【ハラスメント防止に職場でどう取り組むか?】職場ハラスメント・暴力のリスクアセスメント・サンプルツール-カナダ雇用・社会開発省(ESDC)(2021.2.2)

使用者のハラスメント防止義務

2021年1月1日から、連邦政府の規制下の産業または職場で働く使用者は、以下のことをしなければならない。
・職場ハラスメント・暴力の定義を理解する。
・方針委員会、職場委員会または安全衛生代表とともに、職場ハラスメント・暴力防止方針を策定する。
・職場ハラスメント・暴力のリスクを評価する。

職場ハラスメント・暴力の定義

カナダ労働法典第2部によれば、ハラスメント・暴力とは、「何らかの規定された行動、行為または言説を含め、従業員に不快感、屈辱感または他の身体的または心理的傷害または疾病を引き起こすと合理的に予期することのできる、性的な性質ものを含めた、あらゆる行動、行為または言説」を意味している。[労働法典第2部 労働安全衛生 第122条(1)による定義であり、職場ハラスメント・暴力防止規則は特別な規定を定めてはいない。]

これには、セクシャルハラスメント、性的暴力及び家庭内暴力を含め、あらゆる種類のハラスメント・暴力が含まれる。
[以下-多数の事例の紹介-省略]

新しい職場ハラスメント・暴力防止方針に含めるべき内容[省略]

職場ハラスメント・暴力のリスクの評価

以下とともに、職場リスクアセスメントを実施することを求められる。
・事業者の労働者が19人以下であれば、安全衛生代表
・事業者の労働者が20人から299人であれば、職場委員会
・事業者の労働者が300人以上であれば、方針委員会

職場のハラスメント・暴力のリスクを評価する方法については、手引きとして職場リスクアセスメント・サンプルツール(後掲)を参考にされたい。

リスクアセスメントを方針委員会とともに実施した場合には、結果を職場安全衛生委員会に報告しなければならない。

記録の保存

職場におけるハラスメント・暴力の発生ごとに記録を保存するとともに、毎年「労働プログラム」[連邦雇用・社会開発省の機関]に報告する。

労働安全衛生遵守違反

「労働プログラム」は、法典の一部として、遵守[コンプライアンス]方針に従っている。これには、遵守違反に対する以下のような対応が含まれる。
・助言
・自主的遵守の保証
・指示
・正当な理由がある場合には、起訴

従業員に対する情報提供と訓練及び自ら訓練に参加/職場における尊敬の念/発生した場合の解決[省略]

https://www.canada.ca/en/employment-social-development/programs/workplace-health-safety/harassment-violence-prevention.html

防止関連の詳細な情報

職場ハラスメント・暴力防止規則」(SOR/2020-130)に基づき、使用者は、該当するパートナー[労働者数に応じて定められた労働者代表]とともに、職場ハラスメント・暴力のリスク要因の特定と防止措置の策定・実施からなる職場アセスメントを実施しなければならない(第5条(1))。

リスク要因の特定は、以下を考慮して行わなければならない(第8条)。
(a)職場の文化、状況、活動及び組織構造
(b)職場ハラスメント・暴力を引き起こす可能性のある家庭内暴力などの、職場外の状況
(c)職場ハラスメント・暴力に関連するすべての報告、記録及びデータ
(d)職場の物理的設計
(e)職場の心理的安全衛生を保護するために実施済の諸措置

特定されたリスク要因に対して、「実行可能な限りにおいて」、(i)リスクを緩和及び(ii)リスクを生み出しも増加もさせない防止措置とその実施計画を策定・実施しなければならない(第9条)。
使用者と該当するパートナーは、職場アセスメントの正確さを共同で監視し、必要な場合には、特定されたリスク要因及び策定・実施された防止措置の有効性に関わる変化を含め、アセスメントで設定された情報の変化を反映させるために更新しなければならない(第5条(2))。

