救急室で確認された「静かな虐殺」自殺試みる20代女性、34%増 2021年5月4日 韓国の労災・安全衛生

新型コロナ禍の社会状況のもとで、若い女性、20代以下の女性の自殺数が増加していることが指摘されていて、日本国内での報道も目立っていた。たとえば、

10代女性の自殺、8月は去年の約4倍 コロナ禍で何が<朝日新聞アピタル>2020年10月3日

韓国においても同様であることを、次のハンギョレ新聞の記事が示している。

救急室で確認された「静かな虐殺」
自殺試みる20代女性、34%増


コロナ時代、危機に追い込まれた20代の女性が社会で静かに居場所を失っていっている。「静かな虐殺」と呼ばれる。職場を辞め、メンタルヘルスは脆弱になった。自ら命を絶つ20代の女性が急増している。「静かな虐殺」の規模を推定する数値が初めて発表された。昨年、自殺を試みて救急室に運ばれてきた人の5人に1人が20代の女性だった。急激な増加だった。自殺を試みる20代の女性は、前年に比べて33.5%も増えた。自殺を試みる20代の男性も大幅に増加した。ここ数年間続いてきた若者世代のメンタルヘルスの危機は、新型コロナウイルスによって増幅させられている。

10~20代の女性、20代の男性が自殺を試みる人の増加を押し上げる

本紙は、共に民主党のシン・ドングン議員から提供を受け、保健福祉部が作成した資料「2020年に自殺を試みて救急室に来院した人の状況」を分析した。昨年「救急室を基盤とする自殺を試みた人の事後管理事業」に参加した66の救急医療機関に運ばれてきた、自殺を試みた20代の女性は4607人だった。昨年の自殺を試みた人は2万2572人(女性1万4148人、男性8424人)で、このうち20.4%が20代の女性だったということになる。男女すべての年齢層の中でも最も高い割合を占める。
その増加の勢いは恐ろしいほどだ。自殺を試みた人が1年間に4.7%(2万1545人→2万2572人)増加する間に、自殺を試みた20代女性は33.5%(3449人→4607人)増加している。この5年間の増加の勢いも最も激しかった。2016年には、自殺を試みた人に占める20代女性の割合は9.8%で、40代女性(11.8%)、30代女性(10.8%)に続き3番目だった。しかし、翌年からは男女すべての年齢層を上回りはじめた。増加の推移は、2017年12%→2018年13.8%→2019年16%→2020年20.4%。すでにコロナ拡大前の2017年から、20代女性のメンタルヘルスには危険信号が灯っていたと考えられる。

10代の女性が自殺を試みる人に占める割合も急増している。2016年の調査では全体の4.3%にとどまっていたが、2020年にはその割合が9.6%と、2倍以上になっている。2020年に自殺を試みた10代女性(2174人)は、20代女性(4607人)、30代女性(2184人)に続き3番目に多かった。

自殺を試みる20代男性の増加も目立っている。2019年と比べて自殺を試みる人が増えている男性の年齢層は20代が唯一で、その数は2019年の1497人から1788人へと、およそ19%の増。自殺を試みる20代男性の増加率は、20代女性の次に高かった。

うつ病やパニック障害が急増…メンタルヘルスに「赤信号」

若者たちのメンタルヘルスに赤信号が灯っていることを示す統計はこれだけではない。うつ病やパニック障害などの精神疾患で病院を訪れる若者が、ここ数年で急速に増えているのだ。
国民健康保険公団の「2016~2020年気分障害疾患健康保険診療状況」によると、うつ病を含む気分障害で受診した20代女性は、2016年の4万3749人から昨年は10万6752人へと144%(6万3003)の増。10代女性の増加率(102.4%)が2番目に高く、20代男性の増加率(83.2%)がそれに続いた。10~20代女性と20代男性が増加を押し上げる自殺を試みた人の数の統計と類似の傾向を示している。
パニック障害も、この3年間で20代の若者の患者が最も多く増えている。シン・ドングン議員が国民健康保険公団から提供を受けた「2018~2020年パニック障害診療人員の状況」を見ると、昨年パニック障害で診療を受けた20代女性は5万265人で、2018年に比べ1万3024人の増だった。パニック障害の患者総数は68万9650人(2018年)から73万5100人(2020年)へと6.5%ほど増えているが、20代女性は34.9%も増加していた。同じ期間に20代男性のパニック障害患者も21.4%増え、20代女性に続き2番目に高い増加率を示した。

「問題は社会的要因によるうつ病の慢性化」

若者たち、特に20代女性のメンタルヘルスが急速に悪化しているというニュースは「ニュース」ではない。統計庁の2019年の死亡原因統計によると、20代女性の自殺率は前年に比べ25.5%増えている。2020年の死亡原因統計は9月に発表される予定だが、2020年上半期の20代女性の自殺率は前年に比べ43%もの急増を示したという事実が昨年末に公開されている。
低成長時代にあって色濃くなっている若者世代のうつが、コロナを経ることで増幅しているという分析が出ている。特に、主にサービス業に携わる20代女性は、コロナの拡散によって職業が不安定となったことで、他の年齢層より強い精神的圧迫を受けた可能性がある。
今年初めに発表された統計庁の雇用市場関連の諸統計は、このような分析を裏付ける。1月の雇用動向を見ると、20代の雇用率(53.9%)は前年同月に比べ4.2ポイントの下落。すべての年齢層のうちで最大の減少幅だ。2000年以降で、1月の最も低い数値だった。統計庁の経済活動人口調査によると、前年1月に対する飲食・宿泊業と卸・小売業の就業者の減少人員58万5000人のうち、20代は16万8000人(28.7%)を占め、すべての年齢層のうちで最も多かった。男女別では、女性が33万4000人(57.1%)で半数を超えていた。
問題は、コロナ禍終息後も状況がよくならない可能性があるということだ。精神健康医学科の専門医として、10年以上にわたり数多くの青年女性を診療してきたマインドマンション医院のアン・ジュヨン院長は、「うつ病の発症が初めてなら、家族などの周辺の支えと適切な治療があれば、2年以内に完治しうる。しかし最近は、20代女性で、本人は一生懸命治療を受けているのに、4~5年以上も病院に通うケースが増えている」と述べた。20代女性のうつ病が慢性化する傾向が、第一線の医療現場で認識されているということだ。
アン院長は、患者が積極的に治療を受ける意志を持っているにもかかわらず、うつ病がなかなかよくならない状況について、生物学的・心理的原因のほかに社会的な要因も作用している可能性を慎重に提起した。アン院長は「江南駅殺人事件以降、女性嫌悪犯罪(ヘイトクライム)や性犯罪などが増え続けている一方、20代女性が感じる恐怖を相殺するほどには、社会や制度の変化が早く達成されていないため、精神科の治療のみでうつ病や不安がすべて緩和されることはないように思える。個人の意志だけでは消えない社会的ストレスが解決されない以上、20代女性のストレスとうつ病の回復期間は長期化しうる」との懸念を示した。

2021年5月4日 イム・ジェウ記者 (japan@hani.co.kr )

yahooニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/df7c3c1b22945a524f2a96576fbeb400482c83ee