多段階下請けが呼んだ現代重工業の重大災害 2021年2月8日 韓国の労災・安全衛生

金属労組現代重工業支部

5日に現代重工業の蔚山造船所で発生した重大災害の原因が、多段階下請け構造にあると指摘されている。下請け会社が計画にもなかった作業をし、安全措置もいい加減にしたために、決まった仕事をしていた元請け労働者が不幸に遭ったという指摘だ。

金属労組現代重工業支部によれば、5日に発生した産災死亡事故は、下請け業者のA社がクレーン作業をしている間に発生した。現代重工業は2016年のリストラ計画によって、クレーンの整備運営・建設装備部門などを分社して、子会社のモスを設立した。A社はこのモスと契約して、この日もクレーン作業をしていた。

現代重工業の労働者はクレーン作業が行われている場所を、時限爆弾を抱えて働く現場だと呼ぶ。元請けが運用する標準作業指導書と、モスの下請け会社の標準作業指導書の内容が違っていて、業務の混乱が少なからず発生しているということだ。例えば、元請けは必須安全措置を具体的に明示して義務化しているが、下請けは省略したりしている。

今回の事故現場のクレーン作業は、元請けが知らないうちに行われたという疑惑も出ている。支部の関係者は「金曜日の元請けの作業計画にはクレーン作業はなかったのに実際には行われ、作業配置が正しく行われなかったために、元・下請けの混在作業中に事故が発生したと判断する」とし、「クレーンが正しく固定されていない鉄板を持ち上げて、溶接作業の準備をしていた労働者を襲った」と説明した。「亡くなった労働者はわけが分からないまま、青天の霹靂に遭って殺された」と残念がった。

現代重工業は労使合意により、8日は生産現場と支援部での作業を中止する。支部は同日午前に、事故が発生した現場で追悼集会を開く。9日には労使が緊急産業安全保健委員会を開催して、事故原因と対策などを議論する。

5日午前、現代重工業蔚山造船所の大組み立て1工場で溶接作業の準備をしていたG(42)さんは、クレーンで移動してきた重さ2.6トンの鉄板に挟まれ、現場で亡くなった。この会社で発生した今年初めての重大災害だ。昨年は当直勤務中だった労働者が溺死しているのが発見されるなど、元・下請け労働者5人が亡くなる事故が起こった。

2021年2月8日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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