また、職場ハラスメント・暴力発生の通知がなされ、かつ、(a)発生が解決されないまま被害者が解決手続を終了した場合、または、(b)加害者が使用者・労働者以外(第三者)である場合には、職場アセスメントを共同でレビューし、必要な場合には更新しなければならない(第6条(2))。

さらに、上記のレビュー・更新が行われたにもかかわらず、非常に同じ問題が関わる別の事象が発生し、またもレビュー・更新が必要な場合には、それらの事象は同じレビュー・更新で合わせて対処されるかもしれない(第6条(3))。

解釈・方針・ガイドライン」(IPG-104)から、重要と思われる情報を防止対策を中心に追加する。

どのような外部リスク要因を考慮しなければならないか?

労働者が曝露するかもしれない外部リスク要因のいくつかの例には、以下が含まれる。
・顧客を相手にする仕事
・とくに一人作業時や夜間に一般の人々を相手にする仕事
・以下のような、家族または家庭内暴力
・仕事中に繰り返し電話やメールを送って労働者を妨害すること
・労働者の職場に現われ、(彼女/彼はどこにいるか、誰と一緒か、いつ戻るかなど)労働者について同僚にしつこく聞くこと
・請負業者や下請け業者など、第三者労働者と一緒に働くこと
・上記以外の第三者と一緒に働くこと

職場アセスメントをどのように行うことができるか?

どのように職場アセススメントを決めるのはあなた次第である。職場リスクアセスメント・サンプルツールは、職場ハラスメント・暴力の原因となるリスク要因を特定するのを助ける。
職場アセスメントのその他の側面には、以下が含まれるかもしれない。
・労働者・経営陣質問用紙または調査
・退職時インタビューを含め、労働者・経営陣インタビュー
・職場の物理的調査
・内部事象/申し立ての測定
・人権報告書を含め、過去の政府・使用者報告書の評価/レビュー
・労働者の安全衛生に関連した調査/検査
・資格のある労働安全衛生専門家または適当な場合には保安専門家によって行われる評価

職場アセスメントのレビュー・更新[加害者が第三者である場合も要件のひとつ]の目的は何か?

このレビュー・更新の目的は、発生の通知が根拠があるかどうかを決定することではなく、以下のとおりである。
・初回職場アセスメントが行われたときに見逃され、発生につながったかもしれないリスク要因を特定する。
・実施されている防止措置が職場におけるハラスメント・暴力のリスクを適切に緩和・最少化しているかどうか評価する。
・現行の防止措置が適切でなかった場合、同様のリスクを根絶または最少化するための新たな防止措置を策定する。

発生した事象が解決されないまま被害者が解決手続を終了した状況において、職場アセスメントの共同レビュー・更新をどのように実施するか?

すでに使用者または相談受付担当者に提供されている情報に依拠すべきである。また、以下のいずれかが存在する場合には、考慮すべきである。
・(例えば組織全体に内在する人種差別や性差別など)組織全体に内在する諸問題
・行動パターン
・発生事象の解決に対する障害
例えば、使用者は、過去に受け付けた通告に関連した職場アセスメントのレビュー・更新を参考にすべきである。
このプロセスには、加害者・証人にインタビューすることが含まれるかもしれない。また、適当な場合には、(保安専門家や差別問題専門家など)必要に応じて専門家に相談することも含まれるかもしれない。

職場ハラスメント・暴力の原因になり得るリスク要因には、以下が含まれ得る。

〇顧客(第三者)の特徴
一定の特徴を示す顧客相手の仕事は、労働者をハラスメント・暴力の相対的に大きなリスクにさらす可能性がある。これには、以下の者を相手にする仕事が含まれ得る。
・例えば、ショックを受けまたは怒っていてもっとも身近な人に暴力をふるうかもしれない顧客(またはその親族)など、システムに不満をもつ一般の人々
・暴力の経歴がある顧客
・メンタルヘルス問題、感情障害または(脳震盪など)脳傷害のために自らの行動をコントロールできない顧客
・人種差別、性差別、同性愛差別、トランスフォビア、能力差別、外国人差別、イスラム恐怖症または他の差別的態度及び/または行動をとる顧客
・薬物またはアルコールの影響を受けているかもしれない顧客

