イギリス:管理情報/コロナウイルス感染症(COVID-19)報告 2020年4月10日以降使用者からHSE(安全衛生庁)・地方当局になされたもの
労働者がCOVID-19に罹患したと診断され、かつそれが職業曝露によって引き起こされたことを示唆する合理的な証拠がある場合には、2013年傷害・疾病・危険事象報告規則(RIDDOR)に基づき使用者は当該事例を関係する執行当局に報告することを求められている。
10月17日で終わる週までの最新の公表状況は以下のとおりである。
- 執行当局に届け出られた職業性COVID-19の数は、4月にみられたピークよりは低いものの、一般的に週ごとに増加しつつある(ピ-ク時の週1,183件に対して直近の週には530件が報告された)。
- 4月10日から10月17日の間に、162件の死亡の届出を含め、11,278件の労働者のVOCID-19の職業病届出が執行当局(HSE(安全衛生庁)及び地方当局)に報告された。
- 4月10日以降に報告された全(死亡及び非死亡)労働者報告数の約80%はHSEが所管する職場におけるものだった。
- 4月10日以降受け付けた報告の大多数は、(例えば病院、住居やデイケアを含め)健康福祉部門の労働者についてのものだった。報告の4分の3弱がそうした事業の使用者により記録されたものだったが、とりわけ宿泊業その他の個人サービス部門と比較して、この部門についての報告の多くが使用者により誤って分類されていることが知られていることから、実際のパーセンテージはさらに高いかもしれない。
- しかし、経済が再開したことから7月以降、教育や製造業など、他の部門からより多くの報告がいまやきつつある。(4月10日以降の合計では各3%であったのに対して)直近の4週間(9月20日から10月17日)に、全報告の14%が教育部門の使用者、11%が製造業の使用者により記録されたものだった。RIDDOR届出制度が広くいきわたった過少報告に悩まされており、そのことが産業部門のような重要なリスクファクターによる事例の規模と広がり双方についてゆがめられた見方を与えている可能性があることに留意すべきである。
- 4月10日以降受け付けた労働者のCOVID-19報告の84%はイングランド、9%はウェールズ及び7%はスコットランドの職場からのものだった。
※イギリスにおける10月17日時点の新型コロナウイル感染者数累計は705,428人だったので、11,278件は1.6%に相当する。