上司のセクハラ、人事報復を恐れて申告もできず 2021年6月14日 韓国の労災・安全衛生

労働者のKさんは職場の上司からセクハラに遭って、直ぐに会社に申告した。その後業務から排除され、同僚はKさんを透明人間扱いした。Kさんは同僚たちと会うこともできず、業務能力が足りないという非難も甘受しなければならなかった。

職場の甲質119は今年1月から先月まで、Eメールで受け取った情報提供1014件の内、性暴行・セクハラ・性的嫌がらせなど、職場内性犯罪の情報提供が79件で、7.8%を占めたと明らかにした。この団体が結成された2017年11月から3年間での全情報提供1万0101件の内、職場内性犯罪の情報提供が486件(4.8%)だったことと比較すると、今年に入って職場内性犯罪の情報提供の比率が増えた。職場内性犯罪の被害者は、除け者、業務排除、人事上の不利益といった二次加害を心配して、被害事実を申告できなくなっていることが明らかになった。

職場の甲質119が公開した事例を見ると、性犯罪を申告した後に報復されることもあった。Kさんを始め女子職員は、上司から「下着を着けるな」と言われるなどのセクハラに日常的に遭った。「国民直訴の鐘」で嘆願が受け付けられた後に懲戒された上司は、職員を悪口と業務で困らせたという。

会社レベルで職場内の性犯罪に対応しなければならないのに、むしろ申告者を懐柔するケースもあった。上司からセクハラにあった事実を報告したCさんは、「忙しい時期なので、そのままにしておいてはダメか」という答を聞いた。結局、上司は待機命令を受けたが、業務上の負担が生じると直ぐに、部署長は職員を面と向かって非難し、夜勤をさせたと言う。Cさんは業務能力が落ちるという非難を受けて、プロジェクトから外された。

人事上の不利益を心配して職場内の性犯罪を申告できない事例もあった。新入社員のRさんはカラオケ会食でセクハラにあった。部長はRさんを隣の席に座らせた後、手を握って腰に触った。Rさんが大声を出すと直ぐに、酒に酔っているからと言い逃れた。部長はしばらくして謝ったが、反省する様子はなかった。むしろ自分が被害者のように振る舞った。Rさんは毎日部長と事務室で向き合っている。未だ修習中なので、人事上の報復をされそうで申告するのが恐ろしいと言った。

職場の甲質119のユン・ジヨン弁護士は「職場内セクハラが放置される業務環境は、直接的な被害者だけでなく、同じ環境で働くすべての労働者に脅威だ」として、「使用者は職場内セクハラに対して究極的な責任を負わなければならない」と強調した。男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律(男女雇用平等法)によれば、職場内セクハラを申告したという理由で事業主が不利な処遇をする場合、3年以下の懲役または、3千万ウォン以下の罰金に処すことになっている。

2021年6月14日 毎日労働ニュース シン・フン記者

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