ポスコで働いて肺癌を発病・・・・続けて産災(労災)が承認された 2021年3月17日 韓国の労災・安全衛生

青年気候緊急行動など市民社会団体の活動家が、ポスコセンターの前で『気候・労働・人権の悪党ポスコ糾弾大会』を行っている。/キム・ヘユン記者

35年間ポスコで働いた労働者に発病した肺癌が、業務上疾病と認定された。昨年12月の初めての産業災害認定に続いて、ポスコの労働者の肺癌が産災と認定されたのは、今回が二回目だ。

17日、勤労福祉公団と申請事件代理人などによれば、勤労福祉公団麗水支社はポスコの浦項工場、光陽工場の選炭系輸送班などで35年間働いた労働者・Aさんの肺癌を、業務上疾病と認定して通知した。

Aさんは1983年にポスコに入社し、2016年8月に肺癌の診断を受けて、昨年12月に産災の申請をした。Aさんの業務上疾病判定書を見ると、11日に行われたソウル業務上疾病判定委員会は、国際癌研究所が肺癌の発癌物質に分類した、石綿、ヒ素、ニッケル化合物、結晶型硝子ケイ酸、ディーゼルエンジンの燃焼物質などがポスコの労働現場に存在すると見た。疾病判定委は「申請人はコークスオーブンの工程で、石炭輸送、乾溜、消火などの業務を遂行する過程で、コークスガス、結晶型硝子ケイ酸粉塵、複数のリング芳香族炭化水素(PAH)等に長期間曝露したと判断され、有害物質の曝露レベルが発癌に十分な量と期間だと認定でき、申請の傷病と業務との因果関係が認められる」と判断した。

特に、この事件は別途の疫学調査なしで業務上疾病と認定された。業務と疾病の因果関係が明確だとして疫学調査が省略された。Aさんの代理人の説明では、ポスコはAさんの産災は勤務の環境から発生したものではなく、喫煙などの生活習慣や遺伝的な要因によって発生した可能性が大きいと主張した。また、ポスコは作業環境測定の結果、法的な曝露基準以下で、安全な事業場だと主張した。しかし疾病判定委はこれを受け容れなかった。

Aさんの事例はポスコの労働者の職業性癌の産災認定では5回目で、肺癌では2回目だ。昨年12月に一人のポスコの労働者の肺癌も産災と認められた事実が、この日、遅れて確認されたためだ。他の三件は2017年に認められた多発性骨髄腫1件、2017年と2018年に認められた悪性中皮腫の2件だ。先月、29年間浦項製鉄所でコークス工場の選炭系輸送班で働いていたBさんに発病した特発性肺線維化症が産災と認定された。

Aさんの事件を代理したクォン・ドンヒ労務士は、「国内最大規模の製鉄企業であるポスコの労働者の肺癌認定が二回目というのは、常識的に納得し難しい」とし、「ポスコの閉鎖的な企業文化と排他的な労務管理が、事実上の産災隠蔽に繫がったと見ざるを得ない」と話した。

2021年3月17日 ハンギョレ新聞 パク・ジュンヨン記者

http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/987163.html