「電磁波・発ガン物質に曝露」電気員労働者3人が産災(労災)申請 2021年2月10日 韓国の労災・安全衛生
高圧電流が流れる設備で働く電気員の労働者が、職業性癌に罹ったとして産業災害補償を申請した。
建設労組・光州全南電気支部は9日の記者会見で「電気員労働者が電磁波や発ガン物質などに曝露して、マルトリンパ腫などの疾患に罹り、亡くなった事例もある」として、「産災を承認し、電気員労働者の職業性疾患対策を準備せよ」と要求した。この日に産災を申請した電気員労働者三人は、それぞれ脳膜悪性新生物とマルトリンパ腫、肺癌に罹っている。支部は「電気員として30年以上働いたAさんは、2万2900ボルトの高圧電流に触れて脳膜悪性新生物という診断を受け、Bさんも同じ理由で非細胞リンパ腫が発病した。」「電気員として45年以上働いたCさんは、電信柱の設置・撤去作業の時の微細粉塵によって肺癌になって亡くなったと考えられる」と主張した。電気員として「30年以上働いたDさんも、脳脊髄ガンは業務と関連があるとして、産災申請を準備している。
この日支部は「電気員労働者は2万2900ボルトの活線作業時に発生する電磁波に曝露している。」「1級発ガン物質である変圧器の絶縁油(OT)、石綿でできているカットアウトスイッチ(COS)、各種粉塵の影響を受けている」と主張した。支部が提示した産業安全保健研究院の調査結果によれば、高圧線を扱う電気員労働者の大部分が高いレベルの電磁波に曝露する。一般人に比べて約400倍も高い数値だ。支部は「(今年から)間接活線に工法が変更されたとしても、20年を超えて活線状態で働いた現実を考えれば、電磁波による職業性疾患は認められるべきだ」とした。
2018年と2019年には、白血病に罹った電気員労働者が産災と認められたことがある。
支部は「勤労福祉公団が、労組が2016年に提出した電気員労働者10人に対する職業性疾患の集団産災申請に、昨年10月頃不承認とした」とし、「キチンとした現場実態調査もなく行われた卓上行政の結果」と指摘した。更に「今回の集団産災申請を契機に、配電現場に関して全面的な作業実態調査を実施し、電気員の疾病を産災と認定せよ」と要求した。
2021年2月10日 毎日労働ニュース チェ・ナヨン記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=201298