「すべての労働者が必須であり、COVID-19から守られなければならない、何があっても」-国連人権専門家ら 国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR) 2020.5.18

ジュネーブ(2020年5月18日)- 各国が コロナウイルス・パンデミックによる最近の制限を緩和しはじめていることから、国連の人権専門家らは各国政府とビジネスに対して、すべての労働者がCOVID-19への曝露から守られるよう要求した。

「使い捨てにしてよい労働者はいない。国やビジネスがどのようなカテゴリーを当てはめようが、すべての労働者が必須である。すべての労働者が、職場において、lコロナウイルスを含めたハザーズへの曝露から守られる権利をもっている。
われわれは、多くの国や経済部門で、感染のピーク期間中に多数の第一線労働者が適切な保護を与えられていなかったことに関心をもっている。そして、政府が制限を緩和しつつあり、労働者が労働に復帰しつつある中で、われわれは各国とビジネスに対して、すべての労働者を守るための予防・警戒措置を確保するよう求める。

われわれはまた、インフォーマル部門や「ギグ」エコノミーの者はもちろん、低収入、少数派、移住者、高齢者や既往の健康問題を抱える者、女性である労働者に提示されている不均衡なリスクにも関心をもっている。

われわれは政府とビジネスに対して、必要なセーフガードが実施されているようにするために、労働組合その他労働者の代表と協力するよう求める。

2019年の国際労働総会におけるわれわれの要求を踏まえて、われわれは、国際労働機関の基本的権利及び原則として、安全で健康的な労働に対する権利を含めた問題に関する議論が進んでいることを歓迎する。しかし、ILOが安全で健康的な労働を認めることは長い間遅れており、われわれは同機関の理事会に対して、さらなる遅れなしに、その他の国際的に認められた人権とともにこの権利を認めるよう求める。すでに確立された労働権の解体によることを含め、弱い立場にある労働者に、リスクにさらされることになる状況を維持する以外選択肢がほとんどない状態を強いることは、ILOによれば、一種の強制労働であり得る。

われわれは、医療、食料、水、衛生用品、その他必要な品物やサービスを提供している、このパンデミックの最前線にいる労働者に対する尊敬と称賛、そのようなサービスのなかで愛する者を失った家族に対する哀悼の意を表明する。

今日のわれわれのメッセージはシンプルだが、きわめて重要である。すべての労働者が守られなければならない、何があっても。」

編注:
2019年の人権理事会の決議は各国とビジネスに対して、有害物質に対する労働者のよりよい保護を求めるとともに、これに関する一連の原則の実施を促している。
2019年のILO100周年の間に国連の人権専門家らはILOに対して、その他の国際的に求められた人権とともに、安全で健康的な労働に対する権利をその基本的権利及び原則のひとつとして認めるよう求めた。

[専門家のリスト-省略]

https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25892&LangID=E