浄化槽・マンホールなどで窒息事故に遭った労働者の半分が死亡 2021年4月18日 韓国の労災・安全衛生

一人の労働者が浄化槽の汚水処理作業をしている。/パク・ジョンシク記者

2017年5月に慶北のある養豚農場で働いていた労働者が倒れた。受水槽の内部で除去作業をしていて硫化水素で窒息した。倒れた労働者を助けようと受水槽入った同僚の労働者も窒息し、二人は結局亡くなった。

2019年9月に慶北のある水産食料品製造事業場で、移住労働者が地下の受水槽のモーターを点検するために内部に入って、硫化水素で窒息して倒れた。これを見た別の移住労働者3人が、この労働者を救うために受水槽に入ってやはり窒息し、4人が全て亡くなってしまった。

2011年から2020年までの10年間に、産業現場で発生した窒息災害に遭った労働者の半分以上が、亡くなったことが分かった。一般的な事故性災害の場合、死亡者が占める比率は1.1%なのに、窒息災害は53.2%で、労働者の致命的な脅威になっている。

雇用労働部が、最近10年間に発生した195件の窒息災害を分析した結果、窒息災害に遭った316人の災害者の内の半分を越える168人(53.2%)が死亡したと明らかにした。

窒息災害は、労働者が、主に密閉された空間の内部に発生したガスなどで、酸素欠乏などに遭う現象を言い、密閉空間とは浄化槽、貯蔵庫、マンホール、タンクなど、換気が十分にされにくい空間をいう。このような空間では、特に、有機物が微生物によって分解される時に硫化水素が発生する。卵が腐ったような臭いがする無色の気体の硫化水素は、毒性、腐食性、可燃性があって、人体に有害な性質を持つ。

特に、ここ10年間の窒息災害は春に最も多く発生し(61件、31.3%)、夏(49件、25.1%)、冬(47件、24.1%)、秋(38件、19.5%)の順だった。労働部は「気候が暖かくなって、微生物が活発に繁殖し、作業空間の内部の酸素を消費して酸素欠乏状況を作ったり、高濃度の硫化水素が発生するため」と説明した。窒息災害が頻繁な汚廃水処理・浄化槽の作業で見ても、春・夏に事故が多い特性が現れた。最近の10年間、春・夏にそれぞれ13件が発生し、秋には9件、冬には3件の順だった。下水道・マンホール、畜舎の糞尿処理施設の作業などでも、概ね春と夏に窒息災害が集中する傾向を示した。

労働部は窒息危険警報を発令し、今月から6月までを『窒息災害予防集中指導点検期間』と定めた。また、汚廃水処理施設・浄化槽、下水道・マンホール、畜舎の糞尿処理施設などを、先ず点検する。各作業場ごとに、△密閉空間への立入禁止措置と警告表示の設置、△換気扇、有害ガス測定機、送気マスクなど、災害予防装備の保有と使用状況の点検、△密閉空間での作業プログラムの樹立と施行の有無を確認するなど、現場の安全保健措置の履行について点検する予定だ。

労働部のキム・キュソク労災予防補償政策局長は、「密閉空間では、一回の呼吸だけでも意識を失って倒れ、窒息によって死亡する」とし、「事業場の密閉空間がどこなのかを事前に確認し、作業のために入る場合、酸素濃度や有害ガス濃度を測定して、安全かどうかを確認・換気しなければならない」と話した。

2021年4月18日 ハンギョレ新聞 パク・ジュンヨン記者

http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/991463.html