産業災害が『世襲』される社会で『悪い人』とは、お父さん/重症障碍者にも安心して働ける職場を 2020年6月8日
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4日午前、光州市北区の光州地方雇用労働庁の前に用意された青年労働者故・キム・ジェスンさん焼香所を訪ねたキム・ヨンギュンさんのお母さんが弔花を置いている。
障碍者労働者・キム・ジェスン(27)さんが先月22日、破砕機に巻き込まれて亡くなった。事業主は『キムさんはやらせてもいない仕事をして、死んだ』、キムさんの過失だと話した。
キムさんの父親キム・ソンヤンさんは危険な労働環境が呼んだ事故だと確信した。大工をしていた彼もやはり、2002年に産業災害で指を失って障碍者になったからだ。
8日、全国障害者差別撤廃連帯の主催で、『故キム・ジェスン障碍者、青年、労働者の社会的殺人糾弾記者会見:30年の障碍者雇用政策への死亡宣告』が行われた。
キム・ソンヤンさんは「醜い親父としてこの場に立って発言するということ自体、申し訳なく恐縮する」と、しばらく頭を下げた。産業災害が父親から息子に世襲される社会で、『悪い人』とは、父親だけだった。
『故キム・ジェスン労働市民対策委員会』真相調査団は2日、中間報告書でキム・ジェスンさんの死は『予想された人災』だったという結論を出し、知的障害者を単独で高危険作業に従事させたことが事故原因だと指摘した。「会社は危険性の高い樹脂破砕機の試運転と点検作業を、知的障害者のキムさんが一人ですることについて、黙認したり指示した」と、会社の主張に反論した。二人一組作業を遵守していない点、最も重要な安全装置である非常停止リモコンとカバーがなかった点なども原因とした。
キム・ジェスンさんは昨年4月に仕事を辞めた。仕事が余りにきつかったためだった。しかしキムさんは3ヶ月目に再び戻ってこなければならなかった。全障連・組織局長は「重症の障碍者を受け入れる産業現場はどこにもない。キムさんには、危険千万なここが、唯一許された働き場所だったのだろう」と話し、「最も脆弱な人たちに、最も危険な労働が強要されているのが現実」と指摘した。
キム・ソンヤンさんは「障碍者である事を隠して履歴書を出すと就職できるが、障碍者だと言えば事業主が嫌う」と、障碍者が労働市場で経験する偏見と差別を告発した。「障碍者でも非障碍者でも、平等に待遇されて、一緒に、見合った仕事ができる社会にならなければならない」と強調した。彼は「すべての建設現場は安全スローガンとして『自分の安全は自分が守る』と叫ぶ。誰がこれを安全スローガンにしたのかは知らない。産業現場の安全は労働者と事業主、労働部と国が一緒に守らなければならない」と強調した。続けて「もう
二度と若い青春が物を言えずに死んだり、口惜しく死んではいけない」と、重大災害企業処罰法の制定を求めた。
ソウル進歩連帯のクォン・ミョンスク執行委員長は「キム・ヨンギュンさんとキム・ジェスンさんのように、経歴もなく、これといったものを持たない20代の青年たちが、生存のために選択した事業場は低賃金・高危険事業場だ。青年たちをこうしたところに追い遣る社会は間違っている」と批判した。
重症障碍者の働き場所の不足が最も根本的な問題だという声も出た。障碍者自立生活センターのチュ・キョンジン活動家は「重症障碍者にも安全に働ける職場があれば、このような事故は起きなかった」とし、昨年の雇用労働部の障碍者雇用現況によれば、障碍者義務雇用業者2万9千ヶ所で働く障碍のある労働者は22万人で、全障碍者250万人の1/10にもならないと指摘した。
全国障害者夜学協議会のパク・ギョンソク理事長は「障碍者の雇用政策が作られて30年。その間に何が良くなって、何が変わったのかが分からない。市場になんとか入った障碍者は、自分が障碍者だと言うこともできない。競争の中で差別を受けて、安全の権利さえ口に出せず、いつ切られるかと思うと何も言わずに働いて死ぬだけだ」と怒った。
2020年6月8日 民衆の声 カン・ソクヨン記者