ハラスメント訴えたら監督官が「私がどれくらい忙しく、苦労しているか・・」 2020年12月21日 韓国の労災・安全衛生

「職場内いじめの加害者に軽い懲戒をした会社の措置に納得できず、労働庁に陳情書を出しました。担当の勤労監督官に使用者・加害者を調査してくれと言ったところ『(私が)どれくらい忙しく、苦労しているかを知っているか。(近く配転になるけれど)残った任期を調査で過ごすことはできない』と言いました。」(労働者Aさん)

「賃金不払いにセクハラ、不当解雇まで受けました。セクハラ陳情書から雇用労働庁に出しました。勤労監督官がセクハラの証拠があるのかと尋ねるので、証人がいると答えました。『その人が上手く証言してくれるだろうか?』と、取り下げの話をし、当時、信じられるのは監督官しかいなくて、取り下げるというメッセージを(使用者に)送りました。」(労働者Bさん)

20日に職場の甲質119が公開した勤労監督官の甲質に関する情報提供の一部だ。職場の甲質119は、今年1月から11月までの勤労監督官の甲質に関する情報提供159件を分析して、『暴言上位10件』を選んで発表した。

雇用労働部は、労働者が職場内いじめを訴えて対処方法を問う嘆願を提起すると、使用者に申告するなど、先に事業場自らの解決手続きを踏まなければならないと案内する。会社が解決手続きを踏まなければ、被害者が労働庁に申告することができる。使用者が申告を理由に労働者に不利益な処分をすれば、陳情を提起することができる。職場内いじめで勤労監督官を訪ねた被害者は、事前に色々な手続きを踏んで、心的な苦痛を繰り返し受ける可能性が大きいわけだ。

情報提供者などは、味方だと思って向き合った勤労監督官に、絶望感・背信を感じたと吐露した。職場内でのパワハラについて「その年代の奴らがよく執る行動」だと、たいしたことではないように言い、「証拠がないから終結する」と言われることもあった。ある労働者は、加害者を擁護する勤労監督官の態度を見て、精神科の治療を受けるほどの苦痛を味わって、職場の甲質119を訪ねた。

職場の甲質119は、このような勤労監督官が出ないように、勤労監督専門担当部署(勤労監督庁を新設)の設置と勤労監督官の増員、勤労監督の抜き打ち配転といった制度改善を要求した。キム・ユギョン公認労務士(職場甲質119)は「少なくない職場内いじめの被害者が、労働庁の誠意のない調査と勤労監督官の使用者への肩入れ、暴言などで、再度傷を負っている」とし、「人材補充を含む労働行政全般の制度改善を至急に行うべきだ」と提案した。

2020年12月21日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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