現代重工業の塗装作業労働者、23人に皮膚発疹 2020年11月4日 韓国の労災・安全衛生

金属労組現代重工業支部

現代重工業で塗装作業をする労働者に、赤い斑点などの皮膚疾患が集団発生したことが明らかになった。労働界は「4月に現代重工業とKCCが共同開発した塗料を使った後から疾患者が発生した」とし、雇用労働部に使用中止命令と疫学調査を要求した。

民主労総蔚山本部と金属労組現代重工業支部など、蔚山地域労働者健康権対策委員会は3日に記者会見を行い、「4月に現代重工業が持ってきた親環境無溶剤塗料を使い始めてから、塗装作業労働者の間に皮膚発疹が発生し始めた」、「一部の組合員はかゆみ症のために熟眠できず、苦痛を訴えている」と主張した。

委員会が確認した被害労働者は現代重工業の先行塗装部で働く労働者17人と、海洋塗装の労働者6人の計23人だ。これらは赤い斑点と水ぶくれができる皮膚発疹症状を訴えている。

支部によれば、現代重工業は昨年KCCと共同開発した親環境無溶剤塗料を4月から一部事業場で使っている。無溶剤塗料は有機溶剤塗料より安全だと言われている。大気中への揮発性有機化合物の排出量を減らすことができ、密閉区域での作業時に、火災などの事故の危険を低減できるためだ。

委員会は「この無溶剤塗料には親環境という修飾語が付いているが、これを使う労働者にどんな危険が潜んでいるのか全く分からない」、「4月から新規物質を使っているが、事前の有害危険性評価など、何らの安全保健措置もしていない」と指摘した。

支部は9月初めに塗装部の元・下請け労働者を調査した後、雇用労働部蔚山支庁に、9月末までの臨時健康診断を要請した。10月末から塗装作業者333人全員に病院で検診が行われている。検診は今月6日に終わる。委員会は「(集団発疹にも拘わらず)引き続き無溶剤塗料を使っている」とし、「最近、直接使った労働者ではないのに、塗装ラインの労働者に追加の発疹が確認されている」と明らかにした。

委員会は、△無溶剤塗料の使用中止、△直ちに疫学調査を実施、△調査の過程に労組の参加を保障、などを要求した。

現代重工業の関係者は「皮膚発疹の原因と推定される物質の使用を全面中止して、メーカーと正確な原因を糾明する」、「11月初めからは改善された製品を使う予定」と明らかにした。

2020年11月4日 毎日労働ニュース オ・コウン記者

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