〇物理的労働環境
一定の労働環境・職場設計は、ハラスメント・暴力につながるかもしれない追加的リスクをもたらす可能性がある。これには、以下が含まれ得る。
・(例えば孤立した受付、洗面所、倉庫、ユーティリティールームなど)一人、少人数または孤立した場所や人通りの少ない場所で働くこと
・(例えば居宅訪問など)地域に密着した環境で働くこと
・モバイル(移動可能)な職場であること
・顧客がみえにくい地域で働くこと
・窮屈な、労働者が他の労働者または顧客と近い距離で仕事をすることを求められる場所で働くこと
・騒音レベルの高い環境で働くこと
・必要な個人保護具なしに働くこと

〇労働活動/文化
・一般の人を相手にする仕事
・金銭、処方薬または高価な品物の取り扱い
・(例えば受刑者を相手にする刑事司法制度の労働者など)不安定または気まぐれな人を相手にする仕事
・アルコールが提供される施設での仕事
・人種差別、性差別、同性愛差別、能力差別またはその他差別的態度・行動を容認または促進する環境で働くこと
・多様性のない環境、または人権法令の対象とされるグループに属する非常に少ない人数の環境で働くこと
・権力が誤用または濫用される環境で働くこと

〇職務要因
職務の精神的・身体的要求など、職務に特有な側面が、ハラスメント・暴力につながるかもしれない追加的ハザーズをもたらす可能性がある。これには、以下のような環境で働くことが含まれ得る。
・仕事のやり方に対するコントロールが限定されている
・過剰な仕事量または仕事を完了するためのリソースが不十分
・高いストレスにつながる不合理またはきついデッドライン
・混乱する、矛盾するまたは不明瞭な職務または役割
・限定的な雇用保障
・限定的または不十分な訓練・リソース
・(例えばストライキ、民営化、リストラ、ダウンサイジングなど)激しい組織変更の時期に働くこと
・ハラスメント・暴力のリスクの増大につながる可能性のあるその他の職務要因

〇その他の外部または内部要因
・ハラスメント・暴力につながる可能性のあるその他の外部要因には、以下が含まれる。
・家族または(元)パートナーなど、家族または家庭内暴力
・口頭または電話/メールで労働者または同僚労働者を脅迫すること
・労働者へのストーカー行為
・労働者または同僚労働者への暴言
・労働者または同僚労働者の所有物を破壊すること
・労働者または同僚労働者に身体的危害を加えること
・使用者の職場ハラスメント・暴力防止方針を含め、ハラスメント・暴力に関する不十分な研修

〇労働者に関する情報
「労働における家庭内暴力」ウエブサイトには、事業所が、以下のような家庭内または家族暴力のリスクを理解、特定及び対処するのに役立つ包括的な一連のツールを含んでいる。
・リスクスクリーニング・ツール
・職場安全計画テンプレート
・専門家との連絡

職場におけるハラスメント・暴力のリスクを緩和する防止措置の例にはどのようなものがあるか?

職場におけるハラスメント・暴力のリスクを緩和する防止措置には、以下のいずれかが含まれ得る。
・職場訓練
・職場設計
・管理慣行

〇以下に関する使用者・労働者に対する職場訓練
・礼節、敬意及び職場におけるハラスメント・暴力を認識、防止及び対応する方法
・権限の適切な使用
・「労働における家庭内暴力」ウエブサイトで入手できる、家庭内暴力及びいかにそれが職場におけるハラスメント・暴力の原因になり得るか
・対立を和らげる方法
・ハラスメント・暴力を目撃した場合に発生を報告する方法、及び発生を目撃した場合に傍観者にならないよう労働者を奨励する方法
・ハラスメント・暴力、及び人権の見地からの差別に曝露したと感じる労働者のための救済制度

