アメリカ:アスベスト使用を報告する歴史的な要求事項を歓迎-Asbestos Disease Awareness Organization(ADAO), USA, 2022.5.5

教育、アドボカシーと・コミュニティ活動を通じてアスベスト曝露の防止に取り組む独立的非営利団体であるアスベスト疾患啓発機関(ADAO)は今日、長く求められていた、有害物質規制法(TSCA)第8条に基づき産業界にアスベストの輸入、使用と曝露について報告を義務づける環境保護庁(EPA)による「アスベスト知る権利」提案を称賛する。

この提案は、TCSA第21条に基づいてADAOとそのパートナーらによって行われた30年近い闘いを終わらせた、画期的な2021年6月7日のEPAとADAOの間の和解合意を実施するものである。

ADAO代表で共同創設者でもあるリンダ・レインステインは、「この提案は、EPAのアスベストに対する取り組みが、アスベスト及びアスベスト含有製品を輸入・使用する企業から入手することのできる最善の情報に基づいていることを確保するための、われわれの数年にわたる努力の結果である」と述べた。「アスベスト業過による報告義務の欠如は、この致死的な発がんへの物質からアメリカ人を守るためのEPAの努力にギャップをもたらす抜け穴であり続けてきた。われわれは常に、EPAと人々が、アスベストがどこにあり、どのように使用され、誰が曝露しているのか知らなければ、アメリカ人を守ることはできないと言ってきた」と、彼女は続けた。

ADAOとその仲間の請願者らは、アスベストに関する深刻なデータギャップを埋めるために、TSCAに基づく報告を義務づけることを求めた2018年の請願をEPAが拒否した後に、EPAを提訴した。2020年12月22日、チェン判事(N.D.カリフォルニア)は、請願の却下は、「TSCAのもとでの規制義務に情報を与え、促進するために合理的に入手可能な情報を収集するEPAの義務に反する」と判示した。チェン判事はEPAに、「[EPAの]情報集の不備に対処」するために、TSCAに基づき報告を義務づけるよう命じた。

ADAOとその仲間の請願者らは、和解合意及びチェン判事の決定に沿って、今回の提案は以下に関する報告を義務づけるものである。

  1. 原料アスベストの輸入・使用
    2 .アスベスト含有混合物・製品の輸入・使用
  2. 原料アスベスト、アスベスト含有混合物・製品の加工
  3. (タルクを含め)その他の物質・混合物中のアスベスト汚染の存在

「EPAが最近提案した第1部リスクマネジメント規則はクリソタイル・アスベストの6つの使用条件を禁止するものの、他の5つのアスベスト繊維やクリソタイル・アスベストの他の継続的使用には対処していない」と、ADAO顧問のボブ・アスマンは言った。「この報告規則は、こうした深刻なギャップを埋めるのに役立つ重要な情報を得ることができ、EPAがアスベスト第2部リスクマネジメント規則の適用範囲を拡大することを可能にする」。

EPAとADAOの間の別の和解合意に基づき、報告規則のもとで得られた情報は、第2部リスク評価及びその後の[リスクマネジメント]規則制定において、考慮されることになるだろう。

ADAOは、報告規則案をの詳細な検討を継続し、強化するための多数の変更を提案する意見書を提出する計画である。ADAOはまた、EPAに対する意見書のなかで、規則の有効性を高めるために、EPAが以下のことを行わなければならないことを強調する予定である。

・報告すべき情報をもっているかもしれない部門・関係者へのアウトリーチを実施する。

・人々がアスベスト使用・曝露に関する情報を完全に知ることができるように、提出された報告を速やかにEPAのウエブサイト上に公表する。

・インターネット上、店舗や輸入記録でアスベスト含有製品を探すことにより、報告義務の遵守を検証する。

この訴訟の共同被告としてADAOに加わったのは、米国公衆衛生協会(APHA)、環境保健センター(CEH)、環境衛生戦略センター(EHSC)、環境ワーキンググループ(EWG)と安全な化学物質と健康な家族(SCHF)である。

EPAは、規則案に対するパブリックコメントを受け付け、和解合意にもとづきEPAは、2022年11月18日までに報告規則を確定させなければならない。

http://www.ibasecretariat.org/lka-asbestos-update-ukraine-2022.php

本ウエブサイト上の「アスベスト禁止をめぐる世界の動き」関連情報