職業病としてのCOVID-19:感染した労働者に対する政府の支援・保護-世界181か国の採点:UNIグローバルユニオンと国際労働組合総連合(ITUC)の新しいグローバル調査 2021.5.18

UNIとITUCは5月18日、新しいグローバル調査『職業病としてのCOVID-19:第一線労働者がもっとも保護されている国』を公表した。日本語の自動翻訳も表示されるので発表をご覧いただきたい。

https://uniglobalunion.org/news/first-global-analysis-covid-19-support-workers-ranks-181-governmental-responses-pandemic-finds

15点満点の採点で、1位アルゼンチン(13点)、2位オーストリア・スウェーデン(12点)、4位フランス・スペイン(11点)、6位デンマーク・ドイツ・韓国・リトアニア・オランダ・ポルトガル(10点)、日本は9点で他の5か国とともに12位だった。

採点の仕方は、以下のとおり(いずれについても、「Unknown=わからない」は0点)。

①COVID-19は職業病か?-Yes 1点、No 0点
②使用者が症例を当局に報告する義務があるか?-Yes 1点、No 0点
③労働関連統計は公表されているか?-Yes 1点、No 0点
④感染した労働者は労働関連COVID-19について補償を受ける資格があるか?-Yes 1点、No 0点
⑤労働者はCOVID-19について定期的病休手当を受け取っているか?-Yes 1点、No 0点
⑥医療労働者について(業務上と)推定する法律/政策があるか?-自動認定 4点、反駁可能(Re-buttable)3点、ケースバイケース 2点、その他 1点、No 0点
⑦全労働者について(業務上と)推定する法律/政策があるか?-自動認定 4点、反駁可能(Re-buttable)3点、ケースバイケース 2点、その他 1点、No 0点
⑧死亡給付があるか?-Yes 1点、No 0点
⑨上に報告したとおりに労働者によって実施されているか?-Good 1点、Poor 0点

各国の得点理由は説明されていない。


日本について検討してみると、①②③④はYes 1点で、⑨はNo 0点。

⑧は、労災保険の遺族補償給付で、Yes 1点としてよいのだろうと思われる。
⑥は、自動認定 4点、反駁可能3点またはケースバイケース 2点、⑦は、ケースバイケース 2点としてよいだろうと思う。
⑤は、公的財源による病気給付に限るとされていて、健康保険の傷病手当等はどう評価されるか。

合計すると、9~12点というところだろうか。

UNIとITUCは、職業病としての取り扱いとともに、「検査や回復のための有給病気休暇」も求めている。

安全センター情報2021年7月号

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