〇職場設計
・顧客よりも労働者の方が出口に近くなるようにオフィス家具/サービスカウンターを配置する
・職場の公共スペース全体に監視カメラを設置する
・パススルーウィンドーや防弾囲いなどの物理的バリアを設置する
・鍵または暗号カードによる建物の全体または一部へのアクセスのコントロール
・職場への入り口の数を最小限にする
・入口付近や職場周辺に十分な街灯を用いる

〇管理慣行
・労働者の労働環境・条件に影響を及ぼす決定に、可能な限り労働者を参加させる
・実績評価プロセスの公正さと透明性を確保する
・職場ストレス、仕事量や、管理慣行に関する何らかの潜在的な問題について人権専門家に相談する
・一人でまたは安全でない場所で働く労働者のために「バディ・システム」を導入する
・職場外で働く労働者に、彼らの所在と時間が知られているようにするために、毎日の作業計画を用意させる
・事務所における指定連絡先及びバックアップ連絡先を特定する
・電子決済システムを使用する
・銃器、道具、アヘン、薬物、その他貴重品が安全に保管されていることを確保する
・レジを空にするまたは減らす時間帯に変化をもたせる

以下を含め、防止措置に関するさらなる情報は、カナダ労働安全衛生センターのウエブサイトを参照されたい。
・職場におけるいじめ
・ハラスメント・いじめの防止
・インターネット・ハラスメントまたはサイバーいじめ

職場ハラスメント・暴力リスクアセスメント・サンプルツール

この職場ハラスメント・暴力リスクアセスメント・ツールは、あくまでサンプルであり、あなたの事業所のニーズに合わせて修正する必要がある。使用者として、このアセスメント・ツールが扱っていない特定のハザーズをもつ職場について、他の条件を評価する必要があるかもしれない。

指定された使用者の代表者は、方針委員会などの該当するパートナーと協力して、このアセスメントを完了しなければならない。方針委員会がない場合、指定された使用者の代表者は、安全衛生委員会または安全衛生代表とともに、アセスメントを完了しなければならない。どの場合も、このアセスメントは3年ごとに1回完了しなければならない。また、再評価の正当な理由となる、事業所におけるリスク要因に変化がある場合には、常にこのアセスメントを完了しなければならない。

下の情報を提供する。
・ 事業所のロゴを挿入
・ 現場の名称
・ 使用者名
・ 該当するパートナー
・ 日付

今回が初回評価か、再評価であるかをチェックマークで示す。前回の評価を行った時期(該当する場合)及び次回の評価を行う予定時期を記入する。
・ 初回アセスメント実施日
・ 再評価の日付
・ 本日の日付
・ 前回のアセスメント実施日(該当する場合)
・ 次回のアセスメント見直し予定日

セクションA-ハラスメント・暴力リスクアセスメント

職場ハラスメント・暴力リスクアセスメントの各設問に、その内容に基づいて回答する。例えば、下記の39の質問を読んだら、以下のように自問していただきたい。

それをもっているか?

a. 「はい」(もっている)であれば、見直す必要があるか?
i.「はい」(見直しが必要)であれば、修正する必要があるか?
1.「はい」(修正が必要)であれば、「既存の管理[措置]」を記述、及び、「対策の内容」を列挙する。
2.「いいえ」(修正の必要なし)であれば、それ以上の行動は必要ない。
ii.「いいえ」(見直す必要なし)であれば、それ以上の行動は必要ない。

b. 「いいえ」(もっていない)であれば、策定する必要があるか?
i.「はい」(策定が必要)であれば、「既存の管理[措置]」を記述、及び/または、「対策の内容」を列挙する。
ii.「いいえ」(策定の必要なし)であれば、それ以上の行動は必要ない。

