「生命安全基本法」を発議 金美叔さん「これ以上の涙をなくさなければ」 2020年11月12日 韓国の労災・安全衛生

「息子のヨンギュンを失った痛みの現実に、あまりにもぞっとしました。(中略)『これ以上、安全によって涙を流す国民がいないように』法的な安全装置と雰囲気造成のために、最善を尽くすことを要求します。」

泰安火力発電所の産業災害で亡くなった金鎔均さんのお母さん金美叔・金鎔均財団代表は12日、国会の疎通館で行われた『生命安全基本法』発議の記者会見でこのように話した。生命安全基本法は共に民主党のウ・ウォンシク議員が代表発議したもので、この日の記者会見は、国会生命安全フォーラムと市民団体生命安全市民ネットが準備した。

生命安全基本法は、国民の基本権として、安全に生きる権利と、国が国民の生命と安全を保護すべき責務を持つと明示する。

これを実現するための制度的な装置としては、人権に基盤を置いた安全政策の樹立、被害者の人権保障と支援体系の構築、安全弱者のための特別な保護、点検・補完体系として独立的な調査機構の設置、危険に対する知る権利の保障、安全影響評価制度の導入、犠牲者の追悼と共同体の回復、市民と被害者の参加の保障を提示している。

現在、安全に関する基本法としては、『災難と安全管理基本法』と『災害救助法』がある。しかし『災難と安全管理基本法』は国の組織体系と運営方式などを主に規定する。予防・待避・対応・復旧など、災難安全管理が追求すべき目標が何か、憲法上の生命と安全の価値がどのように連結されるのかが明らかでないという指摘を受け容れた『災害救助法』もまた、主に洪水などの自然災害を前提にした被災者を想定して作られ、多様な災難と安全事故で、被害者が実際に必要とする支援が何なのかなどで、限界がある。

ウ議員は世越号惨事と加湿器殺菌剤惨事、利川物流倉庫火災などに関して「繰り返し発生する災難と惨事の問題点を解決するために、根本的で広範囲な変化をもたらす方法の制定が必要だ」と話した。この日の記者会見に参加した作家のキム・フンさんは「この法案は、永い年月に度重なった死と絶望を通過してきた試練の産物であり、苦痛の悲鳴」と話した。

2020年11月12日 京鄕新聞 チョン・テヨン記者

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