金容均が死亡した泰安火力発電所でまた・・・50代の労働者が挟まれて死亡/韓国の労災・安全衛生2025年6月2日

韓国西部発電・泰安火力発電所で発電設備の整備業務を担当する再下請け労働者が作業中に亡くなった。泰安火力発電所は2018年に発電下請け労働者キム・ヨンギュン氏が亡くなり、間接雇用を通じた「危険の外注化」問題が広く知られた所でもある。
2日、警察と雇用労働部、西部発電、民主労総公共運輸労組などの説明を総合すれば、この日午後2時40分頃、忠南泰安郡遠北面にある西部発電・泰安火力発電所内にある韓電ケイピーエス(KPS)機械工作室でKPSの下請け業者である韓国パワーオーエンエム所属のAさん(50)氏が、工業用棚機械の付近で心停止状態で見つかった。西部発電は発電設備に対する経常整備をKPSに下請けをさせ、KPSは「経常整備補助」業務を韓国パワーオエンエムに任せた。西部発電の再下請け労働者であるAさんは発電設備の部品を棚を通して加工する業務を担当してきたことが把握された。
泰安警察署は、棚が作動しないことを不思議に思った防災センターが現場を確認する過程で、Aさんが被害に遭ったことを見付けて通報したと伝えた。警察関係者は「亡くなったキム氏が棚を作動して事故に遭ったと見られる」と明らかにした。 ただし公共運輸労組関係者は「40㎝余りの曲がっている金属棒を切削する過程で、服が回転軸に巻き込まれて事故に遭ったと見られる」と明らかにした。警察と労働部は会社の作業日誌と作業現場の閉回路テレビ(CCTV)録画映像などを確保し、正確な事故経緯を調査している。該当の機械には異常状況が発生した時、電源を強制的に遮断する非常スイッチも付いているが、事故に遭ったAさんのためにスイッチを押してくれる人はいなかった。警察の関係者は「普段は現場所長が機械の横で作業するのを見守るというが、一人で作業することになった経緯について捜査中」と明らかにした。
労組は西部発電とKPSの作業経緯説明に対して声を強めた。事故原因を労働者に押し付けようとしているということだ。西部発電は事故経緯を扱った報告書で、Aさんが「棚の周辺を任意周辺整理中」に事故にあったと書き、KPSもやはり事故説明資料で、Aさんがしていた作業について「今日の作業オーダーに含まれていなかった事項」と明らかにしたりもした。しかし公共運輸労組の関係者は「Aさんが作業していたのは発電設備に使われる部品であり、公式的な作業オーダーがない作業も多くしている。」「西部発電と韓電KPSの表現は、故人がさせていなかった作業をして事故に遭ったという、典型的な責任回避性の発言」と話した。
先立って2018年12月、西部発電の下請け業者である韓国発電技術所属で、泰安火力発電所の発電設備の運転業務を担当していたキム・ヨンギュン氏が、石炭を運送するベルトコンベヤーに挟まれ亡くなった経緯がある。当時も西部発電と韓国発電技術は事故の経緯に関して「そこになぜ行ったのか解らない」、「危険な作業を言ったことはない」と明らかにし、社会的な非難を受けた経緯がある。
公共運輸労組はこの日発表した声明で、「西部発電はキム・ヨンギュンの死から何も学べず、何も変わらなかった。むしろ更に露骨に、更に図々しく、労働者個人の責任に転嫁している」とし、「下請け労働者のミスだとか、下請け業者の管理不良という言葉でごまかさず、今回の事故の本当の原因を最後まで究明し、責任者を明確にしなければ、第三のキム・ヨンギュンを防ぐことができない」と主張した。
2025年6月2日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者、ソン・インゴル記者