39の質問項目で言及されている内容を策定する必要があれば、このツールのPDF版を使用して、「既存の管理[措置]」及びこのリスクアセスメントから生まれた「対策の内容」を記入する。
編注:PDF版は表形式で、番号、質問、もっている-「はい」または「いいえ」、見直す-「はい」または「いいえ」、修正する-「はい」または「いいえ」、策定する-「はい」または「いいえ」、既存の管理[措置]、「対策の内容」をチェックまたは記入する欄が設けられているが、以下では質問の内容のみを紹介する。

防止方針

1. 使用者は、「職場ハラスメント・暴力防止規則」(規則)によって要求されているすべての要素を含んだ、セクシャルハラスメント・家庭内暴力を含めた、職場ハラスメント・暴力に対処する方針をもち、すべての労働者が容易に入手できるようにしているか?

2. 使用者は、ハラスメント・暴力防止方針の内容を、労働者に周知しているか?

3. 使用者は、方針によって、及び実際に、ハラスメント・暴力の事象を通告したことについて、労働者に対して懲戒的または懲罰的な行動がないことを、保証しているか?

4. 使用者は、方針及び/または慣行によって、労働者が職場におけるハラスメント・暴力の事象を報告するよう求めているか?

緊急時手順

5. 使用者は、(例えば爆弾の脅迫、暴動、ハイジャック、アクティブシューター、武装した脅威、強盗、労働者の苦痛/自傷の脅威など)労働者の健康と安全に差し迫った危険をもたらす、またはもたらすおそれのある事象に対処するために、容易に利用できる緊急時手順をもっているか?

訓 練

6. すべての管理職・非管理職労働者は、カナダ人権法のもとで禁止されている理由に基づくハラスメント・暴力を含め、あらゆる形態の職場ハラスメント・暴力の防止について訓練を受けているか?

7. 使用者及び指定受領者は、ハラスメント・暴力の事象への対応について関する訓練を受けているか?

8. すべての管理職・非管理職労働者は、職場における礼儀と敬意について訓練を受けているか?

9. すべての管理職・非管理職労働者は、職場の対立とハラスメント・暴力の間の違いを見分ける方法について訓練を提供されているか?

10. すべての管理職・非管理職労働者は、管理せずに放置すれば、ハラスメント・暴力になるかもしれない職場の対立を指導・緩和する方法について訓練を提供されているか?

解決のプロセス

11. 使用者は、方針及び/または慣行によって、匿名でハラスメント・暴力の事象の通報を提出できることを保証しているか?

12. 使用者は、規則のもとでのその義務を引き受ける前に訓練を受けた、指定受領者[相談受付担当者]をもっているか?

13. 指定受領者が主要なまたは対応する関係者である場合に、ハラスメント・暴力の事象の通報を提出する代わりの手段があるか?

14. 使用者は、すべてのハラスメント・暴力の事象の通報に対応しているか?

15. 使用者は、(例えば労働時間外のサイバーいじめなど)職場外で起こるハラスメント・暴力の事象を調査するための公式のプロセスをもっているか?

16. 調停という選択肢を利用可能にするプロセスが実施されているか?

17. ハラスメント・暴力の調査に指名される調査者は、規則に従って選ばれているか?

物理的労働環境

18. 職場は犯罪の少ない地域に所在しているか?

19. 職場への一般の立ち入りは制限されているか?

20. 時間外にアクセスするドアは、施錠または安全確保されているか?

21. 職場の出入口と周辺を監視するために、ビデオ監視及び/または警備サービスが使用されているか?

22. 職場の内外に常時(または少なくとも労働時間中)適切な照明があるか?

23. 使用者は、その労働者が利用することのできる明るく安全な駐車場をもっているか?

24. 労働者が私物を安全に保管することのできる(施錠された場所または「関係者以外立ち入り禁止」場所など)安全に管理された場所があるか?

25. 事業所施設外または通常の労働時間外に行われるすべての労働関連活動について、リスクを軽減するための、労働者と共有されているセキュリティプロトコルが実施されているか?

26. セキュリティギャップに対処するためのプロセスが実施されているか?

