やっと場所を見付けた『故ソ・ジユン看護師追悼造形物』 2021年5月11日 韓国の労災・安全衛生

10日、ソウル医療院で行われた故ソ・ジユン看護師追悼造形物の除幕式で、遺族をはじめとする参加者が造形物の傍で写真を撮っている。/チョン・キフン記者

青いカーネーションの下に、ソ・ジユン看護師の顔と母親の手紙が彫られた五角柱がある。造形物の周辺には、石のベンチ三つが一定の距離をおいて丸く周辺を囲んでいる。青いカーネーションは「感謝・応援・連帯」を、三つの石のベンチは、看護師の三交代勤務を意味する。ソウル医療院の前に設置された故ソ・ジユン看護師の追悼造形物だ。

故ソ・ジユン看護師死亡事件市民対策委員会は10日、ソウル医療院の前で故ソ・ジユン看護師追悼造形物の除幕式を行った。パク・ウォンスン前ソウル市長が2019年9月に、追悼碑の建設を約束したが、追悼碑は追悼造形物になって1年8ヶ月目に守られた。

造形物を製作した彫刻家のイ・ウォンソクさんは、「初めに病院が製作を依頼した場所は、地下換気口、地下の出入口、消防防災箱、街灯で囲まれた場所で、昼間は樹木で遮られ、夜は街灯で照らされないような場所だった」と話した。彼は「病院は、傷を抱え、治療を受け、それが痛みであることを受け容れる空間になるべきだ。」「持続的に維持・管理して、永遠に(造形物と病院は)一緒でなければならない」と話した。

ソ・ジユン看護師の母親は、「病院が未だに構造的に変わらないため、また別のジユンが出てくるかが心配だ」とし、「これからはジユンのような子供たちが出てこなかったら、というのが私の残りの願いだ。暴言と暴行に遭っても、みんなそうしてきたのだからとやり過ごさず、自分の声を出して欲しい」と訴えた。

公共輸送労組医療連帯本部ソウル医療院分会のキム・ギョンヒ分会長は、「職場内差別といじめは依然として続いている。」「病院に申告しても、加害者のための懲戒委員会が開かれるだけ」とし、「96年から働いているが変わったことはなく、ソ・ジユンは『禁止語』になっている」と主張した。

ソ・ジユン看護師は、2019年1月5日に自宅で亡くなっているのが発見された。「弔問にも私たちの病院の人は来なかったら良い」という遺書を残した。ソウル医療院看護師死亡事件真相対策委が構成され、看護師社会の職場内いじめ文化の『焼き入れ』が構造的な原因だと結論付けた。

対策委は再発防止のために、病院の謝罪と経営者・看護管理者の懲戒、人員補充を核心とする34の勧告案をソウル市とソウル医療院に出した。しかし、当時のソウル医療院のキム・ミンギ院長は辞意を表明し、その後に任命されたソン・クァニョン病院長は遺族に謝っていない。勤労福祉公団はソ・ジユン看護師の死を産業災害と判定した。

2021年5月11日 毎日労働ニュース イム・セウン記者

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