33年溶接工の白内障、再審査の末に労災認定/韓国の労災・安全衛生2025年8月27日

▲ 造船所の労働者が溶接をしている様子。 写真は記事と無関係。 <資料写真チョン・ギフン記者>

HD現代重工業で30年以上溶接工として働いた労働者の白内障が、再審査の末、業務上の疾病として認められた。勤労福祉公団は被災者が14年間生産班長として勤め、溶接光ばく露が減り、65才で診断を受け、老人性疾患である可能性が大きいとして不承認したが、労災補償保険再審査委員会は、直・間接ばく露だけでも白内障を誘発することがあるとし、判定を覆した。

 26日、労災再審査委員会は1986年から2020年まで、現代重工業の特殊船生産部で働いたAさんの療養不承認取り消し請求を受け容れ、左右の白内障を業務上疾病と認定したと明らかにした。Aさんは33年10ヵ月間、CO2溶接とTIG溶接を仕事とした。TIG溶接は一般の溶接よりアークが強く、目の損傷の危険が大きい。Aさんは仕上げ作業の過程でも鉄粉などに曝された。Aさんは退社して4年後の2024年、左右の白内障と翼状片(目の白目に白い膜ができる疾患)の診断を受け、労災を申請した。

しかし、公団はAさんが入社後18年は溶接工で、以後14年は生産班長として働いた点を問題視した。長期間の溶接作業が白内障の原因である可能性はあるが、管理職の履歴と診断当時の65歳という年齢を勘案すると、業務との関連性が低いと判断した。現代重工業も「生産班長は現場業務比率が30~50%に過ぎず、60歳以上の人口の70%が白内障を経験する」として、反対意見を出した。

しかし、再審委の判断は違った。生産班長在職中にも、直・間接的に有害光線にばく露したという点に注目した。実際、生産班長を務めた2004年以降、Aさんの特殊健康検診の結果を見ると、紫外線ばく露時間が1日8時間と記録されている。

Aさんの代理をしたイ・ダウン公認労務士は「長期間溶接作業が労働者の眼球疾患の発病と視力損傷に影響を及ぼし得るのに、労災認定の過程では、年齢のような個人要因に過度に重さを置き、職業的な要因が過小評価される傾向が大きい」と指摘した。

2025年8月27日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

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