労働のタイプ

27. 仕事は、現金及び/またはその他の貴重品の取り扱いがないか?

28. 仕事は、人や者の運搬が関わるものか?

29. 仕事は、顧客と(対面など)直接の接触がないか?

30. 労働者は、(例えばディエスカレーション技術など)怒っているまたは攻撃的な顧客を管理する手順について訓練を受けているか?

31. 労働者は、単独または少人数で仕事をする場合にハラスメント・暴力から自らを守るために、とるべき安全措置及び従うべき手順について訓練を受けているか?

32. 労働者は、環境がわかっていない(商業または住宅)地域に行く場合に、とるべき安全措置及び従うべき手順について訓練を受けているか?

33. 労働者は、労働者の健康と安全に対して、事象が差し迫った危険をもたらす場合、または差し迫った意見をもたらす事象のおそれがある場合に実施すべき緊急時手順について訓練を受けているか?

心理的保護

34. 管理職労働者は、心理的健康を支援するためのその役割について訓練を受けているか?

35. 使用者は、職場または私生活に起因する心理的または感情的ストレスを経験した労働者に支援を提供するために利用可能な事業所内リソースをもっているか?

36. 使用者は、労働者の労働環境に対する満足度について、定期的に労働者を調査しているか?

37. 労働者が、(例えば季節的需要、例外的状況など)ストレスの高い状況下のような、心理的脆弱性が高まる時期に働く場合に、労働者を守るための特別の予防的措置があるか?

リーダーシップと組織構造

38. 管理者は、権限の適切な使用について訓練を受けているか?

39. 労働者に対する矛盾した要求を最小化するための、明確な報告系統があるか?

https://www.canada.ca/en/employment-social-development/programs/workplace-health-safety/harassment-violence-prevention/risk-assessment-tool.html

申立人とともに事件を解決する

1. 誰が解決しなければならないか

使用者として、あなたは、通知を受けた職場ハラスメント・暴力の事件を解決するよう努めなければならない。あなたが連邦政府の管轄にある使用者である場合には、申立人とともに、事件を解決する手順に従わなければならない。
あなたの職場が、州または準州政府の規制下である場合には、事件を解決するためには、その州または準州の労働局に連絡していただきたい。

2. 解決する前に

事件を解決する手順に従う前に、以下を読み、理解したことを確認していただきたい。
・ハラスメント・暴力の定義[前出]
・ハラスメント・暴力の例[省略]
・事件を解決する場合に使用される主要な用語の定義[省略-以下のゴシック部分等]

3. 申立人とともに解決する

事件[職場[使用者が提供した建物・施設外も含め、労働者の労働が行われるすべての場所、旅行中の事象も含まれる]におけるハラスメント・暴力の事件]の通知がなされた場合には、使用者としてあなたにはそれを解決する義務がある。あなたは、申立人とともに、事件を解決するために次の手順をとらなければならない。

ステップ①

あなたまたは指定受領者[相談受付担当者]が事件の通知を受け取った場合、7日以内に、以下のことを事件の対象となった労働者(主要関係者)に知らせる。
・あなたが彼らによる事件の通知を受け取ったこと、または
目撃者から提供された事件の通知で彼らがハラスメント・暴力事件の対象として特定されていること

主要関係者または目撃者が、口頭での申し立てを希望する場合には、あなたは彼らに代わって事件を記録するために事件通知に記入しなければならない。労働者が事件を通知するのに使用できるような、またはあなたがこの事件通知のサンプルテンプレートを利用できるような、様式を策定することが奨励される。様式には、以下が含まれなければならない。
・わかっている場合には、主要関係者と被申立関係者[事件について責任があると申し立てられた者]の名前
・事件の日付
・事件の詳しい内容

ステップ②

主要関係者に対する、あなたの事件の通知に対する公式対応のなかで、彼らに以下のことを伝える。
・事件の通知を受け取ったこと、または目撃者によって提供された事件の通知のなかで彼らが主要関係者として指名または特定されていること
・彼らが職場ハラスメント・暴力予防方針にアクセスする方法
・事件解決プロセスの各ステップ
・(家族、同僚、友人、労働組合代表、または他の支援者など)解決プロセスで代理人を立てられること

