SPC工場で三年間に三人が過労死・・・いずれも「昼夜二交代」勤務だった/韓国の労災・安全衛生2025年7月17日

シャニー・パリクロワッサンなど、SPCグループ系列会社の製パン工場で、最近三年間に労働者三人が過労死したことが判った。死亡した労働者は全員昼夜二交代勤務者だった。最近の四年間にSPC工場で仕事中に機械に挟まれて亡くなった労働者三人の内、二人も夜間勤務中に事故に遭った。無理な交代勤務が労働者を死に追い込んでいる。
ハンギョレが入手した過労死労働者三人の業務上疾病判定書によれば、勤労福祉公団傘下の業務上疾病判定委員会(以下、委員会)は、共通して交代勤務制を過労死の主要原因と名指しした。SPCは二組二交代勤務制で、事故当時の延長勤務を合わせて、長くは一日11時間ずつ、夜と昼を変えながら働いた。夜間勤務は、世界保健機関(WHO)傘下の国際ガン研究所(IARC)が二級発がん物質に指定するなど、人体に致命的だ。
シャニー所属のパン職人として働いていた61歳の男性Aさんは、2020年4月未明、突然激しい頭痛を訴え、意識を失って倒れた。脳出血だった。30年以上シャニーでパン職人として働いて定年を迎えた彼は、嘱託職として仕事場に戻ってきて一年七ヶ月目だった。病院に搬送されて治療を受けていた彼は、昨年死亡した。脳出血発病前の12週間、Aさんは一週間平均54時間43分働いた。1週間毎に昼間勤務と夜間勤務を変えながら働いたという。委員会は彼が『慢性的負担』」に苦しんでいたと判断した。
三立で検収作業をしていた53才の非正規職の女性労働者のBさんは、仕事をして四ヶ月後の2023年2月、寮で遺体で発見された。今回も脳出血だった。死亡直前の12週間、彼の1週間の平均勤務時間は52時間46分だ。隔週で昼夜交代勤務をしていた彼女は、休日にも7回働いた。三時間ずつ延長勤務する日が週4日だった。このような日は11時間を一杯にして働いた。委員会は故人が患っていた高血圧が『業務的負担要因で悪化した』と見た。
パリクロワッサンで生産製品検収の仕事をしていた40歳の男性Cさんは、2023年6月に自宅で倒れているのが妻に発見された。死因は心冠状動脈硬化による心臓疾患で、彼は死ぬ前の7日連続で一日に10時間ずつ働いた。
韓国産業安全保健公団が出した「長時間勤労者保健管理指針」は、長時間労働者の健康障害予防のために一日11時間以上の延長勤労と四回以上の夜間勤労をしないよう勧告する。死亡労働者の勤務時間を見れば、SPCはこうした勧告が許容する最大値で勤務時間を運用していた。
SPCグループが6月に国会に提出した『安全経営革新方案報告書』によれば、4月基準で二組二交代で働く労働者比重は、シャニーが34.4%、パリクロワッサン58.5%、SPLは66.2%に達する。過労死した労働者が働いていた工場には、今も約3200人が勤めている。
PCグループは「鮮度が重要な一部パン製品の特性上、夜間生産が避けられない状況だが、職員の疲労度を低くするために努力している。」「夜間延長勤労時間を減らし、二組編成勤務の場合、一日平均勤務時間は10時間内外」と説明した。イ・ハクヨン議員は「長時間の夜間勤労で労働者の健康を脅かす二組二交代をなくさずには、また別の過労死は避けられないだろう」と話した。
2025年7月17日 ハンギョレ新聞 ナム・ジヒョン記者