壁の上に書く-2022.3.24 ローリー・カザンアレン(アスベスト禁止国際書記局(IBAS))

1961年、ジョン・F・ケネディ大統領がキューバ製品の輸入を制限する大統領令に署名したとき、父の好きだった葉巻の米国内での販売は違法になった。粗悪な製品を受け入れることを拒否して、彼は一晩で禁煙に踏み切った。この決断が父の命を長らえさせたことは間違いなく、私は父に心から感謝している。

現在、西側の制裁は、ロシア産アスベストを販売する企業が生き残ることを困難にしている。ロシアの年間生産量の60%を占めるクリソタイル(白)アスベスト鉱山を所有するオレンブルグ・ミネラル社は、デリバリーチェーンに深刻な障害が発生し、現在は中国とそこからラオス、カンボジア、タイへの鉄道輸送しかできないと発表した。

ロシア第2位のアスベスト生産者ウラルアスベストは2022年3月21日、2021年に多額の貿易利益があったにもかかわらず、今年は配当を行わないことを決定したと明らかにした。翌日、ウラルアスベストは、ロシア政府に対して、アスベスト輸出のハードルを越えるための支援を要請したと発表した。。税制優遇や政府融資のほか、ウラルアスベストは、「制裁に加わっていない国の港に物流ハブを設置するための支援…」が必要だとしている。

ロシがウクライナに侵攻するずっと以前から、ロシアのアスベスト業者は、自国からアスベスト被害を根絶しようと望む市民活動家、労働組合員、政治家、市民や消費者に対する戦争を行ってきた。

インド、インドネシアやスリランカのアスベスト・セメント工場の機械が停止しているいまこそ、これらの企業が人命を危険にさらすことなく、環境を汚染しない、持続可能な代替技術を採用する絶好の機会ではないだろうか。そうすることによって、すべての人々の生活を向上させるという大きな責任を果たすことになる。

私の父が喫煙を決断して寿命を延ばしたように、アスベストを放棄する決断は、その国を将来の世代にとってより安全にするだろう。ロシアはもはや、アスベストの束縛を解こうと希望する国を脅迫することはできない。いまこそ、すべての国がアスベストのない未来を受け入れるべきときである。

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