韓国・産業災害死亡率1位、私たちは「息ができない」 2020年7月2日

「韓国の産業災害死亡率はOECD会員国の中で1位です。仕事をする人たちが仕事場で全滅するような惨事が、数十年間続いています。悲劇的な事態は、ほとんど企業の利潤追求の枠組み中で発生しています。アメリカの黒人ジョージ・フロイドさんの死のように、韓国での産業災害による犠牲者の死も、社会的・制度的な背景を持つと考えます。ジョージ・フロイドさんの最後の言葉のように『息ができない』と叫ぶしかありません。」

生命安全市民ネット共同代表の 作家キム・フン氏が、1日に行われた『国会生命安全フォーラム創立式』の祝辞として提起した話題だ。

21代国会議員の研究団体の「生命安全フォーラム」が、この日創立式を行って、本格的な活動を開始した。
生命安全フォーラムは、生命安全のパラダイムの大転換のための制度とシステム導入のために構成された国会議員の研究団体だ。ウ・ウォンシク氏と共に民主党議員が代表議員になり、13人の正会員と13人の準会員で構成された。

ウ・ウォンシク代表議員は挨拶で「すべての人には、働いて怪我をしたり、死なない権利があるのに、その当然の権利さえ保証されていないのが私たちの現実だ」として、「フォーラムは『見えない死』を代表して、国民の安全権を保障するように法と制度を改善して行く」と約束した。

キム・ヨンギュン財団のキム・ミスク理事長は祝辞で「息子・キム・ヨンギュンは、元・下請けが安全の責任を負わない構造的な矛盾の中に追い遣られて、凄惨に殺害された。」「仕事をして死なず、怪我をせず、社会的な大惨事を防げるように、フォーラムが率先して頑張ってほしい」とお願いした。国会議長と雇用労働部次官、行政安全部災難安全管理本部長もそれぞれ祝辞を述べた。

創立式では被害者と市民団体の活動家が、フォーラムの会員である国会議員に『生命安全守護者』になって欲しいという意味の名札を直接伝達した。
創立式に続いて、『21代国会、生命安全のために何をするか』をテーマに討論会が行われた。

基調講演をしたソウル大保健大学院のペク・トミョン教授(生命安全市民ネット共同代表)は、「コロナ19事態に、K防疫や韓国モデルと言われているが、暴けば素顔が現れる。」「3月に大邱で、平年の15%を超える死亡者が出たということは、感染病がもたらすある一つの断面だけでは、今後の対策を議論できないということを示している」と指摘した。
ペク教授は「隣人が健康であってこそ私も健康だ。具合が悪ければ休もうというスローガンを掲げているが、それが可能なのか」と問い直して、「(K防疫の裏面で)崩れる社会の安全は、誰が面倒を見なければならないのか、国会でよく考えて欲しい」と話した。

キム・ヘジン生命安全市民ネット共同代表は提案で、「災難・惨事で確認されたのは、現実は非常に不公平で、災難・惨事の加害者には寛大だということだ」とし、「21代国会は、構造的な原因を明らかにして、体系を根本的に変える意志が一次的に必要だ」と強調した。同時に『安全権』を憲法や法律に明文化して、法・制度と政策に対する『安全影響評価制度』の導入など、21代国会に生命尊重安全社会を作るための11の改善課題を提示した。

2020年7月2日 毎日労働ニュース ヨン・ユンジョン記者