脊髄損傷に対する私たちの取り組み

全国安全センターは2014年以降、労災補償に関する相談・援助事業を強化するために、全国脊髄損傷者連合会に理事を派遣しています。

個別相談への対応やピアサポーターに対する研修等のほか、2015年度から毎年秋に行われている厚生労働省交渉のなかで、労災補償に関する枠ももうけるようになりました。最初の交渉の成果として、2015年12月22日には基補発1222第1号「障害(補償)年金を受ける者が再発により傷病(補償)年金又は休業(補償)給付を受給する場合の事務処理上の留意点について」を出させることができました。一律に休業(補償)給付請求の手続をとらせるのではなく、支給要件を満たす場合には労働基準監督署長の職権により傷病(補償)年金に切り替え るよう指示したものですが、その後もその趣旨の周知徹底を重ねて要請し続けてきました。昨年まさに該当する事例の方から、労働基準監督署から文書で再発の場合休業(補償)給付請求の手続が必要と指示されたという相談がありました。すぐに厚生労働省に連絡したところ、周知不足を謝るとともに、当該事例はすぐに傷病(補償)年金に切り替えられたということもありました。

一方、同連合会の労災補償関係の最大の要望事項は介護(補償)給付の見直しでした。毎年要求し続けるとともに、厚生労働省労働基準局長に直接面談して要請する機会も重ねる、国会でも質問してもらう等も行った結果、「労災保険の 介護(補償)給付に関する状況調査」が実施され、介護保険ができる前の1994年の介護(補償)給付制度創設以来初めての見直しが実現しました。また、脊損者が死亡した場合の遺族(補償)給付に係る実態の把握と改善、併発疾病の取り扱いの見直し等も求めているところです。