ステップ③

あなたまたは指定受領者は、事件の通知を受け取ってから45日以内に、交渉による解決[事件について話し合い、解決する可能性のある行動に合意するよう努力するあらゆるかたちのコミュニケーション]を開始するために、主要関係者との(対面、バーチャル、電話等による)会合を設定しなければならない。あなた、指定受領者と主要関係者は、このプロセスを通じて事件を解決するために、あらゆる合理的な努力をしなければならない。

ステップ④

交渉による解決の一環として、あなたまたは指定受領者は、主要関係者と共同で、ハラスメント・暴力の定義に照らし合わせて事件の通知を検討するだろう。あなたまたは指定受領者は、以下の場合には、解決プロセスを次に進めることを求められる。
・あなたまたは指定受領者と主要関係者が、事件がハラスメント・暴力の定義に当てはまるかどうかについて合意できず
・主要関係者が、解決プロセスを次に進めることを希望する
あなたは、事件通知を受け取ってから1年以内に、透明性のあるやり方で解決プロセスを完了しなければならない。

ステップ⑤

交渉による解決を通じて事件が解決しない場合、あなたは主要関係者に対して、調停[話し合いと合意達成を促進・支援するための中立的な第三者を介した(一連の)話し合い]及び/または調査による解決を求める選択肢を提供しなければならない。これらの選択肢は、交渉による解決のもとでの努力の継続と並行して行われるかもしれない。

〇主要関係者が調停に進むことを選んだ場合
主要関係者と被申立関係者の双方がともに、調停に参加することに合意しなければならないだろう。両者は、誰が調停者として行動するかについても合意しなければならないだろう。

〇主要関係者が調査に進むことを選んだ場合
あなたまたは指定受領者は、主要関係者と被申立関係者に対して、調査が行われるという通知を提供しなければならない。あなたは、(職場の規模に応じて)以下とともに共同であらかじめ作成した調査者のリストから調査者を指名することができる。
・方針委員会
・職場委員会、または
・安全衛生代表

あなたが上記の共同で作成された調査者のリストをもっていない場合には、あなたまたは指定受領者は、主要関係者と被申立関係者とともに、誰が調査者として行動するかについて共同で決定することを求められる。あなたは、あなたまたは指定受領者が調査の通知を提供してから60日以内に、共同で決定に達しなければならない。

ステップ⑥

あなたまたは指定受領者、主要関係者と被申立関係者が、あなたまたは指定受領者が調査の通知を提供してから60日以内に、共同で決定に達することができない場合は、あなたはカナダ労働安全衛生センターによって提供されるリストから資格のある調査者を選ぶことができる。

ステップ⑦

調査終了後、調査者は、以下の内容を提供する報告書を提出するだろう。
・事件の概要
・調査者の結論
・将来における同様の事件のリスクを根絶または最小化するための調査者の勧告
あなたは、調査者の報告書を受け取ったら、職場委員会または安全衛生代表と面談しなければならない。あなた方は一緒に、調査者の報告書に示されたどの勧告を実施すべきか決定するだろう。

ステップ⑧

使用者として、あなたは以下のことをしなければならない。
・あなたに報告されたすべてのハラスメント・暴力の事件を記録すること
・たとえ影響を受けた労働者(ら)と事業所内で解決した場合であっても、「労働プログラム」にそれらを報告すること

危険事象・死亡事故の調査・報告

ハラスメントまたは暴力の事件のために労働者が死亡した場合には、あなたは24時間以内に「労働プログラム」に報告しなければならない。
・事件の日時
・事件の概要
・より詳しい情報を入手するために連絡をとることのできる者の名前

https://www.canada.ca/en/employment-social-development/programs/workplace-health-safety/harassment-violence-prevention/complaints.html