利川のハンエクスプレス火災、発注者も有罪 2020年12月30日 韓国の労災・安全衛生

労働者38人が亡くなった利川のハンエクスプレス物流倉庫建設現場の火災の責任が、工事発注者にもあるという判決が出た。

水原地裁・驪州支院は29日、業務上過失致死傷などで起訴された物流倉庫工事の発注者・㈱ハンエクスプレスの関係者Aさんに、禁固2年に執行猶予2年、社会奉仕400時間の履修を命じた。

施工者・コンウの現場所長Bさんに対しては、懲役3年6ヶ月が宣告された。管理会社の関係者Cさんは禁固1年8ヶ月、また別の施工会社の関係者Dさんには禁固2年3ヶ月が宣告された。裁判所は下請け業者の運営者Eさんには、罰金700万ウォンを宣告した。施工者の法人には罰金3千万ウォンが宣告された。

裁判所は「発注者であるハンエクスプレスは、工事期間の短縮を要求し、施工者は色々な作業を同時に行うなど、無理に工事を進めて火災の可能性を大きくした」と判示した。量刑の理由としては「被告人が火災発生の直接の行為者ではない点、過失犯である点、多数の人命被害の発生に対して反省している点など、各被告人ごとに、死亡した被害者遺族との合意の有無などの諸般の事情を考慮した」と説明した。

裁判所は、検察が同じ嫌疑で起訴した4人に関しては無罪を宣告した。火災と因果関係がないというのが理由だ。検察はハンエクスプレスの高位役員1人、コンウの役職員3人、監理団2人、協力業者3人を起訴していた。

利川のハンエクスプレス物流倉庫建設現場では、今年4月29日に火災が発生し、38人が亡くなり、10人が負傷した。警察の調査によれば、工事現場の地下2階で溶接作業中に発生した火の粉が、可燃性素材である建物の天井壁面のウレタンフォームに飛んで、火災が発生した。警察は工事期間短縮のために、普段の二倍程の労働者が作業し、結露を防ぐために避難路を閉鎖するなど、安全規則を守らなかったことが大事故の原因だと指摘した。

2020年12月30日 毎日労働ニュース イム・セウン記者

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