重大災害企業に大規模投資する国民年金 2020年1月15日 韓国の労災・安全衛生

▲ペク・スンホ民主労組世宗忠南本部宣伝局長

加入者が出した資金で運営される国民年金が、持続的に産災が起きている企業に少なくない資金を投資していると批判された。

民主労総は14日、世宗市保健福祉部の前で記者会見を行い「国民年金は重大災害を持続的に発生させた殺人企業に投資すべきではない」とし、「重大災害を起こした経営責任者の再任に反対し、公益的な理事を選任せよ」と主張した。

民主労総が2017~2019年の雇用労働部の発表資料と、昨年の産災死者数の推定値を合算して出した資料によれば、最近4年間の産災死亡者数は、ポスコ18人、GS建設14人、CJ大韓通運10人。各企業に対する国民年金の持分率は、ポスコ11.43%、GS建設12.55%、CJ大韓通運9.19%だ。これ以外にも国民年金が持分を有している深刻なレベルの産災企業として、大宇建設、大林産業、現代産業開発、現代建設、ハンファ、サムソン重工業・韓国造船海洋を挙げた。

民主労総は、国民年金が2018年にスチュワードシップ・コードを導入し、2019年に国民年金基金運用委員会で『国民年金基金の積極的な株主活動ガイドライン』を議決しているので、株主総会では、産災発生企業の経営責任者の再任と投資に反対の議決権を行使することを要求した。スチュワードシップ・コードは、機関投資家の受託者責任に関する原則で、顧客と受託者が任せた金を、機関投資家が自分の金と同じように最善を尽くして管理・運用しなければならないという指針だ。積極的な株主活動ガイドラインには、横領・背任・私益詐取などで企業価値が下落しているのに改善の意志がない投資企業に対して、国民年金が理事の解任・定款の変更などを要求できるとする内容が含まれている。

民主労総は「国民年金はスチュワードシップ・コード導入などで、社会責任投資・持続可能投資の観点で投資を決定できるようになった。」「重大災害を減らすべきだという社会的な流れが作られているので、国民年金も参加すべきだ」と強調した。更に「国民年金は重大災害を起こした経営責任者が続けて職務を遂行できないように、株主総会で積極的な活動をすべきだ」とし、「長期的には、国民年金は持続的に重大災害を発生させる『殺人企業』への投資を減らすべきだ」と付け加えた。

2021年1月15日  毎日労働ニュース チェ・ナヨン記者

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