ベンジルアルコールを含有する塗膜剥離剤を用いた剥離作業に伴う急性の健康被害について~「中毒研究」(日本中毒学会)で急性中毒8事例を紹介、問題の背景などを解説した論文が掲載
本サイトで紹介したように、厚生労働省は2020年8月17日、未規制物質であるベンジルアルコールや特化則物質ジクロロメタンを含有する塗料等の剥離剤による火災や中毒事案が頻発していることから「剥離剤を使用した塗料の剥離作業における労働災害防止について」基安化発0817第1号令和2(2020)年8月17日を発出した。
この問題に関連して、日本中毒学会機関誌「中毒研究」vol.33(1), 94-98, 2020 に「ベンジルアルコールを含有する塗膜剥離剤を用いた剥離作業に伴う急性の健康被害について」と題する興味深い研究報告が掲載された。
同報告によると、中毒情報センターの「中毒110番」が、ベンジルアルコールを含有する塗膜剥離剤を用いた剥離作業に伴う急性中毒を受信したのは2014年が最初であり、2019年7月に8例目を受信している。2015年、2016年と受信はなく、2017年の3例目からは毎年受信している。
論文ではこうした被害事例について、発生状況、症状及び臨床経過を詳しく紹介しており、たいへん参考になる。
本論文については、日本中毒学会までお問合せください。