『シーザー型高所作業台』はさまれ事故等で9年間に69人が死亡 2021年5月13日 韓国の労災・安全衛生

シーザー型高所作業台を使用している様子/安全保健公団

昨年2月、平澤市のある工場の工事現場。設備工事業のA(45)さんは、シーザー型高所作業台を利用する冷凍機の設置作業に投入された。彼は高所作業台の上で横になって、ボルトのナットを締めていた。作業中のAさんの背中が高所作業台の上昇作動レバーを押してしまった。高所作業台が突然上昇し、Aさんは天井と高所作業台の間に挟まれた。病院に移送されたが結局亡くなった。Aさんの死亡を調査した災害調査意見書を見ると、事故原因について、「作業台の過上昇防止装置が外され、設置されていない状態で高所作業台を作動させ、過上昇を停められない構造」と記録されている。

雇用労働部は13日、2012年からの9年間に、少なくとも69人がシーザー型高所作業台で死亡したと明らかにした。シーザー型高所作業台は、作業台に作業員を乗せた状態で、動力を利用して上昇させて作動する装置だ。天井配管の保守や電灯の交換など、主に室内の高い場所での作業をする時に用いられる。

シーザー型高所作業台は、防護装置の設置、作業計画樹立などが必要な、有害・危険機械などに該当する。この作業台を使った、挟まれ・墜落死が頻繁なためだ。労働部の集計を見ると、2012年からの9年間で、シーザー型高所作業台での死亡事故66件の内、35件が挟まれ事故だった。この他に墜落が24件、転倒関連が7件発生した。このため、高所作業台の作業の時には、墜落・挟まれなどの危険予防対策を含む作業計画を作成し、その計画に従って作業するようになっている。

危険予防対策の核心は過上昇防止装置の設置だが、問題はこの対策が現場でキチンと守られていないということだ。労働部は、最近続いて起きたシーザー型高所作業台での死亡事故は、すべて過上昇防止装置が外され、設置されていない状態で作業していて発生したと明らかにした。先月19日に、ソウルのある再建築の現場で発生した高所作業台での挟まれ死亡事故、先月23日に、電気工事で配管と高所作業台の欄干の間に挟まれた事故が、作業の便宜のために過上昇防止装置を外した後に起きた事例だとされた。

労働部と安全保健公団は、建設業者とリース業者などに、事故事例と高所作業台の設置・使用方法を案内・配布することにした。また△作業台のすべての場所での圧力感知、△作業台の調整は安全なスピードで行うように、安全認証基準を改正することにした。また、高所作業台保有者(リース業者など)が防護装置を設置する場合、その費用の全額を支援し、短期間での改善に誘導する計画だ。合わせて、100大建設会社には、今月中に所属現場の高所作業台の使用計画を確認し、防護性能が十分な高所作業台をリースするように指導することを依頼した。

労働部のキム・キュソク労災予防補償政策局長は「高く狭い危険な場所で使う高所作業台は、作業前に過上昇防止装置など、防護装置の作動状態を確認し、作業中は安全帯の着用など、基本的な安全措置を遵守すべきだ」と話した。

2021年5月13日 ハンギョレ新聞 パク・ジュンヨン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/995024.html