#イ・ソノ#平澤港#安全・・「私だったかも知れない」 2021年5月11日 韓国の労災・安全衛生

10日のインスタグラムに、イ・ソノ君を追悼して労働安全を求める大統領府請願への参加を促す掲示文が載っている。/インスタグラム貯蔵

会社員のイ・ジョンフン(35)さんは、先月22日に平澤港の埠頭で働いていて、300㎏を越えるコンテナの下敷きになって亡くなったイ・ソノ(23)さんの記事を見て、自身のインスタグラムに知人たちの関心を促すメッセージと一緒に『#イ・ソノ#平澤港#安全』というハッシュタグを残した。彼は「危険な作業なのに、安全装備、管理者、信号手などの安全措置が不十分なために発生した事件で、再び起きてはいけない問題」として「イ・ソノさんのための国民請願にも参加して欲しい」と訴えた。

イさんの死に対し、社会関係網サービス(SNS)と大学校オンライン・コミュニティなどで、彼を追悼して労働安全を要求する20~30代の青年たちの声が拡散している。兵役を退役した後、学費と生活費を稼ごうとアルバイトをして、慌ただしく消えた同じ年頃のイさんの生命に、「私だったかも知れない」という怒りが沸いている。

10日に『ハンギョレ』が、大統領府請願に参加した20~30代の青年たちの話を聞いてみると、20代の大学生がアルバイトをしていて惨事にあったということに「私だったかも知れない」と口を揃えた。今回のことで産業災害問題に関心を持つようになったという大学生のキム・ハヌル(20)さんは、「私と年齢が同じような大学生が、大学の登録料を稼ぐためにアルバイトをして事故に遭ったということで、一層心に響いて胸が痛かった。」「2021年なのに、人が敷かれて死んで、挟まれて死ぬ事故が起こるという事実が信じられない。産災事故が発生する度に、キチンとした真相究明が行われなかったり、責任の所在が明らかにされないケースが多いが、私たちが最後まで関心を持たなければ問題は解決されないようだ」と話した。大学生のイ・ユンジョン(24)さんは、「どうしても同じ年頃の労働者の死や重傷を負ったという話に接すると、自分のことのように感じられる。」「周りの友達も、工場でバイトをすると危険な目に遭うと言う。安全基準のような体系が依然として用意されていないという気がする」と話した。

青年たちは、イさんが事故に遭ったのに、現場の管理者が119への連絡よりも、上層部への報告を優先したという話しに悔しさを吐き出した。大学生のクォン・ヒョクチン(20)さんは「人が怪我をして倒れているのに、上層部に先に報告をしたという話しが、私たちの社会では人命が最優先ではないということを見せているようだ。」「企業の立場から、業者の評判、更にはお金に関連したことの方を生命よりも重要に思うような現実が、とても残忍だ」と話した。彼は、火力発電所でアルバイトをしていて危険な作業を強要されたという友達の話を持ち出して、「友達もやはり、こういう(イ・ソノさんのような)システムで働いてきたという気がした」と付け加えた。

会社では、警察や消防署への連絡よりも内部への報告を強調するのが普通だ、という経験を打ち明ける人もいた。ソン・某(20)さんは、「3ヶ月前に、会社で上司の暴行にあって112に申告したが、会社はなぜ上部に報告せずに警察に知らせて、ことを大きくしたのかと叱った。」「イさんが下敷きになった事故現場を見て、119申告をせずに上部に報告したという事件の内容を見て、衝撃を受けた」と話した。

絶えない産災事故を見て、青年たちは誰もが『仕事で死なない社会』を作らなければならないと口を揃えた。「人が死んだり怪我をせずに金を稼げる世の中が、そんなに難しいことなのかと思う。」(クォン・ヒョクチン)「度々同じような事故が繰り返されるのに、その度ごとに大企業は責任を回避し、下請け業者は個人の不注意を強調する。本質的な問題が解決されていない。」(キム・ハヌル)

イさんの死を追悼し、産災死亡事故についての真相究明と労働安全を求める大統領府請願文が掲示されて、3日目には9万人を越える人たちが賛同した。請願人は「この時間にも多くの青年、中壮年が危険な現場で働いて命を失っている。」「自分の大学登録金を作ろうとして働き、命を失ったイ・ソノさんの死をより多くの人に知らせて、産災に対する警戒心を持たなければならない」と請願理由を書いた。

--請願進行中--

300kgのコンテナに下敷きになって亡くなった○○○君の残念な死

参加人員:[93,409人]

大統領府国民請願ホームページ貯蔵

2021年5月10日 ハンギョレ新聞 イ・ジェホ、カン・ジェグ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/994579.html