賃金未払い現場に行って殉職した今年の勤労監督官 2020年12月30日 韓国の労災・安全衛生

故イ・ソンウ晋州支庁監督官

雇用労働部ソウル江南支庁のイ・スンヨン勤労監督官は、ソウル・江南地域のIT業種に対する勤労監督を主導して、勤労時間違反、延長・夜間勤労手当ての不支給を始めとする法違反の事実を大挙摘発した。特に、勤労監督の過程で、出・退勤記録のデジタル証拠分析によって、延長勤労手当てが正常に支給されていない事実を明らかにし、すべて支給されるようにした。IT業種は、慢性的な問題として長時間労働の慣行が挙げられる業種だ。

労働部がイ・スンヨン勤労監督官を始め、今年一年間、労働者の権益保護に寄与した勤労監督官15人を『今年の勤労監督官』に選定して、29日に発表した。

労働部は1995年から毎年、業務実績が優れた地方官署の勤労監督官を『今年の勤労監督官』に選定している。今年は主にコロナ19危機状況の中で、脆弱階層の労働者の権益保護のために努力した勤労監督官が選ばれた。

イ・ギュホ監督官は、コロナ19で配送量が急増して、業界の労働者の過労と安全事故が憂慮される状況だった宅配会社の物流センターとオンライン流通業者の勤労監督を担当して、勤労時間・休憩時間の違反を摘発・改善した。

パク・ホンウォン監督官は、労働者の賃金1億ウォン余りを不払いして潜伏した事業主を逮捕・拘束して捜査した。賃金不払いで生計不安に陥った被害労働者には、立て替え払い金が速かに支給されるように努力した。

故イ・ソンウ監督官は、非正規労働者に対する差別と不法派遣が疑われる事業場の捜査を行って、労働者が直接雇用されるように努力した。彼は賃金不払いの申告事件を受けて、現場に出張中に交通事故に遭って亡くなった。

イ・ジェガプ労働部長官は「今年はコロナ19という類例がない危機的な状況の中でも、労働者の雇用安定と賃金未払い解消のために任務を全うした全国の勤労監督官を励ます。」「来年も監督官たちと一緒に、労働者の権益を保護するために最善を尽くしていく」と話した。

2020年12月30日 毎日労働ニュース チェ・ナヨン記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=200611