG惨事を調査している全国環境裁判所が、「工場の責任者と貯蔵タンクの保守要員の甚だしい人為的失敗と過失」を確認した、中間報告を発表。
2020.05.16 ガスの雲と逃げようとしてくずれ落ちる人々を映した、LG惨事のCCTV映像が判明。
2020.05.15 労災・公害被害者の権利のためのアジア・ネットワーク(ANROEV)が、LGが事故について完全な責任をとるよう要求している被害地域の2人の住人を含めた、バーチャル記者会見を開催。
2020.05.15 3人の州政府の調査員が、スチレン漏えいのありそうな原因として、冷却システムが詰まったことによるスチレン貯蔵タンク内の温度の急上昇を確認。
2020.05.14 アーンドラ・プラデシュ州政府がLGポリマーズと、工場に残っている13,000トンのスチレンを韓国に送るために移動することを手配。
2020.05.14 国連の特別報告者バスク・トゥンジャクが、「インドの罪のない労働者と地域社会に恐るべき被害をもたらした、化学産業におけるもうひとつの回避することのできた災害であり、世界中でッミニ・ボパール化学災害が衝撃的な規則性をもって広がり続けていることを思い起こさせるものである」と指摘した声明を発表。
2020.05.14 「状況を解決し、リアルタイムの救済・リハビリ措置を支援」するために、韓国のLGから技術チームがインドに到着。
2020.05.13 アーンドラ・プラデシュ州公害防止委員会[ポリューション・コントロール・ボード]副委員長Vivek YadavがAP通信に対して、同機関が、LGに対して罰金を科すか、または連邦政府の環境認可を受けるまで許可を認めないことができたのに、しなかったと暴露されたことに対して「問題を詳細に調べている」と話す。
2020.05.13 LG化学のスポークスマンChoi Sang-kyuがAP通信に対して、2019年の宣誓供述書は「今後法律を遵守するという誓約であって、いかなる違反を認めたものでもない」と話す。APは、同社は2006年から2018年の間に5回その操業を拡張したが、必要とされる連邦政府の環境認可を受けたことは一度もないと報道。LGの宣誓供述書は、「現在も私たちの業界は、操業継続のための、所轄官庁から発行された、製造品質を立証する有効な環境認可[クリアランス]もっていない」と言明。
2020.05.11 Sagar Dhara(国連環境計画[UNEP]とインド政府のコンサルタント)とK Babu Rao(インド技術研究所)が書いた記事が、タンク内の温度が上昇しはじめてすぐにLGが警報を鳴らし、また住民が緊急時対応の訓練を受けていれば、「12人の死亡は避けることができ、傷害も最小にすることができた」と指摘。
2020.05.11 LGが、同社は「義務的なインド政府による環境認可なしにそのポリスチレン工場を操業していた」とする英ガーディアン紙の記事に対するコメントを拒否。
2020.05.11 アーンドラ・プラデシュ州森林科学研究所が、LGポリマーズのスチレン貯蔵タンクが必要とされる20℃以下に維持されていなかったと断定。
2020.05.09 LGポリマーズ周辺住民の間で、会社役員を取り締まり、工場を再開させないことを要求して、抗議が噴出。
2020.05.08 LG化学が、その韓国の英語版ウエブサイトに、「状況に対処し、将来の事故を防ぐために最善を尽くす」ことを約束する、謝罪を発表。
2020.05.08 人権フォーラムが、LG経営陣と規制当局者の過失に対する刑事訴追を要求。
2020.05.08 労災・公害被害者の権利のためのアジア・ネットワーク(ANROEV)が、企業の説明責任の必要性を強調した、LG惨事に対する声明を発表。
2020.05.08 全国環境裁判所[ナショナル・グリーン・トリビューナル]がLGポリマーズに対して、「生命、公衆衛生及び環境に対する損害」について5千万ルピー(約660万米ドル)供託することを命じるとともに、惨事を調査するための委員会を設置。
2020.05.07 インドの警察がLGポリマーズに対して、不法殺人と過失の申し立てを提出[告訴?]
2020.05.07 アーンドラ・プラデシュ州ヴィシャーカパトナムの、韓国のLG化学が所有するポリスチレン製造工場であるLGポリマーズから近隣住宅地域に有毒なスチレンガスが漏えいし、14人死亡、数百人が病院に運ばれるとともに、数千人の不安な避難を引き起こす事態となった。
2020.01.08 LGポリマーズの環境衛生安全ニュースレターが爆発によるリスクに注意を促すも、同工場の主要な化学物質で爆発性のあるスチレンへの言及はなし。
2019.05.10 インドのLGポリマーズは、「現在も私たちの業界は、操業継続のための、所轄官庁から発行された、製造品質を立証する有効な環境認可[クリアランス]もっていない」とした宣誓供述書を認める。環境認可は創業に必要な連邦政府による許可である。
2019.05.08 韓国環境部がLG化学が環境汚染物質排出データを改ざん、偽造さえしていたことをつかむ。
1997.07 LG化学がヒンドゥスタン・ポリマーズを買収してLGポリマーズに名称変更。
LG化学は、世界トップ10の化学企業のひとつである。同社は、韓国内の11製造施設に加えて、中国、インド、ポーランド、アメリカ及びベトナムに工場をもっている。その事業領域には、石油化学製品(ポリスチレン、ポリオレフィン、PVC、可塑剤、ABS、ゴム、アクリレート、SAP、特殊ポリマー)、バッテリー(自動車及びその他)、先端材料(自動車、IT及び工業)及び生活化学製品が含まれる。LG化学は、LGグループ70社のひとつである。2019年にLGグループは従業員25万人、売上高1,372億米ドルであった。
IPEN(国際汚染物質廃絶ネットワーク)
上級科学技術アドバイザー、ジョー・ディガンジ作成
https://ipen.org/news/timeline-lg-tragedy-india